地域一番店を作った人の話ノ3

ノウハウが人の中にあった世界。
30年くらい前までの飲食店はそういう世界にありました。
今ならばノウハウはノウハウとして確立していて、お金を出せば買うことができる。
ただ同じノウハウを買っても、それを実践する人の経験、資質、心構えで結果は大きくかわるのだけど、とは言えノウハウはノウハウとして人の外にあるものになった。
でも昔は、ノウハウを手に入れようと思えばそのノウハウを持っている人を雇い入れる必要があったのです。
特に調理という分野において、目分量とか勘とかといった数値化できないことが多くて、その割合が多ければ多いほど料理は高度で高価で神秘的な魅力をもっているものなんだ…、と思われていた。

この神秘性をいかに剥ぎ取るか。
それが調理という行為を近代的なものすることなんだと、業界の人たちは一生懸命になった。
それは経済的にすばらしいことではあったけれど、文化的にどうだったのか…、と思うといささかなやましく、でもそうした努力がおいしい料理をあまねくすべての人たちに提供できる日本ならではの外食産業の仕組みができたということなのです。

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