ドーナツと夜のご飯
渋谷で仕事。
クリスピークリームドーナツでバス待ち時間をのんびりすごす。
毎月一枚送られてくる、オリジナルグレーズドドーナツが一個もらえるクーポンを使わなくちゃいけませんもの。
しかもお店の前に来たらホットサインが赤く光っておりました。
つまり揚げたてドーナツが食べられる。
食べなきゃ損でございます。
アイスコーヒーをお供にもらってドーナツ一個。できたてだからでしょう…、表面を覆ったアイシングシュガーのツヤツヤとした様は格別。ドーナツの生地から浮かび上がって細かなヒビが入ってる。
そしてほんわか、まだあったかい。
指をあてると砂糖の殻がハラリと壊れる。指の温度で砂糖がとけて指が濡れてキラキラしてくる。一口大にちぎって舌の上にのせれば砂糖の膜が崩れてとける。シュワッて音が聞こえるようで、口の温度が下がってく。
噛むとサクッとアイシングシュガーが覆った生地が歯切れる。その食感はクリスピー。
ところが唾液と混じって生地はたちまちとろけていってクリーミーの部がはじまっていく。クリスピーなのにクリーミーというブランドネームのままのおいしさ。
しかもできたて。そのとろけ感が格別で、あっという間に喉の奥へとなだれ込んでく。
ドーナツを置いたハトロン紙の上に剥がれたアイシングシュガーが散らかっていく。それをまとめてアイスコーヒーの氷の上に浮かべて溶かす。酸味穏やかで苦味がくっきりしたコーヒーが、舌に残った甘みをとかし後口スッキリ。家に向かうバスの時間をのんびり待ちます。オキニイリ。
夜、思い出の料理を作ってみる。
納豆嫌いだったボクが、ちょっとしたきっかけでやっと食べることができるようになったとき。
ボクが好きな納豆料理を作ってあげるよ…、って作ってくれた「納豆巾着」。
油揚げに包丁を入れ袋状にしたところに刻んだ白ネギと和えた納豆を詰め込んで、楊枝で閉じてフライパンでこんがり焦げめをつけたもの。
納豆に下味をしっかり入れるのがおいしくするコツで、芥子マヨネーズに醤油少々というのがタナカくんのレシピだった。
不思議なほどに納豆の匂いがやわらぎ、納豆のとろみがしつこく感じない。ネギのシャキシャキしたみずみずしさに、焦げた油揚げのサクサク感が口の中で混じり合うのがにぎやかで、今日も真似て作ってみたけどよくできた。
土鍋で炊いたご飯にマグロのぶつをのっけて小丼にする。
マグロに塩をほどこしてしばらく休ませ、塩気がしっかり入ったところにオリーブオイルをかけまわす。
イクラの醤油漬けをあしらい、赤唐辛子をパラっと散らしてできあがり。熱々ご飯で軽くあったまったマグロのぶつはおいしくて、魚卵がはぜてとろける感じもまたオゴチソウ。
宇和島直送のじゃこ天をこんがり炙って、生姜醤油であっさり食べる。白菜と油揚げを出汁でくつくつ煮込んだ仕上げに甘い白味噌をといて風味をつけたのをハフハフ食べて、お腹も満ちる。お風呂に入って、今日はちょっと夜更かししましょう。のんびりと。