こだわらないおおらかさが飲食店を救うのかも…。

伊勢丹の向かい側に「フレンテ」というビルがある。一階にルイヴィトンが入ってる以外はほぼ飲食店だけのテナントビルで、今は7割方が休業、あるいは閉店してる。場所柄、単価がとれる居酒屋業態が多かったから今の時期には売上が思うように作れないということもあるのでしょう。
ビル全体のムードが暗い。
そんな中でもほどよく集客してるのが牛たんの「ねぎし」で、そのための工夫があって勉強になる。
例えばコロナ以降、それまで11時開店だったのを30分、前倒し。ずっと10時半営業スタートを続けてる。時短要請は夜だけのこと。ならば開店を早くしてちょっとでも売上を取りに行くって姿勢が大切。どうせ仕込みでお店には10時くらいからお店は開けているんだから仕込みをしながらの営業だって決してお客様に失礼をしているわけじゃないんだと割り切ればよし。悪くない。

牛たん専門店からスタートした店。当時は家賃の安い物件ばかり。
そのうち酒を飲みながら食事する店がブームになって、ねぎしも飲める牛たん専門店を志向する。客単価も売上もそれにつれて上がって家賃が払える体質になり、一等地に出店するようになっていく。
けれど10年くらい前からかなぁ…、徐々に夜の営業の比重を下げてランチ主体の営業にシフトしていた。
そこにコロナがやってきて夜の営業自粛になっても傷はそれでも浅かった。運が良かったというのか先見の明があったと言えばいいのかわらかないけど、どのお店に行ってもそこそこ人が集まっている。

飲む人がいないかというとそれでも酒は売れていた。
何を肴に飲むのか…、ということで店の性格は決まっていく。
酒そのものをたのしむお店がバーや角打ち。
簡単なつまみがあっておいしければそれよし。
おしゃべりを肴に飲むのはカフェ飲みとか居酒屋飲みとか言われる飲み方。料理のお供に飲むのはレストランと言う場所で、その一番簡単なものが「定食飲み」じゃないかと思う。
目玉焼きでも酒は飲め、酒が足りたらご飯に汁で〆ればいい。ねぎしの飲み方はそういう飲み方で、おそらくこれからの気軽な飲み方の主流になるんだろうなぁ。今一番、打撃を受けているのがお喋りを肴に飲む居酒屋的な飲み方でおそらくそれはこれからも変わらぬことじゃないかと思う。

お腹いっぱいになるためにも、定食飲みをたのしくするためにも牛たんへの執着だとかこだわりだとかをひとつひとつ削ぎ落とし、メニューが再構築したのもよかったのかもしれないなぁ…。
3品盛り合わせという料理が2種類。一つはタンのいろんなパーツを3種類という牛たん専門店らしい盛り合わせ。ただもう一種類はカルビや豚バラとタンは一切混じらぬ3品。どれもがピリ辛、濃い味付けでご飯も酒もおいしくさせる。
今の時代、「こだわり」という言葉をみんなポジティブに使うけれどもそもそもの意味は「比較的どうでもいい事を気にしすぎて、いつまでも気にかけたり必要以上に手を加えたりしたがること」。小さなことにこだわらず「おおらかに自由に」発想することが大切なんだとお勉強。

 

関連ランキング:牛タン | 新宿三丁目駅新宿駅新宿御苑前駅

コメント

  1. ゆう

    東京駅の地下街とか錦糸町の駅ビルのお店はいつも老若男女で混んでいます。
    手ごろな値段で焼きたての肉をナイフ・フォーク無しで食べられるのがいいのでしょうね。
    でもシチューが無くなったのが残念です。
    無くなったといえば以前サカキさんが紹介なさっていたねぎポが無くなってしまいました。
    女性客向け過ぎたのでしょうか。

    • サカキシンイチロウ

      ゆうさん
      土鍋に入った和風タンシチュー…、おいしかったですよね。
      牛たん料理の店からグリル料理のお店へとコンセプトを変える中でオペレーションが組めないから…、ということでなくなってしまったのかもしれません。
      ねぎポはいかにも尖りすぎていて今の時代には難しいのもしれませんね。主力商品だった「とんてーき」はねぎしの定番メニューとして生き残りましたネ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。