Two Tacos at Guzmen y Gomez
飛行機で高松へ飛ぶ…、というのが今度の旅のはじまりだったはずなんだけど、彼の地が霧でもしかしたら羽田に戻るかもしれないという。
条件付きのフライトでドキドキビクビクするくらいなら、電車乗り継ぎ陸路にしましょうと、品川移動で新幹線。
ランチを駅ビルの中の「グズマンイーゴメズ」に決めた。
「Mexican Taqueria」というのがサブタイトル。
メキシコのタコス屋さん…、って意味になりますか。カリフォルニアに行くと屋台に毛が生えたようなタケリアがそこらじゅうにあって、そんな感じの気軽なお店。
とは言え、オーストラリア出身というちょっと変わったブランドです。
トルティアの皮と肉、それから野菜を好みのスタイルで挟んでみたりくるんだりと、食材自体はシンプルだけどバリエーションが豊富で、だから屋台的なオペレーションに乗りやすいのがメキシコ料理の便利なところ。
日本に来たときにはブリトー推しではあったけど、ココのタコスが好きでそれ。2個を選んで、一つはソフト、一つはハードを注文しました。
トレーの上にパッケージ。玉子が入っていそうな紙製の箱に入ってくるのがココのこだわり。しかも中に何が入っていていつ作られたかってひと目でわかるラベルが貼られる。ちょっと工業製品みたいで、けれどそれが嫌じゃない。追加でたのんだワカモレも、ジンジャーエールにもラベルが貼られて、どこかスマートで賢い食べものを手にしたような感じがしてくる。
これで蓋を開けたら中から牛丼だったりハンバーガーが入っていたらどう感じるだろう…、ってちょっと思った。オモシロイ。
タコスが2つ。
…、というか、正式にはタコが2つでトゥータコス…、なんだろうけどとにかく2つ(笑)。バリバリとした硬いトルティアにはフライドフィッシュを挟んでもらう。
ソフトタコには煮込んだ牛肉。
ざく切りにしたトマトとスライスしたレッドオニオン。
トマトは酸味がしっかりしていて、ビリリと辛いレッドオニオンの味と一緒になって、メキシコ的な風味を作る。
ソフトタコの中には豆の煮込みがたっぷり。
うずら豆を塩だけで煮たメキシコ料理の定番惣菜で、ホツホツとした食感と、はらりと崩れてクリーミーになってく様子がとてもやさしい。
塩の旨みと自然な甘みで、他の素材を支えてくれる。
チーズは酸味の少ないとろけるタイプのモノで、そこにワカモレたっぷりのっけてパクリと頬張る。すべての食材がモッタリとしたアボカドでまとまり口のすみずみ満たして消えていく。
魚や肉も一緒に口にやってくるのに、不思議なほどに野菜を食べてる!って実感にウットリします。オキニイリ。
プラスティックながらフォークが一緒についてくる。
ソフトタコが具材たっぷり。手で持ち上げるとこぼれだしてしまうほど。
それをフォークですくって食べるのもオッケー。
トルティアが2枚ついてやってくるから、2枚でくるんでブリトーみたいにして食べるのもまた良しという、いろんな食べ方ができるところがアリガタイ。
ソフトな状態だとスベスベしていて、けれど決してもちもち粘ってでしゃばるようなこともなく、ほどよく歯切れてほどよくとろける。
それを揚げるとパリッと見事に香ばしい。
ちなみに牛肉の煮込みはホロホロ。繊維がほぐれて他の素材と混じりあう。豆と一緒に口の中ではチリビーンズのようにふるまい、肉の旨みとトマトの風味で口のすみずみたのします。
フライドフィッシュは薄衣。パリッと油が香ばしく、そして熱々。他の素材が冷たくてだから熱さがとても鮮やか。ライムをたっぷり搾ってパクリ。硬いトルティアが壊れてちらかり、口が騒々しくなっていく。
サルサや刻んだコリアンダー。酢漬けのハラペニョが自由にとれる。コリアンダーとハラペニョたっぷりボウルにとって、半分くらいを食べたところで器の中にぶちまける。
コリアンダーの香りがフワリと、途端にそこがメキシコになる。
どう食べようにもトルティアよりも具材が多く、結局器の中はサラダのような様相呈する。揚げたトルティアをバリバリ砕いて、タコサラダのように最後はして食べた。
オキニイリです、オキニイリ。日本で一番好きなタコスはこのタコス。
ところでかつてアメリカやメキシコのファストフードはジャンクフードと言われたけれど、ジャンクと呼ぶにはあまりにまっとう。よき食材をよき状態で提供しているよき料理。これに比べれば日本のちょっとしたテーブルサービスの店の料理の方がジャンクに思えてしまう。
最もこれで1700円。それを高いと思うのか、それとも日本の飲食店の値付けがそもそも安すぎるのか。ボクは後者と思うのですネ。
安くする努力ばかりをしたツケが、今やいろんなところに出てる。悩ましいなぁ…、ってしみじみ思う。さぁ、旅へ。