tavern on S、フライドチキンサンドイッチ

次々、新しい名所ができる東京という街。今一番の話題といえば、銀座に出来た商業ビル。あるいはリニューアルした六本木のミッドタウン。
新しもの好きな人たちが行くべき場所は、今、新宿にはないのでしょうネ…、つい数ヶ月前まで人でにぎわい、朝から空席を見つけることもむつかしかったNEWoManのフードホールもしみじみしずか。
今となってはあのにぎわいはなんだったのか…、って思ってしまう。
ランチタイムや週末の夕方あたりはさすがに混んでて、待ちの行列ができてることもあって、さすが新宿という街の集客装置としての優秀なるコトには感心はする。ちなみにパンがおいしいレストランにオイスターバー、寿司屋にバスク料理のバルにアメリカ料理のビストロと、どこも朝から1000円超えの朝食メニュー。通勤客が気軽に朝を…、と、いうわけにはいかないのでしょう。しょうがない。

フードホールで一番好きな店で朝。
Tavern on S<es>という店。
現代的なアメリカ料理がたのしめる気軽なビストロ。
料理も好きではあるのだけれど、この伸びやかな空間とサービススタッフの笑顔がよくてオキニイリ。

ただ、朝の時間は提供時間が少々かかる。

サンドイッチやスープ、サラダがメインだからそれほど複雑な調理ではないはずなんだけど、おそらく最小の人数で厨房作業をしているのでしょう。ランチや夜もわりとユックリした料理提供だから、急いで料理を作ることになれていないこともあるのでしょうネ。
急ぐ朝にはドキドキしちゃう。

けれどのんびりできる朝にはのんびりする言い訳をくれるこういうお店もステキ。
セルフサービスでお替わり自由のコーヒーをお替わりしながら今朝はのんびり。20分ほど待って料理がやってくる。

まずはクラムチャウダーがボウルにたっぷり。
サイド用のサイズでだからこれでハーフサイズというのがアメリカ的。具材もたっぷり。細かく切ったじゃがいも、にんじん、玉ねぎ、セロリと野菜に混じってアサリのむき身。セロリの香りがよきアクセントで、胡椒をたっぷりふりかけて大人味にして食べる。

メインはフライドチキンサンドイッチ。
「最強のフライドチキンサンドイッチ」という自ら名乗る商品です。
大抵こういう大げさなキャッチフレーズの料理は期待はずれなコトが多い。
ところがココのこのサンドイッチ。
たしかに最強。
ボクが知る限りこれほどおいしいフライドチキンサンドイッチは他にないなぁ…、って思うほど。
まぁ、ボクの好みにあっているというだけかもしれず、けれどときおり無性に食べたくなってしまう魅惑の一品。

まずパンがいいです。
芥子の実をたっぷりまとわせふっくら焼いた丸いバンズで、空気をたっぷり含んでコロンと分厚く見える。けれど両手でつかむとクシュッと潰れて、口にやさしいサイズになる。それで挟んだフライドチキンこそ分厚く、ずっしり。細かなパン粉をまとってカリッと揚がってる。カーリーリーフとトマト、それからタルタルソースという組み合わせ。パクリ、カサカサ、サクッとカリッとジュワッとムッチリ。
前歯を次々、異なる感触がやってきては次の食感に置きかわってく。めくるめくような食べごたえ。

口に入るとパンそのものの風味や食感は姿を消します。それだけフライドチキンの存在感が力強くてたくましい。脂ののったもも肉で、とてもジューシー。口の中に肉汁ジュワリとやってきます。
それをおいかけタルタルソースがぽってりとしたなめらかな食感、それから酸味おくわえる。ああ、なめらかだと思った瞬間、バンズの上のけしの実がパラパラ、口を転がっていく。味がおいしい以上に、情報量が多くてそれで頭の中の「おいしい知覚回路」がフル稼働する。
もっとおいしく味わってやろうモードが爆裂するのです。
あとはただただひたすら味わい、食べるだけ。指を汚すタルタルソースや脂を舐めつつ、顎を動かし鼻ピクつかせ、お腹がたのしく満ちていくのを感じてニッコリ。シアワセな朝…、出来上がり。

 

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