NEWoManのスシトーキョウテン、すしまぶし

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新宿からはじめる朝です。ひさしぶりにニュウマンに来る。
「NEWoMan」と書く…、だからてっきりニューオマンだと思っていたら日本語表記はニュウマンで、スッカリ「マン」は置き去られてしまったいわゆる今様の商業施設。かといって「ニウメン」の単数形では決してないのさ…、と笑ってすます。
オトコ好みの店を集めても商売にはなかなかならず、オンナ好みを集めることが日本の商いの今の定石。仕方ない。とはいえその施設の中の「フードホール」という飲食施設はなかなか楽しいテナント構成。全店朝から営業してて、ただ1店舗を残して全店制覇しました。最後の一店。それがココ。

a-susiten「スシトーキョウ・テン、」というお店。
気張りみなぎる、しかも句点付きというおじさん的にはいささか気恥ずかしさにみなぎる名前。
しかも他の店は壁を持たない開放的な店づくり。
その伸びやかな空間性にここだけ背を向け、高級感をバリバリ発する閉鎖空間。
それが苦手で来ていなかった。
食わず嫌いは損をするから…、とそれで思い切って暖簾をくぐる。

いらっしゃいませと職人さんの若い声。
L字のこじんまりとしたカウンター。テーブル席が5つほど。
カウンターの中にキリリと凛々しい職人ひとり。料理を作っておりました。
外から見ると冷たい印象。ところが中に入ると不思議なほどに温かく、居心地がよい良き空気感。
ホッとしました。しかも料理を作る人たちの姿がなんともおいしげで、期待高まる。朝のメニューはひとつきり。

a-susi-yamaa-susi-mabusi「すしまぶし」っていう商品。

酢飯の上に叩いた魚をばらちらしのように積み上げ、最後に出汁をかけてサラサラ…、という趣向。
鯛の刺身が二枚付き、1500円+消費税という思い切った値付けの一品。

ただ実物はスゴいです。
値段以上を感じるビジュアル。
刻んだ三つ葉をいただいたイクラの山…、のように見えるのですネ。
しかも散らかる白ごまがキラキラ、まるで金箔みたいに見えたりもして、神々しさすら感じさせる様…、思わずカシワデ打ちたくなります。

イクラの覆いを箸でどかすと、山本体が姿をあらわす。
中落ちを叩いたものに、粗切りされたハマチや赤身が混ぜ込まれ、刻んだタクワンも彩り添える。
醤油がついてくるのだけれど、試しにそのまま、ちょっと一口食べると、イクラの塩味と素材それぞれの旨味で十分食べられる。
シャリの味もしっかりしていて、ときおりボリボリ、奥歯でこわれるタクワンがいい食感のアクセント。ねっとりとろける魚の食感引き立てる。

a-susi-maguroa-susi-nori焼き海苔が二枚ついてやってくる。
そこにシャリとネタを乗っけてくるんとくるむ。醤油をちょっとつけて食べると、とても上等なトロタク巻きになるのです。
シャリの力ってスゴいのですネ、強い脂をスッキリさせて旨味に変える。口の隅々をにぎやかにして、すべてをひとつにまとめてくれる。
シャリがなければただのおいしい魚のタルタル。それが寿司になるオモシロさ。
鯛の刺身は一転、ゴリゴリ、なかなか歯切れぬ西日本的食感でちょっとびっくり。しかも醤油が若干甘めで、旨味の強い風味、味わい。これで寿司を喰ったら美味いだろうなぁ…、って他の時間のおまかせにぎりを食べに来ようかと気持ちがあがる。

程よいところでお声がけください…、出汁をお持ちしますからと。ちらし寿司のようにも食べられ、巻物風にも味わえて最後はサラサラ、出汁かけ茶漬け。たのしい提案。朝のお腹がしみじみよろこぶたのしい趣向。

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それでお願いするとポットを持って見習いさんが駆けつける。丼を持ち、そこにそろそろ、出汁を注いでどうぞと手渡す。
出汁の香りがフワリと漂う。それまで生でそこにいた魚に軽く熱が入って色合い変える。同じ魚も生と熱が入ったものはまるで別物。例えばサーモン。独特な脂の匂いが姿を消して、ホロリと奥歯で崩れる食感。マグロの酸味もほのかでやさしくなって旨味に変わってく。
ちなみに出汁は貝の風味と旨味でできてる。節系ならば必ず顔をのぞかせる酸味や雑味がなくて旨味が透き通ってる。だから魚の風味がそのまま口に広がる。シャリの酸味がほどよく脂を引きしめる。
サラサラ食べてかなりの量がお腹の中に消えて行く。気に入りました、また来よう。

 

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