Junboo、メニューのブラッシュアップ

Junboo、メニューのブラッシュアップ

おやつ時を目指して移動。つくばまで来て試食の仕事。Junbooというレストランにくる。

junboo gaikanjunb counterロンドンの星付きレストランでスシェフを務めて帰国して、東京での修行を経て、去年の暮れにココを開業した若いシェフ。
モダンブリティッシュという最先端と、おかぁさんが英国生まれということもあって伝統的な英国家庭料理を融合させた料理を武器に…、と気合を入れた。
ただ、いかんせんつくばという地方都市での商売です。
良かれと思って仕入れたモノが不評で売れ残ったり、こんなものがと思うようなモノが評価されたりと、戸惑うばかり。
レストランを開業するとは、つまり「理想と現実の間で折り合いをつける」ということで、日々これ勉強。様々なことがようやく整理がつきそうで、それでメニューをブラッシュアップしましょうと本日試食。

junboo zensaiお客様が食べたいものを知らなきゃいけない。
けれどお客様が食べたいモノばかり売っていると、独自性をなくしてしまう。食べてもらいたいものを、食べたいモノにさせる工夫が必要で、西洋料理の場合はそれが、コース料理ということになる。
今日の試食はそういうわけで、コース仕立てですることにする。

まずは野菜を。手をかけるより美味しい野菜はサラダで食べるのが一番おいしい。塩と胡椒。ドレッシングをほんの少々。それで野菜がおいしくなる。特にトマトの甘さにビックリ。コリッと歯ごたえも見事なもので、素材の持ち味を邪魔せぬ勇気も必要なんだねぇ…って、感心します。

前菜2種類。どちらか選んでという趣向。
一つはレバームースのジャム添えで、ムースはブリュレ仕立てにしてる。焦げたところは香ばしく、レバー自体はムッチリなめらか。一緒に味わうジャムは手作り。甘みよりも酸味と軽い渋みに傾く味わいがレバーの癖を上手になだめておいしくさせる。

junb onionもう一種類はオニオングラタン。ストウブでグツグツさせて提供します。
玉ねぎをじっくりソテして甘味を引き出す。
そこにブイヨン。沸騰させたところにチーズと一緒に焼いたバゲットを落として蓋して蒸し煮で仕上げる。

重たい蓋を取るとフツフツ。スープの沸騰が蘇る。
おびただしい量の湯気と一緒に焦げたチーズの香りが湧き立つ。
スープはほとんどバゲットの中に染み込んでいる。そうでもなければ蒸発しちゃって、味が詰まってしまっているはず。
スプーンでパンをすくい上げ口に含むと、スープが一気にほとばしり出す。
いやはや美味い。
美味い上に、スープがパンと一緒にしばらく舌の上に留まる。だからじっくり、時間をかけて味わうことができるのですね。上手いなぁ…、ってじんわり思う。
一緒にとろりと飴色をした玉ねぎが、スベスベ舌を撫でてお腹をあっためる。お腹が急に空いてくるようなオゴチソウ。

junb sidesメインディッシュがそろそろやってまいります…、と、まずはサイドディッシュが2種類。
本番ではこれが4種類から5種類の中から選べるようになる。
一つはニョッキ。
ハーブとガーリック、オリーブオイルに塩を使って、手鍋の中で仕上がっていく素朴な味わい。
ぽってりしていて、口の中でとろけてジャガイモに戻っていくようなやさしさがいい。

もう一種類はハンドチョップドチップスという、今も人気のフライドポテト。
ざっくりて切りにした芋を20分間、じっくり時間をかけて茹で、それを低温の油で揚げる。芋の芯まで油がしみて、中がトロンと仕上がるのです。最後に高温の油にくぐらせ、表面パリッとさせて仕上げる。油をたっぷり含んでいるはず。なのに味わい爽やかで、後味も良く食べ始めると止まらない味。お腹の準備もしっかりできた頃合で、メインがきます。

junb pork一つは骨付き豚肉の炭火焼。
表面をこんがり焼いてオーブンの中でじっくり熱を通して仕上げる。
ほどよく焼けたところで再び炭の上。脂が炭の上に落ち、煙になって肉が香りをまとったところで出来上がり。

いやはやうまい。
やってきた時の、脂をまとってツヤツヤしている様子がまずはおいしくて、焦げた脂の香りも旨い。
ラギヨールのナイフがついてやってきて、それでスパスパ切り分ける。手に伝わってくるその感触が肉感的でウットリします。
食べるとさっくり萩れる食感。
みずみずしくて、口に溢れる力強いのに上品な肉のジュースのおいしいコト。脂がクチャっと奥歯で潰れて、ひんやり喉を脂が潤す。
豚肉って炭で焼くのが一番おいしい食べ方かもね、と一同、唸って感心します。

junb mbjunb dsそのおいしい豚で作った贅沢ミートボール。
トマトソースと一緒にストウブに入れ蒸し焼きにする。ムチュンと歯切れるミートボールは当然おいしい。
でもそれ以上に感心するのが、トマトソースでふっくらまるでムースにように仕上がり、ミートボールを包み込む。
トマトを荒く残したままで、あまり触らず鍋がおいしくするがままにしたからなんでしょう。堪能しました。

あとはこれに魅力的なアラカルト。量少な目のお酒が飲める前菜コースで、多様な気持ちに対応していく。
そうそう、デザートも三点盛りにするんです…、と酸味おいしい生チョコケーキ。
ピスタチオをたっぷり使ったムースに出来立てジェラートと、試食を忘れてシアワセ気分に浸ってしまう。
ココに来なくては食べることができない料理がちょっとづつ、ぼんやり姿を現し始めたような感覚。いいんじゃないかと思ったりする。
とはいえまだまだはじまったばかりの工夫。飲食店は継続こそが、生き残るための王道で、だからこれから定期的に試食をしつつ、このシェフらしい料理世界を作っていければと思ったりする。いい感じ。

 

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jun rbrrrところでつくばエクスプレスの研究学園駅の近所に、ずっとあった「レ・アール」という店。

箱型をした建物の2階部分にある喫茶店。
カラーイメージにロゴタイプ。なにより喫茶店という業態イメージが「あのルノアール」にそっくり。
どう見てもルノアールと読み間違いを誘っているようなあざとさがあった。
ルノアールとの商標問題は、一応解決してるんだ…、って言われていたけど、先日きたら店名が変わっているのに気がついた。
それも「ルーブル」。よーく見ないとお店の名前が変わったようには思えぬ工夫がなされてて、よく考えたなぁ…、って思った。オモシロイ。

コメント

  1. 薬局の末息子

    大学や研究機関の遠来のお客様をもてなすのによさそう…

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      薬局の末息子さん。
      つくばって、茨城県にあって、どこか東京のような雰囲気のある街なんです。
      だからちょっと背伸びしながら、ここにしかないモノを時間をかけて作り上げていければと思っています。

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