HASHIYAの日本のスパゲティ

昼、西新宿の「ハシヤ」に来る。
野村ビルの地下食堂街の人気の店で会社の昼休みがはじまると、ずっと行列が続く店。
今日はたまたま、開店時間の前に到着。
お店の入り口の前に、ウェイティング用の椅子がグルリを輪をなすように置かれてる。「しばらくお待ち下さい」という無言の印。
気が利いている。
お店の前に置かれたメニューをみてたら、どうぞ…、と。まだ開店の10分以上前なのにお店の中に案内される。こういう臨機応変なとこが個人店舗のステキなところ。それから続々、お店の中にはお客様。開店時間にはすっかり満席。待ちが出来てた。繁盛店。

スパゲティーの専門店でメニューは多彩。全部で100種類近くもあるでしょうか。
安物でも1000円こえる、決して安くはないのだけれどこうして人が集まるって本当の実力。

まずはサラダをたのんで食べる。
ホワイトツナのサラダというのがココで一番のオキニイリ。
シャキシャキに冷やしたレタスをボウルにたっぷり。トマトを飾り細かく刻んだセロリとキュウリ、晒さず辛味を残したままの玉ねぎたっぷり。
ツナのオイル漬けにジンジャー系のソースをたっぷりかけまわし、ザクザク食べる。
ツナや刻んだ野菜にソースがからまり、ドレッシング化していくのです。レタスの食感、味を引き立ておいしくさせる。かと思うと、レタスのみずみずしさがツナにまみれたソースのぽってり感を引き立てる。レタスを食べてるのか、ソースを食べてるのか、気持ちが行ったり来たりするのがたのしい料理。お腹の中が潤い食欲湧いてくる。

さてスパゲティー。
ココで一番人気の「タラコ、ウニ、イカのスパゲティー」。
辛味ソースを加えて辛口味にしてもらう。
木のボウルにタラコや、ウニ、生のイカをあらかじめいれ、そこに茹でたてのスパゲティーをくわえて混ぜて仕上げる料理。
だからボウルは器であると同時に調理具。
できたてをそのまま食べるという臨場感がまずおいしい。

ネットリとしたウニとタラコが麺にからんで、フォークにまとまる。
口に含むとそのまとまった麺がしばらく、どっしり舌に乗っかってウニやタラコの味がじんわり広がっていく。
程よく重たく、あったかい。
噛むとそれがパラリとほぐれて散らかるおいしさ。ムチムチとした麺の食感。アルデンテというわけでなく、麺そのものがほどよく固く噛みごたえがある。
ときおりイカがスベスベ奥歯を撫で回す、食感にぎやかなオゴチソウ。
大きな羽釜で麺を茹で、こうして器で仕上げたり、中華鍋で炒めて味を整えたりと、イタリア料理のパスタとまるで違った景色がオープンキッチンの中で次々繰り広げられる。見てるとどんどんお腹が空きます。

もう一種類のパスタは「醤油味のミックス炒めスパゲティー」。
醤油ソースに炒めた玉ねぎ、ニンニクのピュレで風味をつけた料理で具材が豊富。エビにソーセージ、アサリにベーコン。トマトに玉ねぎ、ピーマンに、しめじ、椎茸、マッシュルームと考えてみればカオスな感じ。
それぞれ個性の強い具材が、ひとつの料理にまとまっている。そのまとめ役が醤油なんだと思うとなんだか日本の料理のスゴさを感じる。
ちょっと甘めの醤油ダレ。炒めた玉ねぎの甘味と旨みと、甘口料理ではあるんだけど自然な甘みで飽きずにワシワシ食べられる。テーブルサイドにオレガノがたっぷりおかれて、それをパラリとかけて味わう。途端にアメリカ味になるのがオモシロイ。

 

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