Gastro Kitchen JUNBOO

Gastro Kitchen JUNBOO

つくばにきて、来週オープン予定のお店で、試作に試食。

junboojunJunbooっていう名前の店。シェフの名前がジュン君で、小さい頃のニックネームがJunbooだった。それでJunboo。
お父さんは日本人。おかぁさんがイギリスの人で、だから学校を出てイギリスの料理学校に入学をする。

日本人の舌は世界最強の武器なんでしょう。
メキメキ頭角を現して、卒業と同時にロンドンの星付きレストランに採用される。
一生懸命働いて、気づけばスシェフになってた青年。彼の店。
日本に帰って有名レストランで修行して、夢が叶って自分の店を作ったわけです。日本の修行時代の仲間と一緒に厨房の中で腕をふるうと言う趣向。

オープンキッチン。
入り口入ると真正面に炭焼き場。フランス料理がほぼ完璧にできる厨房と、おいしい料理を作り、楽しむための装置をしっかり作った。あとはご機嫌な料理をちゃんと作るだけ。

ちなみに業態の名前を「Gastro Kitchen」とした。
ガストロノミーなキッチン。つまり、七面倒くさいグルメ気取りな料理じゃなくて、モリモリ食べてご機嫌になれる料理のお店。
お酒がなくともたのしくて、お酒があるとなおさらおいしくなってく料理を心がけて作ってもらう。

jbつくばといえば今では学園都市ではあるけど、北関東の農産物が集まる場所。地野菜をメインにした前菜を充実させた。

ブドウとローストウォルナッツのサラダ。くるみひとつひとつをローストしてキャラメルコーティングしたものを、ブドウ、トマトと一緒にたっぷり、ハーブ野菜の上に散らかす。
オリーブオイルとオレンジ、バジルのドレッシングをかけて味わう。
甘酸っぱくってクチュッと潰れるブドウの食感と、カリコリ砕ける甘いクルミが良いコントラスト。

お皿の広いリムの周りに、色とりどりの野菜を散らしたバーニャカウダ仕立てのサラダ。
紫カリフラワーにスナップエンドウ。カブやニンジンはあらかじめ茹でて食感なめらかにする。けれどカリっとした砕け感は残ってる。アルデンテ状態の野菜とでもいいますか。
プロだなぁ…って感心します。

ちなみにサラダを入れた木のボウル。
オリーブの木で作ったモノ。硬くて軽くて、使えば使うほど味が出てくる素材で、その板をそのまま使ったお皿で提供するカルパッチョ。
塩でどうぞと言われて食べると、なるほど魚の甘みがひきたち、オリーブオイルやハーブの香りで魚の風味が軽やかになる。
案外日本のボクたちは醤油に甘えているのかもね…、と反省しちゃう。オモシロイ。

jb gralivjb foisストゥブでコトコト仕上げたオニオングラタンスープを挟んで、表面をカラメライズしたレバームース。
そのまま食べると鶏のレバーに独特の渋みと苦味、そして香りがドスンと強烈。
赤いワインを欲しくする。
ところがそれにソテしたリンゴを合わせて食べると、不思議なほどにそういう癖をなくして、口の中に濃厚な旨味が広がっていく。
酸味と甘みが渋み、苦味と出会って旨味に変わるのでしょう。不思議でおいしい化学反応、ウットリします。

そのおいしい化学反応を再びソテしたフォアグラで。
こんがり焼いたフォアグラに、バターで焼いたチコリを合わせる。オレンジソースをタラリと合わせて、酸味と甘みを加える以上に、チコリの苦味がフォアグラの濃厚な味に輪郭くれる。
バターの香りがフォアグラの香りを一層強くして、旨味を力強くする。

jb sausage肉をガツンとおいしく食べる!が実はメニューのテーマで例えば、ソーセージなんかがうまいのですネ。
やまと豚を使ったボイルソーセージ。軽く脂で焦げ目をつけて、マッシュポテトのサイドにそわす。そこに鶏からとった出汁と野菜を合わせて詰めた、グレービーをたっぷりかけて仕上げるのです。
ソーセージ自体がおいしいのに、そこにタップリグレービー。
焦げた香りと野菜のさっぱりした旨味がソーセージの脂を甘くしてくれる。
ハーブの香りがフワッと後口膨らますのが、ソーセージと言う加工肉に独特なとこ。

それに何よりマッシュポテトのおいしいこと。
ジャガイモのもつデンプン質を引き出し、まとめてぽってりさせる。手鍋の中で押し付け、何度もひっくり返し、また押し付けて水分飛ばしてもったりさせる。
口に含むとジャガイモの香りが漂い、いま口の中にジャガイモがいるんだと思うのだけどジャガイモ独特の粉っぽさがまるでない。
グレービーをからませながら食べると気持ちがロンドンパブに飛んでいく!

jb stubjb steaks豚肉だけでコロンと作ったミートボール。トマトソースの中でくつくつ煮込んで鍋ごとやってくる。
鍋ごと…、というのがこれまた楽しいところ。みんなで分け合い、互いの取り皿によそおいふるまう楽しさがある。

レストランで料理を食べてるって堅苦しさより、自分のうちに友だち呼んで楽しんでいる。そんな感じが演出できればいいなと思って、こういう感じ。
ラムとレンズ豆の煮込みも同じ提供方法。
香り豊かなラム肉を、じっくりローストしたものを食べやすいようカットしてレンズ豆の上にのっけて赤唐辛子をパラリと散らす。ラムの匂いと赤唐辛子の香りがとてもマッチして、クチャっと潰れる肉の食感、なんともなめらか。肉感的。

常陸牛のステーキは、肉の厚さが足りずにいささか不発弾。サイドに用意したフライドポテトも中がべったり。ほっくり感が乏しいでき。まだまだおいしくしくちゃいけないところもあって、それもあと数日でほどよきところに落ち着きそう。
厨房の中の2人の年齢合わせても50になるかならぬかという若々しさに、おじさんクラクラしちゃいます。
未来のお店がまもなくできる…、ワクワクします。またきます。

コメント

  1. 北口 

    長く学生時代
    SouthAscotに居たので一気に青春時代を思い出しました。アメリカから帰って今霞ケ浦に住んでいますが、そちらのお店に一度行ってみたいと思っています。楽しみです。
    一人で行っても楽しめますでしょうか?兎も角 近じか伺います。See you soon

    • サカキシンイチロウ

      北口さん
      バークシャーのサウスコットでらっしゃいましょうか?
      ここのシェフはおかあさまが英国出身ということで、何を作っても英国式になっちゃうだと、それを武器に日々、たのしい料理をつくってらっしゃる。
      座り心地のよいカウンターがあります。
      目の前でシェフが料理を作ってくれます。ぜひ、シェフに声をかけてやっていただいて、食事と一緒に英国の思い出話をたのしまれてはと思います。
      贔屓にしてやってください。よろしくお願いいたします。

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