CRISTA

サンクスギビングディナーにクリスマス、忘年会を3つまとめてお祝いするようなディナーにしましょう…、とどこにしようか考えて参加者一同「ならば、クリスタ」。意見が一致いたします。青山と渋谷の境目。最寄駅はどこと聞かれれば渋谷、あるいは表参道。どちらか迷う。どこでもないような場所にあり、でもそう言う場所にはワザワザ行くにふさわしい良い店が隠れているもの。
どこでもない場所のドアを開けると、あっという間にアメリカのグリルレストランにワープしていた…、そんな店。

アメリカ風のインテリアやアメリカ流の料理でアメリカンスタイルを謳う店はたくさんある。
けれどアメリカのいいレストランが持っている空気感。その空間にいるすべての人が発する心地よい緊張感に満ちたシアワセなムード…、つまり空気感が、この店ならでは。その空気は働いている人たちが発する空気で、それをサービスの良い店と表現するのは簡単だけどそれだけではすまないような気がする。
来るたび新しい何かを感じさせてくれる。

プリフィックススタイルの、魅力的なコースも用意されている。
けれど折角ならばアラカルトから好きなモノをと、メニューをみんなで読み込んでたら、シェアされるのであればシーフードプラターがおすすめですが…、と。
魅惑的なる提案に、ワインも決まって楽しい食事の時間がはじまる。

大きなプラターに砕いた氷をぎっしり詰め込み上に今日のシーフード。ロブスターに茹でたエビ。タラバの爪にムール貝。ハマグリ、生牡蠣ととてもにぎやか。帆立の柱を薄切りにして今日は特別にキャビアをあしらわせていただきました…、と言う一言にテーブルの上がパッと明るくなった気がする。
カクテルソースと柚子胡椒で辛味を加えたマヨネーズ。
それぞれ食べたいものをとり、自分用の取り皿の上にきれいに飾りたくなった。うつくしいだけじゃなくどれも味わい確かで例えば大きなエビにもかかわらず大味じゃなくてみっちり味が凝縮されてる。

ニューイングランドクラムチャウダーがメニューにあって、チャウダー好きとしては何をおいてもおさえたい。

たのんで食べると、具材タップリ。
じゃがいものとろけ感がなめらかで、焼いたベーコンが脂の風味や塩の旨みでチャウダースープをおいしくさせる。
アメリカンスタイルを謳うお店で、おいしいクラムチャウダーに出会うとホっとする。
小麦の香り豊かなロールブレッドをちぎってチャウダーの中にポトンポトンと落としながら、たのしく食べてお腹をやさしくあっためる。

客席が徐々ににぎやかになっていく。
お客様が増えるにしたがって客席ホールの真ん中におかれたサービスステーションに、サービススタッフが集まってくる。見守られている…、って安心感と、ニギニギしさがそこからジンワリ漂ってきてワクワクします。

サラダが来ます。
アメリカ的な食事の気軽でたのしいところはその構造のシンプルなところ。
会話をたのしむためのワインのお供のスターター。
スープとサラダがそれに続いてメインディッシュという構成。わかりやすい料理をどれだけおいしく、オリジナリティーに溢れるものに仕上げるか…、ということに厨房の中は注力する。

今日選んだのはアイスバーグサラダ。
レタスとベーコン、ブルーチーズのドレッシングで仕上げるとてもシンプルなサラダで、それをなんとホールケーキのように仕上げる。
レタスがケーキの土台をつとめカリカリになるまで焼き切ったベーコンにクルトンがベリーのように彩り添えて、ブルーチーズのドレッシングがソースのようにお皿を飾る。
取り分けるためにナイフを当てると、手から伝わるザックリとしたレタスの葉っぱのクリスピーさにまず喉がなる。実際食べるとその感触がそのままに口の中をみずみずしくする。にもかかわらずワインがおいしくたのしめるのはベーコンとブルーチーズのなせる技。

ボクたちが座った席は、丸いテーブルに添うように誂えられたベンチチェアが置かれたブース席。
そこに座ると互いが互いの横顔を自然に伺える、親密な関係性がウレシイテーブル。
しかも背後に厨房がある。
ふりかえらずとも音や香りで厨房がスゴい勢いで動きはじめたコトを感じてお腹がなります。

メインはグリル料理で…、というのがココの提案で、これもアメリカ的なレストランの正しい特徴。
メニューにズラリと10種類ほどのグリル料理が並んでて、オーダーカットのステーキもある。
ケイジャンスタイルのビーフステーキがあってまずそれ。

スパイスをタップリまとわせ焼き上げた、450gの赤身の塊。
ニューオリンズというディオニソス的な街で生まれて育まれた料理…、それがケイジャン料理。シンプルなのに肉感的で、特に香りに特徴がある。パプリカの青い香りにクミンシードやオレガノ、タイム、セロリ、それからコリアンダー。
ハーブ、スパイスの香りがまずは鼻をくすぐる。
きれいについた焼き目と、脂でツヤツヤ輝く肉の表面もうつくしい。

もう一種類はポークチャップ。骨付きの豚肉をコンガリ焼いた、これもツヤツ、脂のテリがうつくしくダイナミックな厚みが食欲さそう仕上がり。サイドはクレソンとローストオニオンだけというシンプルなモノ。

マッシュポテトを追加でとります。
ポッテリとしたマッシュポテトの真ん中に、皮ごとローストしたガーリック。
ちょっと指ですくいとり舐めてみたら、なんとなめらか。
バターの風味とニンニクの香りがじゃがいものピュレをゴチソウにする。
塊り肉を自らカット。取り分ける。
牛肉はスパッと切れる。一方豚には脂まじりの肉がナイフにからみつき、何度か前後させて切り分けお皿に移す。
赤身の肉の断面ロゼ色…、色鮮やかで口にふくむとエキゾチックな香りとひんやりとした肉の食感、旨みが広がる。噛むとザクッと軽く歯切れて肉汁滲む。噛んでくうちに軽い酸味がおいかけてきて、それがユックリ、ケイジャン風の辛さにそっと置き換わる。ずっと噛んでいたくなる。

一方豚肉はネットリ舌にからみつく。シットリとした肉はなめらか。そこに脂がくちゃっとからむ。脂は甘くて、とろけて消える。マッシュポテトも一緒に口でとろけていって、そこでワイン。口の脂が旨みに変わる。
おいしい肉は人の気持ちをシアワセにする。今年も一年、いろんなことがあったけれどもこうして肉を食べている。いろんな苦労が報われて、まもなくやってくる来年もいい年になる…、って気持ちの準備が明るく出来る。

甘いものでシアワセな夜のしめくくり。魅惑的なメニューの中から、これも食べたい、あれも食べたい。全部ズラリと並べて食べたいところ、一生懸命たのしく悩み選んだ3種。
アイスクリームの盛り合わせ。バニラにチョコ、ラズベリー。バニラビーンズの香りがおいしいアイスクリーム、チョコはビターでベリーの酸味を引き立てる。それぞれおいしく、けれど一緒食べると互いがおいしくなり合うところがオモシロイ。
パイをひとつ。サクサク崩れるパイ生地の中にポッテリなめらかなカスタード。バナナとホイップクリームあわせてローストココナツをあしらったモノ。この組み合わせがおいしくないはずがない。チョコレートアイスクリームと一緒に食べるとほぼパーフェクト。ピスタチオのアイスクリームにネットリとろけるチョコレートケーキもまた絶品。お腹においしい蓋をする。

 

関連ランキング:ダイニングバー | 渋谷駅表参道駅明治神宮前駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。