Café Troisgros

昼、フランス料理的なるものを食べたくて、カフェ・トロワグロにやってくる。
大きな窓の向こう側には西新宿の超高層ビル群。
空が広く感じられる見事な景色を背景に、テーブルが几帳面に並べられ端正なムードのホール。
カジュアルなしつらえだけど、上等なナイフ・フォークがキレイに並ぶテーブルはモダンで清潔な感じが漂う。
お店の空気に気持ちがなじむと、ココが小田急百貨店の中だということを忘れてしまえるよき空間。

最先端のフランス料理を、気軽なムードで味わえるとてもよいレストランなのだけれど、百貨店の中。

しかも食堂街ではなく普通の売り場の一角にあるという、ただその一点であまり評価をされていないのが勿体無いような、よきレストラン。季節ごとに変わる料理をプリフィックススタイルで味わえて、お腹の具合。懐具合でいろんな使い勝手に対応できるところもアリガタイ。

今日は4皿ランチを試す。前菜2つにメインが1つ。食後のデザートがついて4皿という構成。まずは冷たいポタージュがやってくる。
コーンポタージュを冷たくしたモノ。お皿も冷たく、触るとひんやり。良き先味に背筋が伸びます。
しかも趣向を凝らした料理で、ポッテリとしたスープの上にポップコーンがのっかっている。同じ原料の状態違いを一緒に味わうというのがたのしい。スープと一緒に口に含むとポップコーンの乾いた食感、焦げたとうもろこしの香りが口から鼻に広がる。その食感がスープのポッテリ、クリーミーな喉越し際立てとてもたのしい。
コーンポタージュという誰もが知っていて完成されたように感じる料理にこういう工夫をするのが心憎いとこ。

しかもスープの真ん中に飴が浮いてる。
砂糖を溶かして薄いガラス状の飴にしたてたモノをプカリと…。
それを砕いてスープを一緒に召し上がれという趣向で、試すとこれがオモシロイ。

まず飴のカチンと固い食感が、スープの冷たさを際立てる。
スープ自体は甘み控えめ、塩の風味が前面にでた味わいで、そこに飴の甘みがくわわり、ジンワリ後から甘くなる。
とうもろこしの自然な甘みと飴の甘みで、甘みに幅と奥行きができる。
その甘さのお陰でいつも食べてるコーンポタージュみたいな味になるのだけれど、どこかやっぱりフランス料理のようにも感じるオモシロサ。
こういう味の設計図をかける人がいるんだなぁ…、って、遊び心も抜群で、こういう料理を子どもたちに食べてもらいたいって思ったりする。

プリフィックスにはバゲットがつく。バターやオリーブオイルをたのむと200円が追加になっちゃう。けれどバターはオーガニックの無塩バター。オリーブオイルは緑鮮やかでとろみを帯びた上等なモノ。
中途半端なものをサービスするぐらいなら、その分、売価を抑えて追加でいいモノたのんで貰おうという、こういう姿勢もボクは好き。

そして前菜の二皿目。アンディーブと焼いた茄子。同じく焼いて焦がしたネギに生ハム、揚げた千切りの玉ねぎというサラダ仕立てのようにも見える熱い一品。ちなみに灰色がかったソースは焼いた稚鮎をピュレにしたモノ。茄子の香りとろける食感。キュッキュと奥歯をくすぐるようなネギの食感。苦味がおいしいアンディーブとそれらが鮎の風味でひとつにまとまっていく。
お皿に残ったピュレと玉ねぎスライスを和えて食べると、口いっぱいに広がる稚鮎の香りと旨み。ネギの辛味が鮎の苦味を甘く仕立てる味わい深さ。この料理を分類するなら野菜料理に違いなく、けれど味は魚の料理というのがオモシロく、お腹と頭が本格的に動き出す。

メインディッシュはスズキのグリルを選びます。
皮目をパリッと焼いたスズキを蒸して仕上げる…、かつてならば手間のかかる調理法も今や、コンベクションオーブンが得意とする調理方法になっちゃった。せっかくパリッとした皮がしんなりしちゃうのがもったいなくて、けれど魚の肉そのものはふっくら仕上がる。

そのふっくらを際だたせるように、茹でたグリーンピースと魚風味のスープがたっぷり。軽い酸味をもったソースをまとわせ食べると、グリーンピースの甘み引き立ち、焦げた魚の皮で後味キリッと引きしまる。
何よりお皿の中のすべての素材の旨み、風味を一手に引き受けたスープがおいしく、お腹も満ちる。不思議なモノでこういうみずみずしい料理を食べるとホっとするのが日本人…、って思ったりした。

最後にデザート。イチジクのコンポートとヨーグルトアイスクリーム、アイスクリームの上にはバラの香りの飴細工と、目にも鮮やか。この食後のたのしみこそがフランス料理を味わう醍醐味…、ってウットリします。
ちなみにイチジクはフルーツの中で好きなモノの三本の指に入る好物。プチプチ、花になりきらず実の中に閉じ込められた蕾が爆ぜるあの食感に、それに反してなめらかでネットリとしたガクの部分のコントラストを今日も思う存分堪能します。
ドライベリーをシロップで戻した冷たく甘いスープもキレイに味わって、アイスティーにてお腹に蓋する。気持ちが明るくなりました。

 

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