29213日目の夜

徳島で仕事を終えてそのまま高松。
母と一緒に夕食をとる。
あと一週間ほどで誕生日という母と一緒に中国料理。
定宿にしているホテルの中国料理のレストランにて、ちょっと贅沢いたしませんか…、と。

テーブルについて乾杯用のワインをもらう。
もう80回目の誕生日になるのって独り言みたいにいったらお店の人が、お若く見えるからお年を聞いてビックリしましたって。
その一言に「待ったました」とばかりに喜び、ペロリと舌をだして笑った。
いくつになっても少女な母でございます。

誕生日をキレイに迎えたいからと今日は髪の毛を美容室で染めてもらった。パーマもかけようと思ったんだけど、染めてすぐだと髪が痛むからとひっつめ髪のままでごめんなさいね…、とその髪形が少女な感じに拍車がかかる。
魅力的なコースもありはしたのだけれど、好きなものを好きなだけとアラカルトから選んでたのむ。

ワインのお供にまずクラゲ。太さと長さの揃ったクラゲで、パリパリポリポリ、歯ごたえが良い。ふかふかしたクラゲも旨いがワインのお供。しかも冷たい飲み物がうれしい今日のような夜にはコリコリクラゲの方がおいしい。練った芥子をたっぷりのっけてツーンっと鼻を抜ける香りにニッコリします。

早速、今日のメインの料理。
フカヒレがくる。
「私、今日はスープの気分じゃないの。だってワインをたのしむときにスープが邪魔になっちゃうから…」。でもフカヒレは食べたいの…、ってコトで姿煮。

ほどほどのサイズではある。
けれど分厚く、形もキレイなフカのヒレ。
醤油とオイスターソースの風味に煮込まれた上海風の仕上がりで、ツヤツヤしていて香りも美味しい。
サイドに色鮮やかに油通しされた青梗菜が飾られていて、まずその青梗菜だけパクパク食べて、それからやおらフカヒレに箸を伸ばしてたのしむ母。だって、フカヒレをたべはじめたら、ずっとフカヒレの味で口を満たし続けたいんだもんと、まるで子供な感じがステキ。
箸でつつくとフルリとふるえる。エイヤと箸をフカヒレにさし、割るとネットリ箸先にまとわりついてきながら避ける。キラキラとした繊維がホロリとあらわになって、思わずツバをゴクリと飲んだ。

食べるとネットリ。ゼラチン質が歯茎や舌を撫で回し、ユックリとろける。とろけながらスベスベとしたハリあるヒレの繊維と食感いれかわり、噛むとザクッと歯切れるたのしさ。あぁ、ゴチソウです。
フカヒレの食感もさるとこながら、それを煮込んだソースのどっしりおいしいコト。醤油の風味とスープベースのコクと旨み。ほんのちょっとだけれんげですくって舌の上に置くと舌の中からふかひれスープが湧き出して、舌に戻っていくようなあふれるおいしさを実感できる。エビの天ぷらがやってきて、贅沢なコトにそのふわふわの衣をつかってソースをぬぐう。フリッタ状の衣にソースが染み込んで、なんとおいしい。ウットリします。

香川県は讃岐牛をブランド牛として売り出そうと一生懸命。ココの店でも讃岐牛を使った料理がちらりほらりと。
ほどよき厚さに削ぎ切った讃岐牛を野菜と一緒に胡椒の風味で炒めた料理。
やわらか。熱の入り具合も絶妙で、オイスターソースの味に肉の香りが混じって味わい上等。
ざっくり歯切れる肉の食感もなかなかによく、肉を食べてるって実感が湧く。フレンチフライも一緒に炒められているところがおもしろく、しかもソースや肉の脂をまとった揚げたじゃがいものおいしいコト。
讃岐牛のひき肉を使って作った麻婆豆腐。山椒たっぷり、痺れ強烈でグツグツ油が沸騰しているソースも一緒に御飯の上にのっけての〆。ハフハフ、お腹を温めて、杏仁豆腐やマンゴープリンでお腹を冷やして蓋をする。
ユックリ食べて、たのしく飲んで、沢山しゃべってあっという間の三時間。29213日目の夜のコト。

 

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コメント

  1. ボルテイモアのおかず

    え、お母様来週80歳?う、そーー!!!(と思わず声が)
    本当にお若いので信じられないですね。前にサカキさんが、ご両親は大学時代に出会われたと書いてらしたので、サカキさんはお母様の若い時のお子さんなのかな、と思ってました。
    御誕生日おめでとうございます!!! いつまでもお若く、ファッションアドヴァイザーを宜しくお願いします(と私が勝手に—)。今日は真珠のネックレスをプリントのお洋服と合わせてらして、リラックスドレッシーみたいな感じもお洒落だわあ。(高級なフカヒレ以上にイイお味出してる—失礼(^_^)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      昔からおしゃれが大好きな母。この歳になってはじめて、自分らしい装いをするたのしさがわかったような気がするの…、ってますますおしゃれに拍車がかかっているように思います。
      80歳って改めて言われるまで、母がそんな歳だってまるで意識をしないでいました。

  2. mohamora

    サカキ様
    実は、サカキさんのお父様が亡くなれた一か月後に私の父も亡くなり、やはり今年八十になる私の母とサカキさんの御母堂と重ねて拝見させて頂いて居りました。
    サカキさんのお母様がだんだん元気になるご様子を、励みとなるように母に報告したり、私自身の支えにしたり。
    ここのところ、私の母もまたおしゃれに関心が向いてきたようで、一安心していたところで、サカキさんのこのアップ・・・思わず書かせていただきました。
    いつまでも好きなことにワクワクして、素敵な時間を過ごしてほしいですよね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      mohamoraさん
      それは大変でした。母は気丈にふるまっていましたが、やはりかなり寂しかったようで一年ほどたって、はじめて「やっとあの人がいなくなったということを受け入れることができたのよ」と言っていました。
      なくしてしまったけれど、完全になくなってしまったものではない。だから思い出話をできるだけたのしくすること…、それが死んだ人への供養であり、残された人への勇気づけなんだなぁと最近しみじみ思います。
      おしゃれはたのしく生きるためのスパイス。おしゃれしようという気持ちが人を若々しくするんだと母に教わるような気持ちです。
      おかぁさまもいつまでもお元気で。たのしい毎日をすごしていただきたいと存じます。

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