24時間戦う街の、お通の雑炊

夜、野暮用あって歌舞伎町。夕食に雑炊食べる。
「お通」という24時間営業の雑炊専門の店がある。場所は歌舞伎町のど真ん中。コマ劇場の跡地、超高層ビルの裏側で、すぐそばに新宿24時間シリーズでおなじみの歌舞伎町交番があるというディープなエリアのビル2階。
入り口で必ず「女の子はおきまりですか?」とキャバクラのおにぃさんに聞かれるから、「お通さんに決めています」と言って二階に上がる。
時間によってはキャバ嬢やホストくんたちのたまりとなす濃厚空間で、さすが日曜の早めの時間は素人っぽい空気感でホッとする。厨房前のブース席に座らせてもらったんだけど、ガラス張りの厨房に表のネオンがうつっているのが未来的(笑)。

雑炊の店とはいえ飲むこともできる店。飲めもして食事もできて、しかも飲んだ後の〆にも使えるというまさに24時間眠らぬ歌舞伎町のためにあるようなお店であります。しかも料理がおいしく気が利いている。
例えば味噌きゅうりという開店当初からの人気の料理。雑炊用の出汁をとったあとの昆布の上に味噌を乗せ、オーブンで焼いて焦がしたものを添える。もともと旨味の強いもろみ味噌に昆布の旨味が混じるおいしさ。みずみずしく香り爽やかなきゅうりの状態もよく、口が潤うおいしいゴチソウ。
細かく刻んだ厚切りハムがゴロゴロ入ったマカロニサラダもこれでもかって胡椒がたっぷり。お酒が進む。

ちなみにこの店。
本店は宮崎の飲み屋街のど真ん中にある。
だからこういう歓楽街での商売が得意だったに違いなく、メニューの中にも宮崎流が見え隠れ。
例えばチキン南蛮はおそらく東京でも五本の指にはいる一品。タルタルソースをお土産にしたいくらいの名品。
今日たのんだ地鶏のもも焼きもすばらしい。
分厚い鶏のモモ肉に塩をほどこし鶏の脂を注ぎながらこんがりと焼く。身はふっくらと盛り上がるように焼き上がり、皮がペロンとめくれて仕上がる。その皮もパリパリバリッと香ばしく、滋養に満ちた旨味ジュースが口を満たして潤う感じ。たっぷり添えられた柚子胡椒の風味もゴチソウ。感心します。

そしてメインの雑炊2種類。ここはご飯の料量やスープの種類、トッピングが自由に選べて自分好みの仕上げにできる。
例えばトマトスープやカレー、あるいはホワイトソースを選ぶとリゾットみたいな感じにもなり、具材も優に20種類を超えて用意されてる。
そんな中からひとつは鯖をメインにニラと青海苔。もう一種類は明太子に梅にわさびに餅一個。白米を雑穀米に変えてもらった。盛りだくさん。いろんな具材をランダムに混ぜてもすべて味が整うところがすばらしい。
ホツホツした雑穀米がとろけた餅にからんで口にやってくるのがおいしくて、あっという間に器は空っぽ。満たされました、オキニイリ。

 

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