鼻紋のヴィモン

vimon東京駅のキッチンストリート。

個性的な飲食店がズラリと並ぶ施設の一番端っこ。
この施設ができたときからもう10年くらいはたつのかなぁ…、フカヒレの専門店とか焼きそばだけを扱う中国料理のお店だったり、「この一品」に命をかけた専門店が集まるテナント構成が話題になった。
ただ「超専門店」っていう存在は、当たると大きく、外すと致命的になる。
だから中には撤退しちゃったお店もいくつか。
特に、スターシェフというブランドだけに頼ったお店は敢え無く退場の憂き目にあった。
まぁ、しょうがない。

東京駅というと一見客を大量に集めることができる場所…、って思いがちだけどこの界隈はメイン動線から外れた場所で、だから近隣のおなじみさんを確保しないと無理だもの。

で今日のココ。
オープンしたのは2年前ほどだったでしょうか。熟成肉のブームにのって、ステーキとハンバーグの専門店としてやってきた。
ただ場所の分かりにくさとお店の入りにくさが抜群で、どうなんだろう…、って思って傍観していたけれど案外しぶとく長続き。しかも流行っているようでやってきました。お勉強。
ちなみに、「ヴィモン」というお店の名前。ロゴには大きく牛のモチーフ。この名前。牛の「鼻紋」からとったというのね。オモシロイ。
カウンターにテーブル席という構成で、カウンター席の椅子がなかなか座り心地が良いのがうれしい。

vimon steakしかも目の前に大きな鉄板。肉を焼いてるところが見える。
鉄板の上には鋳物の鉄板が山積みされてる。熱伝導のいい素材です。だから下から鉄板の熱が伝わり、上から下まで程よい温度になってるのでしょう。
ハンバーグをたのむと鉄板で表面を焼く。
それをオーブンに入れ、じっくり時間をかけて芯まで熱を通していくスタイルで、提供時間15分ほどだったでしょうか。

おすすめの焼き加減はミディアムレアでございます…、と言われてそうする。
肉の種類が脂ののったところと、赤みのおいしい歯ごたえ頑丈なところの2種類。後者を選んで500gを奢ってたのむ。
お待たせしましたとトレーの上にギッシリお皿。500gのハンバーグ。コンソメスープに野菜サラダに大根おろし。ご飯かガーリックトーストを選べるというので、ガーリックトーストを選んでそれでひと揃え。
肉のサイドにガルニがない。ただ肉の塊がのっかっているという様が、荒々しくていいかもしれない。食欲が湧く。

vimon niku

ハンバーグはみずみずしいとは言えぬ風貌。乾いた感じの仕上がりで、それと言うのも肉の旨みがしっかり肉に閉じ込められてるからなのでしょう。
ナイフを当てるとホロリと崩れる。
芯の部分はまだロゼ色です。
おいしい肉の香りがフワリとやってきて、口に含むと甘い匂いが口のすみずみ満たしてく。
噛むとガツンと歯ごたえがいい。
赤みの肉のゴツゴツとした感じがあって、それに続いてクチャっと脂が潰れる食感。一瞬脂で口がヒヤッとするものの、肉の旨みで舌の温度が再びあがる。
なかなか上等。
ただ、ステーキでもなくハンバーグでもない。頭の中に置き所がない不思議な味わいに軽くビックリしながらパクパク。

さすがに舌が疲れてきます。脂が徐々に重たくなってきて、それで大根おろしを食べる。

vimon sidevimon beef驚くほどに大根おろしが甘く感じて、醤油をたらり。肉にたっぷり乗っけて食べると、感じることがなかった肉のみずみずしさを感じてウットリ。
ならばと、ガーリックトーストの上にのっけて一緒に食べると、これがおいしい。
トーストに塗ったバターが赤みの肉に欠けた油分を補って、焦げたニンニクの香りも肉の風味を引き立ておいしくさせる。
とろけたパンがガサゴソとした赤みの肉の粗野な食感洗練させて、なるほどこれはハンバーグじゃなく、ハンバーガーのパテだったんだ。ハンバーガーのパテをおいしく食べるため、日本の人はパン粉をつなぎに牛ひき肉を再構築した。それが日本のハンバーグ…、って合点しました。オモシロイ。

ちなみに全てに甘いです。
コンソメスープも甘いしハンバーグも甘い。脂の甘さかといえばおそらく砂糖のようなモノを加えて、甘みを旨みに変える努力をしたのでしょう。そこが少々、勿体無くて、それでもコレはこれでたのしい料理だなぁ…、と思いはしました。そんな店。

 

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