麻婆豆腐のホットでホットをたのしむ

銀座で早めの夕食にする。
銀座ファイブっていう高速道路の高架下にある施設の地下。丸ノ内線の改札口に直結していて、だからボクには便利なロケーション。あぁ、ここはかつて川が流れていたんだなぁ…、って直感させるゆるかに円弧を描いて続く通路の両側に飲食店がズラリとならぶ食堂街。とんかつあり、セルフのうどんあり、タイ料理やスパゲティーと気軽なご馳走が揃ってて、金鱗のオフィスの人たちが終日やってきてにぎわっている。
テナントが定期的に入れ替わって、一番最近出店した店。「香家」にきてみる。
坦々麺の専門店。点心類と中国茶の種類が豊富で女性狙いのコンセプト。お店で働いている人たちもみんな女性という徹底ぶりで女性が一人できて安心できるお店でもある。だからかメニューに「メンズセット」っというのがある。レディースメニューのある店は多いけど、メンズセットいうのは独特。それ以外はみんなレディース商品だということなんでしょう。オモシロイ。

「麻婆豆腐麺をはじめました」って告知がある。
昨年あたりから流行りはじめた時代の料理。行列を作る専門店もあるくらいだから、食べたい人はたくさんいるに違いなくボクもちょっと気持ちが動く。でもやっぱりここに来たら坦々麺も食べたいよなぁ…、と思いながらメニューをみる。
そしたら「土鍋麻婆豆腐定食」っていうのがあった。麻婆豆腐を土鍋に入れてグツグツさせて「熱いホット」と「辛いホット」を一度にたのしむことができるというのが謳い文句で、ご飯とスープがついてくる。それに300円で担々麺をつけられるというのがなんとも魅力的。ここの担々麺は辛さの具合と濃厚加減の組み合わせで4種類用意されていて、好きなものを選べるというのもうれしく、それにした。

まず土鍋麻婆豆腐定食がやってくる。
想像以上にグツグツで、しかも全体的にぽってりとした仕上がり。
だからブクンブクンと大小さまざまな泡が底から湧き上がり、パチンと爆ぜる。
大分の温泉地獄の中に坊主地獄っていうのがある。
泥色のあぶくがずっと湧いては弾き続けるおどろおどろしい温泉なのだけど、その真っ赤なバージョン。
辛い香りに混じって山椒独特のドスンと力強い香りもしてくる。かなり強烈。
味噌そのものは若干あまめで旨味も強い。つまりおいしく豆腐は大きな塊だから芯の部分は豆腐のやさしい味が残ってくれている。ただ食べ続けるとどんどん汗が噴き出して短距離走を終えた直後のようにカッカと体が燃える。サイドに添えられている鶏ガラスープがやさしい味わい。それで舌を洗いながらご飯と一緒に食べていく。

担々麺はうまくて濃厚、しかも辛いのを選んでたのむ。麺は極細。ザクザク歯切れる感じがたのしい。しかもスープをたっぷりたぐりよせて口を潤す麺。麻婆豆腐に疲れた舌にはそれでも旨味がありがたく、なによりぽってりとした胡麻やナッツの風味を甘く感じる不思議。
そうだ、麻婆豆腐麺を食べようか…、って悩んだんだったと麺を軽くひとつまみ。麻婆豆腐の中に放り込みズルンとたぐる。
空気と一緒に勢いよく口の中にやってきてしまったからでしょう…、大きく咳き込み鼻まで辛くなっちゃった。二口目はゆっくりと、れんげにのせてスープと一緒に味わうと麺そのものが麻婆豆腐になってしまったような不思議な味わいで、汗が一層噴き出した。

 

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コメント

  1. 匿名

    銀座ナイン→銀座ファイブ?

    • サカキシンイチロウ

      匿名さん
      ご指摘ありがとうございます。修正しておきますネ。

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