鮨いしかわにて春堪能!

昼、新宿駅の西口ビルの地下の寿司屋にやってくる。
先週中盤からしばらくずっと東京離れて西日本をうろうろしてた。ずっと食べたく悶々してたのが蕎麦と寿司。蕎麦は昨日の夜中に、上等な乾麺を茹でてお夜食にして食べた。
寿司は自分で作れぬもので、それで「いしかわ」。
好きな店。
L字型のカウンター。ほぼ正方形の2辺という寿司屋としては珍しいカウンターで中に独立した厨房が収まっている。しかも壁を隔てた奥にメイン厨房があり、それぞれの場所で職人さんが手を動かしている。カウンターのどこに座っても職人さんの仕事を間近に感じられる。しかも磨き上げられた白木がすがすがしくて、手にもなめらか。寿司をのせる器も木の板、冷たいお茶をもらうとコースターも白木の板とうつくしい。

貝を一通りとお願いします。
たちの寿司屋のカウンターで、お好みで寿司を食べるときにはまずその注文。
季節、あるいはその日の仕入れで5種類から8種類ほど大抵揃う。
それを基本に、お腹が満ちるまで追加していけば満腹と同時に満足が手に入る。

まずは青柳。舌の下に紐をしのばせ小さなシャリとあわせて握る。クニュクニュとキュッキュが同時に口の中で戦う感じ。
おいしい戦い…、オモシロイ。
平貝に細かく包丁を入れて握った寿司は貝がはらりと崩れつつ、けれど繊維は頑丈なまま。
分厚い赤貝は昆布を舐めてるみたいな強い旨みとネットリとした粘りがおいしい。

クニュクニュとした生のトリ貝、殻から外したばかりのホタテはサクッと歯切れてシャリと一緒にサラッと消える。小柱を軍艦にした海苔がとろけて海の風味が口に広がる。赤貝の紐を三本クルンとまるめて握った寿司のシャキッと歯切れてとろける感じにまたウットリ。やわらかに煮たアワビを薄切り。細かく包丁をいれて握ると前歯いらずのやわらかさ。焦げた香りがこうばしいツメもおいしい。オゴチソウ。

そして続いて光り物。〆た鯖にこはだをもらう。
ココのシャリは酸味がキリッとした味わいで、そこに〆た魚の酸味と旨みが混じってく。あぁ、おいしい。特にコハダのもわっとむせるような香りに、寿司を食べてる…、って実感がわく。煮上がったばかりのタコは甘くて、噛めば噛むほど味がでてくる。
コロンと太ったしゃこは玉子をタップリ抱いてて、ホロホロポロポロ、口の中にちらかる魚卵で口が乾いていく感じがしてくる。
マグロの赤身と中トロもらう。赤身はザックリ、ひんやりとして旨みが強い。血の香りとか水っぽさとかをまるで感じぬおいしさにちょっとビックリ。ネットリとした中トロの脂の旨みもまたうまし。

どれもおいしく、ただ中でもひときわおいしかったのがエビと穴子。
串をさし茹でたばかりの頭つきのエビ。
すくっと伸びたエビを開いてしばらくやすます。
寿司にしてもまだ湯気をだし、みずみずしくてツヤツヤしてる。大きく見えても口の中にストンと収まるほどよいサイズ。
甘い。エビの香りがただよいむっちりとした車海老らしい歯ごたえにウットリします。
穴子も焼いたばかりで握る前までフツフツ脂が沸騰してた。ひとつは塩、ひとつはツメでにぎってもらう。塩の仕立てはサクサク、揚がったような歯ざわり。ツメの仕立てはネットリとろける。
〆のカッパはきゅうりを細く千切りにして巻いたもの。この巻き加減が見事なもので、噛んだ途端にぱらりとすべてが散らかっていく。しかも海苔がたちまちとろけて風味もととのう。焼いた玉子でお腹に蓋する。満足す。

 

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