高知の鰻、羽田の茶渋

una2una1旅のはじまりは四国の高知。
高知に行ったら、ここにいったくるといいよ…、と友人に薦められた店で昼をとる。
はりまや橋の交差点から、ちょっと歩いたところにあった。
古い店。
小さく、けれどやる気がムンムン伝わってきて、若くて暑苦しい店だったらどうしようってちょっと思った。
熱い店は好き。あったかい店はもっと好きだけど、暑苦しい店はいささか苦手で最近、モティベーションの高い若い子がやってる店にその暑苦しいのが多いのですネ。
おいしそうな匂いが表にやってきて、えいや…、と中に入ってみたら、これがほどよき古ぼけ具合。
サービスをしてるおばさんも、厨房の中のおじちゃんたちもみんな見事に古ぼけていて、ほどよく元気でホッとした。

una kurosio「うな泰」という店。名前の通り鰻の店で、昼から地元のおじちゃんたちが鰻もとめてやってきている。テーブル席はみんな埋まって、カウンターを一席もらって落ち着いた。
ボクの後ろのおじちゃん一組。熱燗ネ…、って日本酒を飲む。高知は西日本にして珍しい日本酒文化のある土地柄で、夜のお付き合いも大抵日本酒になったりするのがうれしいような、辛いようなな場所であります。ボクはお茶をお供に定食。

「黒潮定食」っていう、鰻の蒲焼きにかつおのたたきがついた定食を選んで注文。
しばらく待って、やってきた大きなお膳。カウンターの奥行き一杯の四角いお膳に料理がギッシリ。手前に肝吸い。白ご飯。ご飯はかなりのボリュームでした。
奥の右手に蒲焼きがあり、左にたたき。その真ん中に煮物の小鉢という構成。盛りだくさんで気持ちがあがる。昼から宴会のおじちゃんたちに、どっさり肝焼きが運ばれてるのが羨ましくて、たのみゃよかったって小さな後悔(笑)。

タレがご飯に染み込みおいしくなっていくのがウレシイのです。しかもココの鰻のタレ。昔、両親がやってた鰻のお店のタレによく似てる。
コッテリしていて、甘くてしかもテリがある。鰻の脂と一緒になってテカテカひかって、噛むとヌッチャリ粘ってく。
鰻の蒲焼きをご飯の上のっけて食べる。この甘さ。焦げた香りにあと引くうまさ。あぁ、なつかしい…、ってうっとりしながらパクリと一口。

una donuna okazu深蒸をせず、だからどっしり噛みごたえがある。
噛むとジュワリと口に広がる脂の旨み。ひんやり唇に脂がからみ、ご飯をおいしくしてくれる。
ひと噛みごとに元気が体にみなぎるような滋養に満ちたオゴチソウ。

かつおのたたきも当然おいしい。
ポン酢なんて使わずそのまま、塩とかつおの脂の旨みで味わう趣向。生のスライスにんにくや玉ねぎお供にカプリと食べて、熱々ご飯をハフハフかきこみ幸せになる。
けれどなによりウレシイのが、煮物のしっかりおいしいところ。
出汁をしゅませて煮た大根に、甘辛生姜味噌をタップリ。里芋、たけのこ、隠し包丁がしっかり入ったこんにゃくに影に甘い厚焼き玉子。お腹いっぱいになって帰ってってサービス精神感じる一品。味わいました、さぁ、仕事。

 

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ところで、羽田から飛行機に乗る前の半ば儀式化してしまっている「ISETANのカフェ」でぼんやりするコト。今日もしっかりいたします。

ise cafe四国に向かう飛行機のほぼほとんどが南ウィングの端っこにある搭乗ゲートからの出発。けれどあらあら、不思議なコトに今日のフライトはターミナルビルのど真ん中。ちょっと北よりにあるゲートを使う。
しかも朝の食事をした店。HITOSHINAYA。
北ウィング側にある店で、その真正面のゲートをくぐると、すぐこのお店。
ここでゆっくり過ごしなさい…、って神様からの粋なはからい、プレゼントと思ってそれで紅茶を飲んだ。

最近紅茶がなぜだかおいしいお年ごろ(笑)。
サイフォンだてで一杯一杯作ってくれるコーヒーに力を入れている店で、それに比べて紅茶はなんとティーバッグ。そっけないほど合理的にて、なのに不思議と損した気持ちにならないところがオモシロイ。時間がたっても味や風味がそれほど変わらぬところが、ぼんやりするのにピッタリなのかもしれません。

iseteaise bagそれにしても申し訳ないほどに静かなお店。
羽田の中にあって、比較的大きなスペース。しかも使い勝手のいいカフェスタイルのお店でありつつ、いつも数組。
今朝なんてボクだけでした。

ISETANのメンズ商品ばかりを扱う売り場の一部…、という場所。なのにカフェというわかりにくさが人を寄せ付けぬ結界みたいなやっく目を果たしているのでしょうか。
高くないのに。
まずくないのに。
電源だって借りられるのに。
飲食店ってオモシロイなぁ…、ってしみじみ思う。
ちなみにティーバッグをカップから出し退避させるための四角いお皿。渋ジミがついておりました。洗浄機では洗えぬ染みで、お店の人はおしゃべりしたりミーティングしたりするのにおそらく忙しく、手を動かしお皿を洗う時間がないのかもしれません。勿体無いなといろいろ思う。朝のコト。

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