食工房眞でかつ煮を食べる、原宿の昼

sinsin counter午後から渋谷で打ち合わせ。
新宿三丁目から副都心線で移動の途中、明治神宮前駅で途中下車してランチとします。
原宿の、かつて裏腹と呼ばれていた小さな路地に面したお店。
ビルの2階で、外階段をタンタン上がるとカウンターの中ににこやかな女性スタッフが2人待ってる。
「食工房眞」という定食の店。

おかぁさんと呼ぶには若々しくて作る料理も、親子丼とかかつ丼だとか。鶏の唐揚げがおいしかったりするのも、ボクの母じゃなく「育ち盛りの坊やのママ」って感じがする店。
かつて原宿に仕事場があった頃にはよく通ってた。ちょっとご無沙汰。ひさしぶり。それでもボクの顔をみつけて「おひさしぶりです、まだ暑いわね」って気軽に声をかけてくれるのがありがたく、座った席から見えるキッチンのピカピカキレイなことにウットリ。すのこを敷いた床なんて素足であるけるほどにキレイで、相変わらず…、ってニッコリします。

sin zensin okazuカウンターに扇子が置かれて自由に使える。
汗をかいたからバタバタ扇いでいたら「今日は空気が重いものね。雨になりたくてしょうがないんでしょうね」と言って空調のファンを強めてくれるやさしさ。
あぁ、ありがたし…、と、しみじみ思う。

定食をたのむと小鉢と漬物がつく。どちらも手作り。今日の漬物は蕪の浅漬。カリカリしていて、けれどヌルっと粘りがあるのが蕪独特で、歯茎をキュッキュとくすぐる感じも心地よい。
小鉢は切り干し大根で、かなり濃い味。ビールのつまみか、あるいはこれでご飯を一膳、いけてしまいそうなオゴチソウ。

小鉢料理がたくさん揃う。
中から2つ。
しらすおろしと小松菜のおひたし選んで注文します。
キュッキュと歯ざわり軽快で、軽い渋みを吐き出す小松菜。
大根おろしはビリリと辛くてお腹の中が燃えるよう。夏の疲れがとれるうえ、食欲キリリと湧いてくるのがアリガタイ。
厨房の中で料理ができる。ひとつひとつ丁寧に、プロの手際というよりもママのやさしい心配りを感じてお腹がグーッとなる。
ご飯と味噌汁が作られて、それと同時にメインができる。ボクの前がちょっとづつ賑やかになり、おいしい景色が完成するのが目のオゴチソウ。

sin katuniメインはカツ煮にしてもらう。
とんかつを玉子でとじた、つまりかつ丼の上具をご飯と別森にした料理…、のようではあるけど、まるで別物。
かつ丼の上具はトロリと半熟で、玉子をあまりかき混ぜないで煮固めたもの。
一方、これは玉子がコシをなくすまでよく混ぜ閉じてて、だからふっくら。まるでスフレのような仕上がり。
出汁をタップリ吸い込んで、どこを食べても熱が入ってふわりとろけるボク好み。

分厚く、しかも揚げたてで細かなパン粉がサクサクとしたロースカツ。それをもったいなくも出汁に浸して玉子でとじる。考えてみれば贅沢です。
誰がこんなコトを考えたんだろう…、ってカツ煮やかつ丼を食べるたびに不思議に思う。
だからといって揚げたて感が台無しになっているかというと、サクサク感の名残が残って前歯がたのしい。
出汁がおいしくパン粉に染み込み、とんかつという洋食を和食にさせる。ソースを使わず食べられる分、もしかしたらとんかつの素直な味わいをとんかつよりもたのしめるかも…、って思ったりする。オモシロイ。

sin gohansin katusin siru

ちなみにご飯は半分で…、とお願いしました。あら、お医者様に叱られました…、って聞かれて、ハハハと笑ってすます(笑)。
ご飯の上には海苔がタップリ。煮かつをのせて食べると海苔の香りが一層和食に感じさせ、味わいやさしく感じるステキ。もともとお米屋さんからスタートした店。だからご飯がおいしくて、それを半分だけでガマンできる自分を大人と思う(笑)。
わかめと豆腐の味噌汁も出汁の旨みがしっかりしてて、あぁ、おいしい…、ってしみじみ思う。今度来たら唐揚げだなぁ…、って思ってお店を後にした。

 

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