顔の見えるドトール、顔の見えない蕎麦いまゐ

四谷三丁目の交差点角にあたらしいそば屋が出来た。
「蕎麦いまゐ」という店で、間口広くて大きな白いのれんに筆文字的な黒い店名。なかなかに格調高い外観。
入り口入って右手に厨房。セルフの店で商品受け渡し用のカウンターの反対側肉は立ち食い用のカウンター。奥へ奥へと店は広くて、テーブル席がずらりと並ぶ。40席ほどがゆったりと配置されていて、内装もしっかりとした落ち着いたもの。
かなりお金のある会社の仕業に違いないと調べてみたら、なんと日本レストランシステムの新業態。新横浜を降り出しに南青山、そして四谷三丁目。
日本レストランシステムと言えばスパゲティーの五右衛門や星乃珈琲店の運営会社。ドトールコーヒーも兄弟会社という大企業です。そこがなんで今さらそば屋…、とやってきてみた。券売機で食券買ってテーブルで待つ。

たのんだのはかけそばとミニ天丼のセット。
かけそばをきつねそばにアップルグレードして生のりかき揚げをトッピング。
ボタンを何度も押さないといけないのがいささか面倒。
1000円ちょっと越えという値段でした。
お店の中はなかなかニギヤカ。
ただ若い人たちが多いかなぁ…、券売機レストランはお年寄りやさしくないから、いわゆる街場のそば屋とは違った客層。狙いなのかも知れません。
提供時間は若干かかる。揚げたての天ぷらを売り物にしているからでしょう…、すべての商品をお膳に並べて提供するというシステムだから、天ぷらの揚げ時間に引きづられ天ぷらからみの商品だけは時間がかかる。まぁ、しょうがない。

10分弱でしたか。番号をよばれて商品を取りに行く。料理の出来栄えは待っただけのことはあるなかなかなもの。
汁は若干甘めで蕎麦はなめらか。きつねもしっとり、どれもそこそこおいしくてけれどどこかで食べたことある味だなぁと考えてみる。
なるほどそうか…、セブンイレブンのチルドの蕎麦のとても上等な蕎麦って感じ。マーケティングするとこういう味になっていくんでしょう。
天ぷらはさすがに上手に揚がってて天丼のタレもスッキリしてる。生のりのかき揚げは絶品で蕎麦の汁にひたして崩すと香り、味わい、コクがおいしい。
この立派でセンスのいい店構えを胡散臭いと感じるか、安心できると思えるか。それが微妙なところかなぁ…、馴染みのそば屋を持たない人に、こういう店はいいのかも。ボクはやっぱり斜め向かいにある個性的な尾張屋が好きでござんす。そんな店。

 

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交差点を挟んだ通りの反対側にドトールがある。
食後に何かをと思ってやってくる。いつものスタッフがいつものように笑顔で一生懸命働いていて、なぜだかここがチェーン店だと思えぬほどに温かい。
そう言えば、同じ系列ながら蕎麦いまゐは厨房で働く人の目線が棚や食器で隠れて、働いている人の顔が見えない構造。
おなじみさんは「人と人」の繋がりが作り上げていくものだから、ああいう構造だとおなじみさんを作るのに難儀するに違いないよなぁ…、って思った。もったいない。アイスラテとツナチェダーチーズをたのむ。ふっかりとしたパンにツナ、トルケルチーズがさっくりはぎれて口の中でとろけるおいしさ。オキニイリ。今日ものんびりいたしましょう。

 

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