雨の日の喜多方ラーメン
お昼時のちょっと前にして、まだ寝ぼけているみたいなぼんやりとした雰囲気で、人がほとんど歩いていない。
いつもは行列ができている天ぷらのつな八に行列はなく、店の中をちょっと覗くも中もガラガラ。
ズンズン歩いてラーメンの一蘭の前にも行列がまるでなくって、それにはビックリ。
もしやインバウンドの人たちが根こそぎ東京から手を引き始めているのかしらん…、とドキドキしながら店に降りてく階段脇を見たら貼り紙。
改装のため昼から営業。
ホッとしました。隣の店の営業に迷惑かけてしまうほどに熱狂的な行列も、無いともなると寂しかったりするのが不思議。風も少々肌寒くって、早歩きにて目的地までテキパキ歩く。今日の昼。
夜は冷たい雨になった。雨脚強くて家の近所で夕食にする。
それもテキパキ。明日から出張で少々気持ちがせわしなく、喜多方ラーメンの小法師にくる。
なぜかときおり食べたくなる。
強烈な特徴があるわけじゃなく、けれど不思議と思い出す味。メニューの表紙に書かれてる「くせになる毎日食べられるラーメン」というキャッチフレーズ通りの味で、オキニイリ。
熱いラーメン、冷たいラーメン、それぞれひとつづつたのんで二人で分け合い食べる。
ここの冷やしラーメンは冷やし中華と違って、醤油味のスープの中に浸かってでてくる。このスープが冷え冷え、しかも氷が浮かんでる。
平打ちで縮れた麺が冷水でしめられることでムチムチとした歯ごたえになり、それにスープがからんで旨い。鶏ガラスープに醤油の風味、ラー油が香りをそえて飲んだときにはひんやりしていて、ところが口で温まると風味豊かなスープの味が目を覚ます。
チャーシュは別添え。
わさびと一緒にやってくる。
脂をあまり持たない部分を選りすぐって冷たいスープの中でもおいしい。
わさびをのっけて食べると甘みが引き立つおいしさ。
これでビールも旨いんだろうなぁ…、って思う。
餃子を一枚たのみます。
どこといって特徴はない。けれどこんがりよく焼けていて、生地がバリバリ歯切れる感じがなかなかに良い。餃子ってやっぱり焼き方次第で味が変わるんだなぁ…、って思ったりする。
楕円形のお皿の一部がくぼんでタレを溜められるようになっている。別に小皿もやってくるんだけど、やっぱりくぼみにタレを注いで味わいたい。ただそうなると餃子の向きがくぼみに対して逆向きでそれがちょっと勿体無い。
熱いラーメンはワンタンメン。透き通ったスープの中にひらひら浮かぶ肉ワンタン。あんより生地が主役でペロンと、スープを含んだ生地がとろけて口いっぱいを撫で回すのが気持ちいい。スープを含んでとろける叉焼と高対象なのもいい感じ。
味玉にシャリシャリ玉ねぎを追加しました。生の玉ねぎを粗みじんにして水で晒したシャリシャリ玉ねぎ。スープを含んでちょっとしんなりすると甘みが強くなり、熱が入ってもシャリシャリ食感、心地よい。スープに浮かんだ玉ねぎをれんげですくって口にふくむと、これがおいしくもうウットリ。
胡椒をたっぷりふってハフハフ、軽く汗かき、完食す。
昨今の豚骨ラーメンブームに辟易しております。スープを飲もうという気になれない。初めて博多の屋台で豚骨ラーメンを食べた時は、豚臭くなくすっきりとした味に感動しましたが、残念ながらそれ以外で食べる豚骨はあまり好みではありません。喜多方ラーメンみたいな透き通ったスープのがいいのです。最後の一滴まで飲みたくなるようなスープ。でもなかなかお目にかかれないのですよね。
食欲さん
家の近所に、店に近づくだけで鼻が曲がりそうな悪臭がするとんこつラーメンの専門店があります。なんでそんな無神経なコトができるんだろう…、と怒りさえ感じてしまう、そんなスープをゴクゴク飲めてしまう。人の味覚って不思議だなぁって思わされます。
おっしゃるようなスッキリとして体の隅々に栄養が行き渡るようなとんこつラーメン。おいしいですよね。でも見つけることがとても難しい。食べ続けることが出来るものって、本来やさしさと力強さが同居しているものだと、最近、とみに思います。
小法師ラーメンは、喜多方の「坂内食堂」
とは直接関係有りません!
坂内の名前貸しです!
喜多方在住者より。
いっちゃんさん
そうなんですね…、存じ上げませんでした。
本物の喜多方ラーメンをいつか味わいに参ります。