銀座ウエストシュークリームプロジェクト

銀座は秋晴れ、高い空。ウエストに来てお茶を飲みます。
今は「銀座ウエスト銀座本店」という名前の店だけれど、かつては「洋菓子舗ウエスト銀座本店」という名前のお店だった。
最近は、上等なサンドイッチが食べたくなると来る店…、になっているけど、そもそもはお菓子屋さん。日本全国の百貨店にあるリーフパイやクッキーを売ってるお店の総本山です。
ケーキやパイ、シュークリームが用意されててお茶の時間をたのしくさせる。
その「洋菓子舗」の魅力を思う存分、今日はたのしむ。
ゆっくり秋に向かって涼しくなりはじめているけれど、湿度が高かったからでしょう。お冷のグラスに水滴びっしり。小さな粒がひとつ、そしてまたひとつ。くっつき大きな粒になり、自分の重みに耐えかねてツツっと流れて白いテーブルクロスを濡らす。手にもすずしい昼下がり。

ゴルゴンゾーラのシュークリームにアイスコーヒー。
お待たせしましたとやってくる、アイスコーヒーには下皿、銀のマドラーがつきシュークリームには小さなナイフフォークが添えられているのが銀座ウエスト的でウットリ。
アイスコーヒーで喉を潤し、シュークリームを食べる準備をにっこり、します。
しっとりやわらかに焼き上がった生地。底からクリームを絞り込むタイプじゃなくて、生地を上下の2つに切り分け下半分にたっぷりクリームを絞り出す。最後にパフの上半分を帽子のように乗せるスタイル。帽子をとります。

うつくしく絞り出されたクリームは淡い緑。
ゴルゴンゾーラの色が混じっているといえばいいですか。
まずそのクリームをフォークでひとすくい。
パフの上にのっけて食べる。
口どけのよいクリームで、さっととろけて口の中にはクリーム味のパフだけ残る。
クリーム自体の実態はなくなるものの、ゴルゴンゾーラチーズ独特の渋みと塩味、そして香りはずっと口の中に残ったままで、キンキンに冷えたシャブリがあったなら、どれほどシアワセってウットリします。
ゴルゴンゾーラクリームの下にはぽってりとしてなめらかなカスタードクリームが隠れてる。どっしりとした濃厚味にてしっかりとした食感で、口どけのよいゴルゴンゾーラクリームとは一味違った食べ心地。

生地が軽くてやわらかでしかも極薄。だから口が感じるものはほぼクリーム。つまりクリームを手づかみして味わっているって特別な気持ちを思う存分味わえる大人のゴチソウ。堪能します。
いつもクラシックが空間を満たすこの店の、今日のBGMはチャイコフスキーのくるみ割り人形。アラビアの踊りを聴きながらアイスコーヒーをお代わりし、葦笛ははじまったところでフランス菓子に思いを馳せつつシュークリームをほぼ食べおえる。しばしのんびり、花のワルツに送られながら、席を立ちます。
そしたらレジでシュークリームの代金から台風15号災害の義援金が払われるという札を発見。題してシュークリームプロジェクト。なんと甘くてやさしい思いやり。知らずに参加してました。

 

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