銀座しゃぶせん、地下の店

銀座シックスで銀座の空を眺めながらのランチをし、しばらくウロウロ。
大きな施設の中を歩いて2時間ほど。
適度にお腹が空いてしまったような気がして食後の〆にしゃぶしゃぶ食べた。
空は高くて食欲の春(笑)。
「しゃぶせん」選ぶ。

ざくろグループという東京の飲食業界で宝物のような会社のひとつのブランド。
一人鍋のしゃぶしゃぶ専門のお店で、銀座に2店舗。しかも同じビルの地下と二階に位置してて、二階の店は普通のテーブル席でたのしむ気軽なしゃぶしゃぶ。地下二階の店はカウンターだけ。しかも一人用の小さな鍋がズラリと並ぶちょっと独特なしつらえの店。どちらが好きと聞かれれば、地下のカウンターの店と即答できるほど、たのしく、ワクワクできる店。オキニイリにてやってくる。

ランチタイムはすっかり終わった時間というのに、店に3つある楕円形のカウンターの全部がほぼ満席という盛況ぶり。
客席数にしてほぼ100席。
にぎやかですねぇ…、って言ったら、外国からのお客様が最近多くて、平日の遅い時間でも忙しいんですと。なるほどこんなところにもインバウンド景気の影響。

3つのカウンターの中で肉のスライサーが置かれたカウンターはひとつだけ。
その一つ。
しかもスライサーの真ん前の席。
塊肉から見事な手際で薄切りにされた肉がお皿に並べられていく。
お腹がなります。ウットリします。

前菜のアスパラ豆腐をまず味わいます。
ほぐしたホタテの柱をくわえた卵豆腐で、ホワイトアスパラガスを閉じ込め冷やし固めてプルンと食べる。ぽってりとしたマヨネーズもなめらかにしてやさしい味で、お腹の中を撫でて空腹教えてくれるような味わい。

ボクがココに通いはじめた30年ほども前からずっと、変わらぬ味でココにある。食べると気持ちがホッとしてお腹が空いてくるのがステキ。
鍋が目の前にセットされスープが注がれ湯気が湧く。カウンターに穴を開け、そこに鍋を落とし込む。下にはガスのコンロがある。今では電気でいくらだって鍋を温めるコトはできるけど、やっぱり直火が見えると気持ちがあったかになる。

磨き上げられた鍋に鍋の蓋。蓋をとると中のスープは沸騰している。ほのかにコンソメ色をしていて、すでに匂いが甘くて旨い。
肉は2種類。豚肉と牛肉がお皿にキレイに盛り付けられてやってくる。
タレも2種類。ゴマダレ、それからポン酢のタレで、このゴマダレがぽってり濃厚。薄切り肉がスープの中で縮れたところに絡みついてたっぷり口の中にやってくる。肉を味わうというよりも、肉とゴマダレが一体となった「しゃぶしゃぶ」という食べ物を食べている…、って実感が湧く。ラー油をちょっと垂らすと肉の甘味が引き立ち、胡麻の風味がキリリとしまる。野菜をくぐらすポン酢もおいしく、ゴクゴク飲めてしまうほど。

一人でひとつの鍋を使ったしゃぶしゃぶの、いいところと言えば自分のペースで食事ができるというところ。
ただ、一人ぽっちだと思うととてもさみしい食卓。
特にお店の人からほったらかされた感じを持つとせっかくのおいしさに気持ちを満喫できなくなってしまう。
「一人鍋」はたのしいけれど「一人ぼっち鍋」はかなしい食べ物。

ココはお店の人がお鍋の世話をしてくれる。
スープを注ぎ足してくれたり中のアクをとってくれたりと、だから気持ちが贅沢なまま。
ユックリ味わおうと思うも、あっという間にお腹の中に肉や野菜がおさまっていく。
〆の準備がはじまります。
カップの中に塩と胡椒を入れて鍋のスープを注ぐ。熱いですよとそっとおき、それからお粥。普通のご飯もあるのだけれど小豆粥がここの〆の名物で今日もそれを選んでたのむ。

茶碗の中にぽってりとお米の粒が壊れたお粥がやってくる。小豆の色がポツポツと彩り添えてそこに砂糖をたっぷり入れる。お好みでって上白糖がやってくるのだけど、ドキドキするほどたっぷり入れて混ぜると米粒がツヤツヤしてくる。それをパクリと。
ぽってり舌にのっかって、甘みと一緒にとろけてく。お粥なんだけど善哉のようでもあって、でもお粥。舌にどんどん残ってく砂糖の甘味を、スープで洗い流しつつ次の一口を繰り返す。
お腹がポワンとあったまり満たされたトコで冷たい柚子のシャーベット。笑顔と一緒にお店を出ます。オキニイリ。

 

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コメント

  1. Runo

    「1人しゃぶしゃぶ」といえば赤坂見附の“しゃぶ玄”しか知らなかったのですが、やはり同じようなお店はあるのですね。カウンターで銘々が湯気の立つしゃぶしゃぶ鍋をつつく姿は、ちょっと不思議(笑)
    アスパラ豆腐も小豆粥も美味しそうですね!

    • サカキシンイチロウ

      Runoさん
      このスタイルのさきがけがこの銀座のしゃぶせんさんです。
      ここをいろいろ真似るお店がありますが、それでもこの元祖の魅力は揺るぎない。一人で食べてるのではなく、一人ひとりが自分の鍋を使えてるというたのしさを味わうことができる稀有の店です。

  2. Runo

    そうでしたか!それはぜひ元祖を味わいに行かなくては。
    スープはポット持参で持ち帰りたくなりそうです(笑)

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