野菜を食べるカレー転じてごちそうとん汁

代々木の街をウロウロしてたら気になる看板。
「ごちそうとん汁」と書いてある。
表から見る店の作りは素っ気なく、けれどどこかオシャレに見えて店名のロゴも手間がかかっているような…。
よく見ると「camp」と青いロゴがある。
代々木といえば今、日本中の商業施設でひっぱりだこの「野菜を食べるカレーcamp」の本拠地で、なるほど彼らの新コンセプト。看板の店名の横にも「野菜を食べる」と書いてある。どんなものかとお店に入る。
女性だけで営業してます。カレーのcamp同様、厨房はどこかアウトドアに作った仮設のキッチンみたいな見せ方でやさしく見える。カウンターに大テーブルと雰囲気カジュアル。悪くない。

メニューをみるとびっくりです。
売り物にしているのは西京味噌と江戸麦味噌を使ったとん汁。
味噌にこだわり味噌を変えることで同じ工程で異なる料理を作り出す。
賢い手法とまずは納得。
ところがそれ以外にキーマカレーを加えたとん汁。
赤唐辛子味噌をたっぷりくわえた「ほぼチゲ」というとん汁がある。
もうこうなると気はそぞろです。
しかもそれぞれ値段は単品価格で、それにご飯や漬物、あるいはサイド料理を組み合わせ自分ならではの食べ方でたのしむ。結果、お腹いっぱいになるのに1000円ちかくかかります。代々木といえば学生の街。チャレンジだなぁ…、と心配してたら次々女性がやってきてあっという間に満席になる。こりゃ、スゴイ。

西京味噌のとん汁たのむ。
するとまず湯煎の鍋からスペアリブを取り出します。
厨房の一角に網が置かれた焼き場があって、そこにスペアリブを乗っけて焼きはじめる。
その反対側には寸胴の鍋。
中に野菜が入っています。ポトフの具材のようなゴロゴロした野菜。
手鍋にとって出汁を張り、味噌をレードルで一杯落として火にかける。
それをコトコト煮立ててて器にうつしたら、焼いたスペアリブをのっけて完成。
都合要した時間は4分くらいでしょうか。
よくできている。
ただ、やってきた料理を見るとギクッとします。ボクが知ってるどんなとん汁とも違った道の料理。知らずに見ればクリームシチューのような姿です。
野菜はゴロゴロ、たっぷりでジャガイモ、玉ねぎ、人参、ごぼう、紫芋にサツマイモ。茄子にこんにゃくとしかもそれぞれが食感残した状態。見ようによっては、キャンプに行ってカレーを作ろうと準備してたらカレー粉がない。ルーもない。味噌しかないから味噌を打ち込み具沢山の汁にした…、って感じに見える。面白い。

ただ食べて見るとへんてこりんな姿に対する印象一新。うまいのです。出汁はしっかりしています。しかも甘い西京味噌の中に少量、カレーの風味が混じってる。それが甘みをキリッとさせて甘すぎないようにしてくれている。
野菜それぞれの持ち味もしっかり残って、けれどスープがどっしりおいしい。油がたっぷり混じってコクにもなるし、それが蓋してずっと熱々状態続く。前歯でしごくとスルンと骨が抜けるスペアリブもとろけるおいしさ。感心します。
味噌ラーメンのようなものが無性に食べたい時がある。味噌汁やいわゆる普通のとん汁じゃなく味噌ラーメンでなくてはならない理由は油。あるいは脂でけれどラーメンだと麺を食べなきゃいけなくなっちゃう。汁なんだよなぁ…、濃厚な汁。とそんなときにこのとん汁は理想的。
もしかしたらこれ…、原石かもです。少なくともボクにとってはカレーのcampよりもこちらがうれしいかもねと、汁まで全部飲み干すとcampの文字が丼の底にみえていました。勉強です。

 

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