郊外にいきなりできたよ、いきなりステーキ

東北に来て一日仕事。地元の外食企業の人たちに会うと、最初の話題が「いきなりステーキの郊外型のお店ができた」というコト。
ならばちょっと見てみましょう…、と築館という街にくる。
10年ほど前の町村合併で今では栗原市という名前になった。人口1万5000人ほどの小さな街です。
スーパーマーケットを中心とした小さな商業施設の駐車場の一部に戸建ての店があり中に入るとほぼ満席という盛況ぶり。一ヶ月前に開店したというコトでお試し期間の真っ最中…、ということなのでしょう。
飾り気のない機能的な店造り。店そのものを贅沢にしつらえないのが「安さを感じさせる」工夫なんでしょう。それにしても厨房の小さいことにはビックリ。超専門店の強さを感じる。

お店に入るとまずいきなり注文をするカウンターの前に並ばされる街中型のお店と違って、最初に着席。混雑具合をお店の人がみながら随時、カウンターに案内されるという仕組みがまず独特でお客様としてはうれしい。
けれどビジネスモデルとしてのいきなりステーキの特徴は「着席前に注文をとる」。「しかもたっぷり時間をかけて注文をとる」ことによって、客席はガラガラでも店頭に行列だけは出来てしまう…、という実体以上の繁盛をアピールすることで販売促進につなげるというモノ。その最大の売り物をなくしてしまうという痛し痒しに大変だなぁ…、とちょっと思った。
家族連れが多いです。にもかかわらずテーブルの真ん中には調味料が置かれた低い壁のような仕切りがあって、一家団欒の邪魔するところがちと難儀。
ちなみに入店してテーブルに案内されるのに約5分。カウンターに案内されるのにまた5分。10人前を注文し終わるまでに5分と注文してしまえば、いきなりステーキを食べることができるお店も、いきなり注文できないところがオモシロイ。

USサーロインを400gとお願いしました。
必ずオーバーポーションに切り分ける。
しかもかなり多めに切って、それを売りつける…、と言われたりする。ところが今日は見事にスパッと一度でほぼ400g。
しかも脂をキレイにとった状態で、あぁ、随分かわったんだなぁと感心します。
おすすめはレア。熱々の鉄板でテーブルの上でも焼かれ続けることを考えるなら、それが適切。その分、提供時間が短くなるからいいアイディアでもあるのでしょう。ご婦人方がミディアムで…、ってお願いしようとすると「時間がかかりますよ」ってソフトな脅し(笑)。
玉ねぎをしいた上にどっしりステーキ。サイドのガルニはスイートコーンだけという、潔いほどシンプルな姿にひさびさビックリします。お芋さんくらいはあればいいのに、まぁ、しょうがない。バターの上にフライドガーリックと食欲しっかりそそってくれる。

ご飯はたのまず大根サラダをむしゃむしゃ食べつつ肉と格闘。
淡いピンクの断面です。さっぱりとした味わいで、顎にガツンとくるたくましさ。肉汁ジュワリとまではいかない、アメリカの肉!って感じの味わい。ひんやりとしたレアの部分が舌にさわって撫でる感じがおいしい。
…、のだけれどこれに熱をくわえてミディアム程度にしてみると、途端にパサッと味気ない。適度な厚さに切り分けて2つに切り分け半分食べたら、残りの半分は即座に肉の上にのっける。そうして熱が入らぬように工夫しながらもりもり食べる。肉でお腹が満たされる、この感覚はやはり独特。
無心に食事をしていると、フードコートで食事をしているような気持ちにすらなってきて、フードコートが家族団らんの場として成立している今という時代にあって、これはこれでいいんだろうなぁ…、と感じるようになってくる。期待以上に納得できて、大繁盛はむつかしいかもしれないけれど、あってもいい店…、って思ったりもした。そして寝る。

 

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