荒木町のタペリア、スペインリズムでスペイン料理

夜、自宅の近所の荒木町にてスペイン料理。
オキニイリの肉匠酒場丸信と同じビルの地下一階にあるお店。
前から気になり、機会があったらと思っていながらずっと縁がなくってやっと今日。予約もしないでやってきてみれば7割方の入りでビックリ。案外人気がある店です。
スペイン人のシェフと同じくスペイン出身のスシェフ、それからウェイターで切り盛りする店。テーブルへの案内もメニューの説明や注文をとるのもみんな、人懐っこいシェフが一人でこなす。なんだかワクワクしてくるお店。
ワインをたのむとお通し代わりのアミューズがくる。
とうもろこしのピュレがメインの素材の料理。とうもろこしだから甘いのか…、と思って食べると、これが酸っぱい。オリーブオイルと生のニンニクのピュレがたっぷり混ぜられていて、貝からとった出汁の風味も味わい深い。

冷たい料理をまずひとつ。パプリカのサラダというのがおすすめでたのんで試す。
皮をつけたままの丸ごとパプリカを炭で焦がして焼いたもの。それを冷やして一口大に切り分ける。
焼いて冷やしたパプリカは茄子のような香りと甘みを発揮する。
そこにマグロのオイル煮をほぐしてオリーブオイルであえたのをたっぷり乗せて一緒に食べる。ブイヨンで煮た玉ねぎを下に、オリーブとスパイスタップリちらして食べる。どこにでもある素材がこんなにおいしい料理になるのにビックリ。
ゆで卵のプルンとなめらかな感じであったり、トマトの酸味がよきアクセント。それにしてもこのトマト。固くて青い香りがたのしい今どき珍しい出来栄えで、そこにたっぷり塩をまとわす。昔のトマトはみんなこんな味だったよなぁ…、ってちょっと思った。オモシロイ。

魚のメインを2種類たのむ。
ひとつはイカ。
鉄板で焼いたプルプルのイカの下にハーブをまぶしたモノで、クニュクニュとした食感おいしい。
しかもサイドのアイオリソースが、ニンニクがタップリ混ざってビリリと辛くて風味豊かで食欲すすむ。

もう一種類はタコのガルシア風。叩いたタコを軽く焼き、カイエンペッパーで風味をつけて食べるモノ。下に緑のピュレがタップリ。何なんだろう…、と食べてみるとこれがじゃがいも。蒸して粗目に潰したものにゴクゴク飲み込ませるほどたっぷりオリーブオイルを混ぜて仕上げた、スペイン風のマッシュポテト。
トロトロしていてみずみずしくて、オリーブオイルの風味がおいしいオゴチソウ。

牛モツと豆の煮込みというのがあった。
豆の煮込みとあらば食べておかなくちゃ…、と迷わずたのむ。
牛モツはハチノスをメインに胃袋、軟骨とパーツ様々。
豆は白いんげんやガルバンゾ、レンズ豆にキドニービーンズとこれまたさまざま。
同じ豆でもそれぞれ食感、味わいことなり口の中が騒々しくなる。

トマトをベースにモツを煮込んだ出しがどっしり。
最後にクリームで風味をととのえ仕上がっている。
クチャクチャ潰れるモツの食感。
豆がホロリと崩れてとろけ、煮込んだソースが食べてるうちにどんどんおいしくなっていく。
食べ進むにつれて、牛モツ由来の脂やコラーゲン室のせいでしょうネ…、唇同士が貼り付くようなスベスベ感にウットリします。パンをちぎって加えて食べて、器の中がきれいさっぱりなくなった。

メインはフィデウア。極細のパスタで作ったパエリアで、今日はイカ墨のがおいしいという。
パエリア鍋の中は真っ黒。ほぼほとんどが極細麺で、サイコロ状に切り分けた豚肉にイカ、いんげん豆にパプリカというシンプルさ。最後の仕上げにアイオリソースをたっぷりかけて、スプーンでまずは麺を鍋からこそげ取る。
バリバリ音を立てて剥がれたパスタの表面は焦げて仕上がり真っ黒で、内側部分はところどころがパスタの色が残ってる。味もまばらならば、麺の食感もまばらな感じ。
バリバリ、まるでベビースターラーメンみたいなところがあったり、腸アルデンテなところがあったり。イカスミ独特の濃厚な海の旨みもおいしくて、噛んで味わいお腹に収まる。料理提供のリズム感までスペイン的で、小さな旅行をした感じ(笑)。

 

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