美松はなれのおむすびで昼

池袋で昼。美松のはなれでおむすびにする。
池袋駅の西側。東武百貨店とか丸井とか、芸術劇場とかがある界隈の町外れでずっと人気を集めていた「美松」っていう定食屋さんの「はなれ」というここ。
定食美松はご飯がおいしいのが自慢だった。
そのおいしいご飯にぴったりのご飯や汁や漬物が秀逸で、それでずっと人気のお店。
ただおいしいご飯をおいしく味わう究極の食べ方のひとつが「おむすび」。だから定食美松にもおむすびが昔はあった。けれど今は定食美松におむすびはなし。代わりにおおむすびがメインのお店として誕生したのがこの「はなれ」。しかもテイクアウト用のおむすびを販売するコーナーが入り口脇に作られていて、これからの時代にあわせた新しいスタイルのおにぎり専門店になっている。

イートインコーナーはカウンターだけ。
全部で10席ほど。
どこに座っても厨房が目の前にあって料理が作られるところを感じることができる構造。
目の前でおむすびが作られるところを見ながら待つのはステキな時間。
熱々のご飯が手のひらの中でみるみるうちにおむすびの形になっていくのがまるでおいしい魔法のようで、お店によって作り方も様々。
ここは「手に塩」じゃなく、直接おむすびに塩をたかいところからふりかけながらむすんでく。
おむすび3個に小鉢に漬物、お味噌汁。それからお供にしらす豆腐と甘辛味の卵焼き。まずお供の2品がやってきてそれを食べつつのんびり待っておむすび完成。四角いお膳に料理がキチッと収まって、汁のお椀からおいしい匂いの湯気が湧き立つ。

今日の小鉢は唐揚げにした鯖の南蛮漬け。
ピーマン、玉ねぎ、パプリカと香り野菜の風味さわやか。
しらす豆腐の豆腐はなめらか。
箸でかろうじて持ち上げられるほどにやわらかで、豆の香りが力強くて濃厚。
しらすの味をしっかり受け止めて、醤油なんて必要なしのおゴチソウ。
玉子の味付けを好みで焼いてもらえる卵焼き。
ボクはいつも砂糖と醤油で甘めに仕上げた甘辛味で、焦げた端っこは香ばしく芯の部分はネットリとろける。
キュウリ、大根、ニンジンの自家製漬物。
出汁をとったあとの分厚い昆布が添えられていて、あぁ、正直に料理を作ってらっしゃるんだ…、ってニッコリします。味噌汁の実は大根、ニンジン、豆腐にわかめ。味噌は控えめ、お出汁の味で味わう趣向。

おむすびは梅とおかかと焼いたたらこの3種類。白米と雑穀米を選べますがどうなさます?って聞かれて、おいしいようにおまかせします…、って言ってみた。そしたら厨房の中がひときわにぎやかになって、お店の人たちが相談しながら、梅は白米、残りの2つは雑穀米で仕上がった。
しっとりふっくらした白米が酸っぱい梅をひきたて、これぞ、古典おむすびだ…、って感じがおいしい。コツコツ奥歯を叩いてパラッとちらかる玄米が焼いたたらこのホツホツ感とあいまって口の中がにぎやかになる。醤油であえた鰹節。どれもがやさしくむすばれていて、口に含むとパラリとむすぶ前のご飯に戻ってく魔法のようなおゴチソウ。今日も堪能いたします。

 

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コメント

  1. ちい

    この2、3年自分で梅干しを作っています。昔ながらのいわゆる塩っぱい梅干しが食べたくてでもなかなか売ってない。
    意を決して作り出したらおいしいし、楽しい。おむすびにしてもおいしいです。
    梅酢もおいしくて、一粒で二度おいしいのを楽しんでいます。

    • サカキシンイチロウ

      ちいさん
      昔のキリッとした酸っぱい梅干し。
      そうか…、作ればいいんですよね。今度、挑戦してみることにします。一日一個の梅干しは健康の素っていいますし、ぜひ。

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