第一旭のラーメン。ホンビノス貝飯で晩ごはん

ひさしぶりに新宿御苑近くの「第一旭」。
京都発祥。暖簾分けや分店が中京、関西、中国地方にいくつもあって、その正式な支店ということでしょう。「本家」と看板に書かれてる。
店に入るとカウンターに厨房。
スープが炊かれた寸胴鍋に麺を茹でる鍋。叉焼を切るまな板ととてもシンプル。
昔のラーメン屋さんの匂いがします。動物系のすえた匂いとでもいいますか…、不快に感じる寸前のおいしい匂い。チャーシュー麺を選んでたのむ。
どっさりのチャーシューと九条ネギが麺の上を覆い尽くす豪勢な顔。スープの香りと一緒に温められたネギの緑の香りが漂いお腹をならす。麺は細めのストレート麺。箸をつっこみ持ち上げるとずっしり重たく、湯気と一緒にスープの香り。

そのスープは濃厚にしてスッキリしている。スープの旨味に醤油がコクと風味をつけて脂が香る。輪郭がくっきりした味で、濃いのにごくごく飲める味わい。好きな味。
麺はざっくり歯切れるコシとハリの揃った麺で、スープをたっぷりたぐり寄せて口の中を潤すおいしさ。そしてチャーシュー。薄くスライスされていて豚肉のいろんな部位が混じってる。スープを吸い込みトロンととろける切り身があったり、ザクザク歯切れる繊維が頑丈な切り身もあったり、食べ続けるのがたのしいゴチソウ。
カウンターには大きな胡椒。相当たっぷりほどこしても辛味を感じず風味を残す。姿は見えぬも脂の力でそうなるんでしょう。お腹も体もあったまる。

 

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夜、家でご飯を作る。
ホンビノス貝がやすかった。
おいしい出汁を出してくれる貝でしかも浅瀬で育つこともあり、砂をほとんどもってない。
砂出しせずともすぐに使えるところがうれしい。
殻を丁寧に洗って鍋に放り込み、水と日本酒で蒸し上げる。口が開いたところで貝を取り出して鍋に残った汁を煮詰めて出汁を仕上げる。

思ったよりもたっぷり汁が手に入り、それを使ってあれこれ料理を作ることにする。
まずは炊き込みご飯を炊いた。洗って浸水させた米。土鍋に入れてクツクツ炊き上げ、蒸らしの前に貝を戻して味と風味をなじませる。茶碗に移していただきます。ホンビノス貝の力強いうま味がお米の一粒ひと粒にしっかり染み込みおいしいことったらありゃしない。しかも塩味もピタッと決まってこれほど手間いらずの料理はない…、って思っちゃうほど。

貝は頑丈、たくましい。2合炊いたから全部一度に食べられないからとおむすび作って夜食にしよう。
出汁を使って汁も作った。実は貝と栃尾のお揚げだけ。
それでも出汁が残ってて卵焼きを作ることにした。出汁を混ぜてゆるめの卵で形を作るのになれてなくって少々難儀をしたけれど、キレイいできてホッとする。貝の出汁はなんにでもある上品な出汁。堪能しました、オゴチソウ。
野菜も食べなきゃいけないネ…、って千切りキャベツをオリーブオイルでドレスして塩と胡椒、細かく刻んだディルをちらしてシャクシャク食べる。お腹が喜ぶ晩ごはん。

コメント

  1. らら

    サカキさん、こんばんは。
    教えて頂きたいことがあって書き込んでおります。

    時々伺う個人レストランでのお支払で、数百円ほどのお釣りであれば、お釣りはいいですと言うことが多いのですが、これはあまり良くないことなのでしょうか?(ひとりあたり5千-1万円程度のお店です)

    応援の気持ちというには少額ですし、かえって失礼なのかもしれないと不安になっています。
    先方も困惑しつつ深謝して受け取られることが多く、こちらも申し訳なくなります。

    何か大切なことに気付けていない様にも思うのですが、考えても分からないのです。。

    ブログに関係のない話で申し訳ありません。
    もしお時間がゆるす様であればご教示頂きたくお願い申し上げます。

    • サカキシンイチロウ

      ららさん
      ボクも「おつりはいいですよ」ということがあります。
      とても気持ちがよかったとき。
      忙しくてお店の人たちが大変そうだったとき。
      そしてなによりお料理がおいしかったときに数百円程度の端数はそのままお店に残していくことにしています。
      金額の問題じゃないと思うのですよね。
      気持ちを置いていく。
      政府が必死になって推進しているキャッシュレス決済の主役、手数料が飲食店の経営を圧迫するクレジットカードではできない粋な気持ちの伝え方でもありますし、気になさらず続けていいのじゃないかと思います。

  2. らら

    気持ちを置いていく。まさにそんな思いでした。言葉にして下さってありがとうございます。ほっと致しました。。

    大阪商家育ちの父と食事へ行く度に『カード決済の手数料は地味に響くし、入金も遅くなる。小さなお店では現金で払ってあげるのが良いんだよ』と教えられました。

    予約サイトも便利ですが、お店が予約を受けるたびに手数料が発生するシステムの様なので、なるべく使わない様にしています。でもネット上で評判が良くなるのなら、お店にとっては良いコトなのかもしれないですが…

    • サカキシンイチロウ

      ららさん
      世の中は「便利で合理的」な方向に驀進しているように感じます。
      便利で合理的であることを突き詰めていくと、おしゃれとか外食とかが無駄と思われていく。
      そんな世の中は味気なくてつまらないですよね。
      人と人とのふれあいを大切にしたいと思います。

  3. らら

    お腹を満たすだけの食事がどれだけ味気ないものか…哲学のない人生と同じです。

    そうですね。人と人。ですね。
    私も大切にしたいです。

  4. チキタン

    サカキさん
    第一旭さん
    京都に行くとかなりの頻度で伺ってました
    四谷にあると知って行った時は
    これですこれです
    って感じで嬉しくなりました
    なんて言うんでしょう
    美味しいですよね〜
    あぁ久しぶりに食べたくなりました

    • サカキシンイチロウ

      チキタンさん
      「なんていうんでしょう」という言葉に、第一旭のラーメンのすべてが表現されていると思います。
      なんていうんでしょうね…、ボクもファンです(笑)。

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