笑顔

高松に来て、母と会食。
いつものホテルのコーヒーショップのバフェにした。
バフェとはとても便利な場所で、何が食べたいってときじゃなくって誰かとたのしい時間を過ごしたいときに重宝します。
ずっとテーブルに縛り付けられるようなコトがなく、ときおり立って料理を選ぶ。
一緒に立ち上がって一緒に料理をとるのもたのしい。
「最近、ちょっと太ったんじゃない?」とかって、お腹のあたりをみて言われたりする。なかよくなれるような感じがステキ。

それにしても今日はさすがに疲れました。
飛行機が予定通り到着するかわからない不順な天候。それで新幹線と在来線を乗り継いで、橋まで渡って5時間ほど。とは言えそれも地に足付いた旅と思えばまたたのし。
若い頃は飛行機にのるのが大好きだった。ところが歳をかさねるにつれ飛行機にのるのがどんどん嫌いになってる。あれをしちゃダメ、これもダメと押し付けがましくなにより「乗せてやってる感」があるのが苦手。
どちらにしても思ったほども時間がかからず無事到着。
しかも到着の先にこんな母の笑顔が待っていた。旅の疲れはたちまち吹っ飛び、ボクも笑顔で元気になった。シアワセな夜に感謝をします。

料理をあれこれ。何度も来ている店なのだけど、今日はちょっとバフェの趣向が変わってた。ケーキコーナーが充実していて、チョコファウンテンがバフェの真ん中にドンッと置かれる。
料理もどこかいつもと違う。茹でた玉子の白身の中に玉子の黄身を搾って飾ったデビルエッグや、ホワイトオムレツ。卵サラダにうずら卵とマッシュポテトをオランデーズソースと一緒にオーブン焼きにしたものだとか、玉子の料理がたくさん揃う。今日の目玉料理がフォアグラのせた玉子のフランで、これも玉子の料理のひとつ。フォアグラ大好き親子にはうれしいメインではあったけど、それにしても玉子だらけ!


どうしたことか…、と思ってそうか。
イースターがテーマのバフェというワケらしい。
去年まではこんなにイベントイベントしてなかったのに、今年は誰かがはやらせようとしたのでしょう。ハロウィーンの夢よもう一度…、って感じでしょうか。
それにしても数あるアメリカ的なお祭りの中でこれほど原価が安くすむモノってないんじゃないかと思う(笑)。

料理を盛ったお皿の中にそそり立つ宇宙人のごとき姿はイカの槍。クミン風味のマッシュドポテトを詰めた湯でイカで思った以上においしくビックリ。
他にビックリしたのが煮物。なんと「松山揚げの芋煮」。大洲地方のご当地料理の醤油の味の芋炊きに松山揚げをたっぷりのっけて仕上げたモノ。お揚げさんとはまるで違ったサクサクに揚がった天かすのかたまりみたいな松山揚げが汁を吸ってトロリとろけて口の中へとやってくる。なつかしい味、食感でお腹に半分蓋をして、それからデザート。コーヒーのお供にプリンや杏仁豆腐を食べていた。

そしたらカランカランと鐘がなり、バフェカウンターにシェフ2人。
これからデザートを作りますとお店の中にアナウンス。
お客様が次々シェフの前にやってきてスマホ取り出し写真を撮ります。
大きな鍋にダークチェリーの水煮を入れて、砂糖を焦がしフランベしていく。
歓声上がって写真をパシャパシャ。アイスクリームにのっけてチェリージュブリーが出来上がる。

実はこのチェリージュブリー。思い出のあるデザートなんです。
ボクが大学受験のとき。過保護な父は試験開始の時間に遅れちゃいけないからと、父の定宿に前日予約。2人で泊まった。
とは言え父はスゴいいびきの人で、おんなじ部屋にいたら寝られず試験どころじゃないじゃないかとありがた迷惑にボクは思った。
にもかかわらず父は意気揚々と、縁起担ぎに前祝いをしようじゃないかとローストビーフをボクにおごった。英国譲りの名店で、そこのデザートがチェリージュブリー。たっぷりリキュールを使って作った大人味で、 ボクはしたたか酔っぱらいめでたく熟睡。試験も見事突破した。
…、ってそんな思い出話をしながら始終母と2人で笑ってたのしむ。シアワセな夜の水曜日。

コメント

  1. ボルテイモアのおかず

    お母様の笑顔がはじけてる!パステルカラーのお洋服も良くお似合いですね。花柄のジャケットは着こなしが難しいんですよね、ピンクのタートルと決めていらっしゃる、ウ~ンさすがですね。
    サカキさん、長旅お疲れ様です。卵料理満載で滋養一杯、疲れもとれたら良いですが(^_^)

    • サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      ロビーで待ち合わせをしていたのですが、そのロビーに現れた瞬間に、あぁ、春がやってきた!って思いました。
      季節も春。
      気持ちも春。
      来月は母と一緒に温泉旅行をすることがきまり、春本番という感じです。

  2. 浜崎朗子

    サカキさん
    お母様のなんと素敵な笑顔!GWに久しぶりに会う母に笑顔になってもらいたい、そんな気持ちになりました。ありがとうございます。

    • サカキシンイチロウ

      浜崎朗子さん
      おいしいものをたべて、たのしい話をして、そしてなにより互いがやさしくよりそいあえば自然と笑顔が出てくるんですよね…、親子って本当に特別の関係。
      よいゴールデンウィークがすごせますように。

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