穴子のフライに鳥豆腐。氷蔵王で〆る昼

「そろそろ穴子フライの季節だなぁ」と思って銀座の「三州屋」にくる。
ビルの間の狭い路地をググーっと入った突き当たりの店。入り口に店名と「御食事」「活魚一品料理」と書かれてた暖簾。お店の正式名称は「大衆割烹三州屋」。昔ながらで気取りがなくて、そこが好き。
中に入るとおいしげな料理の名前が書かれた札がズラリ並んで、厨房の様子が見える。職人さんが3人並んで料理を作る景色とおいしい匂いに腹が鳴る。
目当ての穴子フライの定食たのみ、鳥豆腐を追加する。
この鳥豆腐が最高に好き!
醤油で風味をととのえたスープで炊かれた豆腐に鶏肉。皮を剥いだ鳥もも肉がホロホロに崩れるまでに煮込まれていて、春菊に緑の香りとシャキシャキとした歯触りがよきアクセント。熱々で、注文するとあっという間にやってくるのが粋でな一品。飲むのが好きなタナカくんが大好きだった。

冷たいビールをグビっと飲んで、冷えたお腹をこの鳥豆腐であっためる。
次のビールのひと飲みがおいしくなるのがたまらないの…、ってのんびりゆっくりごきげんに、料理が来るのを待ったものです。
一緒についてやってくるポン酢がうまい。
キリッと酸味が鮮やかで甘みも深い。
たっぷり浸すと、ちり鍋を食べてるみたいになるのもたのしい、オキニイリ。
しばらく待ってメインの定食。

穴子はタナカくんの大好物でだから春が終わるとこれを食べたいってソワソワしてた。
ご飯に漬物、なめこの赤だし、穴子のフライでひと揃え。大きく、太った分厚い穴子。細かなパン粉をぎっしりまとって揚げられている。パン粉の色は明るくてハイカラ表現をすれば見事なゴールデンブラウン!油の香りも明るくて、食べる前からもうおいしい。

噛むとカサッとパン粉が前歯をくすぐり、それに続いて穴子が爆ぜる。その食感はふっくら、むっちり。弾力のある歯ごたえをパン粉がサクサク彩って、ひと噛みごとが心地よい。
ウスターソースがスパイシーな風味を添えて、レモンを搾れば衣に油を一層甘く感じるステキ。
千切りキャベツにサラダに芥子。ここのサラダが独特で、レタスに薄切りキュウリ、トマトを塩とマヨネーズで揉んだ洋風おひたし風。なんと缶詰の黄桃が混じっているのもおもしろく、甘酸っぱさで口が整いメインのフライをおいしくさせる。
上等ななめこのとろみで汁はとろんとなめらかで、蕪とキャベツの漬物もおいしくたっぷり。サービス精神旺盛に今年もニッコリ。
おいしかったよ…、空に向かって言いながらお店を出ました。オキニイリ。

 

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食後に冷たく甘いものをと交通会館の甘味処の「おかめ」によった。
最近流行りの創作系の高級かき氷と一線画する、昔からあるかき氷が手軽な値段で多彩に揃うところがうれしく、夏になると来たくなる。
今日はここの名物かき氷「氷蔵王」を選んで食べる。
氷の上にあんこをたっぷり、ソフトクリームをドサッとのせたかき氷。ソフトクリームを蔵王の樹氷にみたててそれで氷蔵王。
ガラスの器からこぼれおちそうなほどにたっぷりで890円というありがたさ。
ただあまりに量が多くってどう食べようかと悩んでいたら、お店の人が「よろしけばお使いください」と小さなボウルを運んでくれる。ソフトクリームをボウルに移せば氷を食べやすくなりますからって。なるほどって思って「エイや」とスプーンですくって移してみるも…。

ソフトクリームにくっついていたあんこと氷がボタリと落ちてお盆をしたたか汚す。「あらら、大変…」って慌てていると、お店の人が「大丈夫。思いっきり汚して食べてくださいな」とニッコリ笑う。ありがたい。
あんこがちょっと変わってて、小豆じゃなくて金時豆を炊いている。だから大粒。豆の風味や香りは軽く甘さも控えめ。食べごたえが結構あって、コツコツ奥歯をたたいてホロリととろける感じがオモシロイ。
氷はシャリシャリ、あんこの甘みやソフトクリームの味をたよりに食べるスタイル。ソフトクリームはミルクの香りや風味がつよくてさっぱりとした後口がいい。あんこのおかげで冷たすぎない。だから頭がキーンとしないのがありがたく体がほどよく涼しくなった。ゆっくり家に帰りましょう。

 

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