四谷の尾張屋、玉子の布団をかぶったおかめ

日曜の昼。近所の尾張屋。おやつ時から用事があって、テキパキランチを友人と。
四谷三丁目の交差点角。細長いビルで大きな看板もバンッとある。
だからもっと目立っていても当然なのに街の景色に溶け込みすぎてて、逆にすっかり目立たないビル、そして店。ただ近所に人たちにとってはなくてはならない店なんでしょう…、おなじみさんたちで今日もにぎわう、にぎやかさ。たまにお店に入ったらノーゲストなんてこともあるけどやっぱりお店はニギヤカな方がおいしく感じる。

まずは天丼をお願いします。蕎麦屋の天丼は不思議とエビだけ…、ってところが多くてココもエビだけ。しっかりとした健康的なエビがサクッと揚げられていてさっぱりとしたタレをまとってご飯の上に鎮座してます。ハフっと食べると油の香りが鼻から抜けてエビのムッチリ歯切れる感じと混じり合う。

健康的なエビはおいしい。甘くてムチュンと弾力があり、尻尾もパリッと揚がってキレイ。
ご飯にしみた油混じりのタレのなんともおいしいこと。
出汁がしっかりきいた濃い味の味噌汁。カリカリとしたタクワンとどれもゴチソウ。

麺をふたっつ、二人で分ける。
ひとつはきしめん。
強い日差しを冷たい麺を所望して、それで「冷やしごまだれきしめん」。冷たいお皿の上に冷たくした麺。ごまだれまみれの平たいきしめん。上に具材がタップリ。ツヤツヤしてる。
もうひとつは温かいそば。おかめとじそば。ここの玉子とじはちょっと独特。具材を満遍なく玉子でとじるのでなく、よくかき混ぜた玉子を出汁の中に落として、フワフワ固まったものを具材の上にかぶせる。フェルト細工とか毛糸で作った帽子のような姿をしてる。

さてきしめん。
尾張屋と店名にある通り、ボクに知る限り東京で最高水準のきしめんが味わえる。

もっちりしていて表面すべすべ。
けれど過ぎたツルツルがないので汁やタレを思う存分たぐりよせ、口の中をおいしくさせる。
噛むのがたのしくなっていくのがオモシロイ。
ネットリとした弾力があり、しかも平打ち。
表面積が大きく舌を撫で回す感がきわめて強い。つまり肉感的なるおごちそう。

カニのかまぼこ、わかめに茹でたほうれん草…、とこれらは普通に和風の麺のお供だけれどこれには茹でた豚ロース肉が添えられる。これがかなりの存在感で濃厚ごまだれのパワーもあってかなりスタミナ系の一品。

容姿独特なおかめとじそば。ふっくらかたまった玉子の下から麺を箸でたぐりだす。
角張ったキレイなそばです。しかもタップリ。熱々の汁の中に使ってもハリをなくさずザクザク歯切れる。
布団をめくるように固まった玉子をめくる。なるとにお麩、かまぼこ、茹でたほうれん草にわかめ、それから玉子焼き。玉子焼きまで玉子で閉じてるっていうのにちょっと笑っちゃう。出汁を吸い込み膨らんだ玉子のおいしいことにウットリ。玉子を食べてるっていうよりも出汁を固形にして食べている…、って感じがたのしく、しかも一緒に固まっている海苔の風味がまた旨い。
玉子がなくなり具材があらわになるとなるほど、おかめうどんの姿になる。いつもは普通のおかめの具材が布団を剥がれて今日はちょっと寒々しそうにみえるところがオモシロイ。

 

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