渋谷キャストのなんちゃってDD

ひさしぶりに渋谷の1日。
朝ご飯をせっかくだから新しい場所、新しい店ではじめようとそれで「渋谷キャスト」に来る。
渋谷と原宿をつなぐ明治通りの入り口部分。古いアパートがかつてあり、そこが再開発されビルになった。
開発計画が発表された当初は、渋谷、原宿で企業するクリエーターを支援するオフィス付きアパートメントを核施設としたビルになる…、って言われてて、なんだかワクワクしたものでした。
取り壊される前のアパートはニューヨークのロフトアパートみたいな雰囲気を発散してて、なるほどココにステキなオフィスアパートができるとステキに違いない、って思ってできたココみてガッカリ。
普通のビルになっていた。
それも既視感バリバリの最近流行りの構造で、去年紀尾井町にできたばかりの赤プリ跡のビルにそっくり。前面に庭。シームレスにつながるようにカフェがあって低層フロアに商業施設。高低差のある敷地を貫くエスカレーターに誘導されてオフィスフロア。上層階にはマンションと、ホテルをマンションに変えただけのそっくりぶりに日本のビル開発ってどうしようもなく煮詰まっちゃっているんだなぁ…、ってしんみりしました。

家賃を頂戴することを考えるならこういう構造になるんでしょう。
ならば最初の開発コンセプトなんて発表しなきゃよかったのにネ…、この開発は事業主体が儲かるように既存のビルの成功事例をしっかりパクったビルにします…、といえば逆にカッコいい(笑)。

一階のカフェはなんちゃってディーンアンドデルーカです。
朝早くから営業していて、表の庭と一体化した開放的な店の造りは気持ちいい。
けれど朝ご飯になるのはなにかありますか?って、聞いたらビニールで包み込まれたパンやケーキが何種類か。
渋谷の人は朝ご飯を食べる暇なく働いてるか、あるいは朝ご飯の時間に間に合わぬ寝坊助さんが多いのかも…、と思ったりする。
プリッツェル状のデニッシュペストリーをもらって朝の糧とする。

かっちりと焼けたパン生地。表面はサクサクしていて、噛むとふっかり。奥歯で潰れてバターの香りをにじませる。アメリカンスタイルのクロワッサン生地をプリッツェルの形にしたような味わい、食感。
細い紐のような形状の分、こんがり焦げた部分が多くて、どこを食べてもクロワッサンの外側部分を食べてるみたいな気持ちになるのがオモシロイ。しかも紐同士が絡まりあった部分はフッカリ具合が強くてクロワッサンの端っこを食べてるような気持ちがするのもたのしいところ。

酸味の強い水出しコーヒー。水出しコーヒーってやわらかな飲み口が特徴だ…、ってよく言われるけど、そんなことはないガツンと系のもあるんだなぁって今日は思った。氷は大きなキューブ状。いまどき、こういう氷を使うコーヒー専門店ってなかなか見ないって思ってなるほど、ここはデリであってコーヒーの店じゃなかったんだと。
お店の中ではランチのサラダの仕込みをずっとやっていて、あれをちょっとだけ朝に食べさせてくれればいいだけなのになぁ…、と思いもしました。

ちなみに最近のビルの中にある飲食施設。どこも同じ顔ぶれ、あるいはコンセプト。食べることが好きな人が企画しないからなんでしょう…、だから「料理を作るのが好きでしょうがない人」の店がほとんど出店しない。勿体無いなぁ…、と思いつつ、でもボクがたのしく料理を作って人をしあわせにしたければ、こんな場所には出店しないな、と気付いてなるほど。これでいいんだって納得します。朝のコト。

 

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