浅草尾張屋、松茸のそば、アンヂェラス

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打ち合わせを終え、浅草でのんびり昼を…、とぶらりと歩く。空は冬空、風も冷たく秋をどこかき置き忘れてしまったみたいな今日の東京。
ホテルの近所の「食通街」なる、飲食店が並ぶ路地裏を歩きつつ、あったかいものがウレシイなぁ…、と。
ならば「ぱいち」のビーフシチューか、それとも蕎麦か。かなり悩んでとりあえず、ぱいちのお店の前に来た。そしたらなんと今日木曜日は定休日。あぁ、残念と思う気半分。これですんなに決心できると、ほっとするような気持ちも半分。それでスパッと尾張屋にくる。

owa2owa1開店時間の5分前。
お店の前にはご婦人方がすでにならんでキャピキャピしてる。
開店前にもかかわらず、お待たせしましたと入り口開いて、暖簾がかかってさぁ、開店。
ご婦人方は2階の席にススッと上がりおじさん一人が一階席に落ち着いた。

落ち着く店です。
同じ尾張屋の支店が雷門の近くに店を構える。
そちらはかなり江戸の風情で、間口大きくお店も広い。目立つ場所に目立つ姿をしてるから、観光客でにぎわうお店。それはそれでワクワクするような楽しさがある。けれど普通の蕎麦屋の風情があるのがこの本店で、偉そうぶらない普通のところがしみじみうれしく、オキニイリ。

owa-sobaowa-matutake松茸そばをもらいます。
秋の一時期。
年によってはほんの2、3週間だけ売られる商品。
去年は実は食べ損なった。
注文をして、その旨告げたら「うちはどこよりも早く松茸をお売りしてどこよりも早く終わっちゃうから」と言って、ニッコリ。
運がよろしゅうござんした…、ってウレシイ応え。

蓋した丼でやってきます。
蓋を開けると閉じ込められた香りがふわりと鼻をくすぐる。
華やかで、深い秋の香りでござんす。
ちょっと甘めの汁をまとって、口に含むとキュッキュと奥歯がきしむ音。松茸らしい香りと一緒に、土の匂いが軽くする。
最初はバサバサ。
繊維が歯切れる感じがたのしい。ところが汁に浸かるに従い、徐々にヌメッとスベスベしてくる。汁をタップリ吸い込んで、繊維と繊維がくっつきあって食感かえていくのです。
土瓶蒸しの中に入ったむっちりとした松茸のように歯茎を撫でてとろけてく。

蕎麦の香りと松茸の香りがひとつに混じり合い、ボクの周りの秋が深まるめでたきゴチソウ。お腹が軽く満たされました。気持ちも明るくなりました。

 

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移動の前にちょっとお茶。ほんの20分ほどなんだけど、浅草にきたらどうしてもよっておきたい喫茶店、「アンヂェラス」に来る。
見事に昭和な喫茶店。しかもモダンな造りが今になっても斬新で、お店に入ると高い吹き抜け。一階席は禁煙席、二階席は喫煙席ですと言われて一階奥にいく。すると奥が再び大きな吹き抜けで、上を見上げると小さな小窓。2階の席が見える構造。時折、上からタバコの匂いが降りてくるのが、もともと分煙を目当てに作った店じゃないんだと、くすっと笑って昭和を思う。
ちなみにここのお店の脇道から見るスカイツリーの美しいコト。記念撮影の中国ファミリーも一緒にパチリと記念撮影(笑)。

r-an-showcaser-an-icバタークリームをタップリ使った当時のケーキが色鮮やかで、それをお土産に買って帰る地元のマダムが次々お店にやってくる。

ダッチコーヒーを選んで飲みます。
水出しコーヒーをアイスでたのしむ商品。
たのむと銀のトレーの上に氷の入ったグラスと、それより一回りほど小さなグラスにコーヒーがなみなみ注がれてやってくる。
いつもそこで写真を撮ろうと思う。
ところが、トレーをおいた瞬間に、あっという間にコーヒーが入ったグラスをおじさん持ち上げて、見事な手際で氷のグラスに注いでしまう。

一滴もこぼさず、たらさず、水鳥跡を濁さぬ感じにいつも惚れ惚れ。
しかも一階担当のウェイターのおじぃちゃま。
にこやか、ほがらか、ゴキゲンでキビキビとした様、それもゴチソウ。酸味おだやかで苦味がギリリとビターなコーヒー。ギッシリつまった氷の力で、ビックリするほど冷たいくせに、味や香りが損なわれない。ホッと一息。のんびりしたら移動です。

 

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