泡、食べるラーメン、納豆らぁめん

ひさしぶりにラーメンを食べたくなった。
場所は新宿。
西口でたトコ。
今でこそラーメンの世界はとても多彩で華やかで、いろんな流儀、スタイルのラーメンの店が沢山ある。
けれど30年ほど前のラーメン店は地味で着実。地域に根ざした伝統料理だったから、例えば東京でラーメン屋と言えば鶏がらスープの醤油味。

そんな時代に、こんなラーメンがあるんだとラーメン好きの人たちが色めき立った店があった。「満来」という小さな店で基本は東京風の醤油味。けれど麺はあんめらかで、ステーキみたいな厚さのチャーシューがのった特徴的な姿、味わいで一世風靡したものでした。
なにより日本中からラーメン店の人たちが見に来て一時期、「肉を喰らう系ラーメン店」が流行りを見せたモノでした。
代替わりはしたものの今でもその満来は建材で、そこの流れを組む「ほりうち」という店も近所で頑張っている。その「ほりうち」が今日の店。

食券販売機で食券買って前払い。
店の中はカウンターだけという潔さ。
つけ麺があり、ラーメンがあり、ココの名物のチャーシューをどっさりのっけたチャーシュー麺。
海苔、生卵といくつかトッピングがあるもののメニューは全部で10種類ほど。
一番オーソドックスなラーメンにする。
800円。

お待たせしましたとカウンター越しに手渡される丼持つとずっしり重たい。
透き通ったスープの中にどっさりと麺。
平打ち麺で、縮れを伸ばした喜多方ラーメンみたいな姿。

太くて分厚いところがあったり、細くて薄いところがあったりと麺の太さや厚さは不揃い。
ペロペロだったり、ムチムチだったりとその不揃いがいろんな食感を作ってくれる。
最初の一口は、スープをちょっと薄く感じる。
スッキリしていて醤油の香りと鶏ガラ独特の上品でやさしい旨みが口に広がる。
そのおだやかなスープをタップリからめて口に運んでくれる麺がなんともおいしくて、スルスル食べてるうちにどんどんスープの旨みを強く感じるようになってく。

スープの中にチャーシューをつけ脂がトロンととろけてきたらそれが食べ頃。
クチャっと潰れてオック場をくるむようにしてちきれていくのに、肉を食べてる!って実感が湧く。オゴチソウ。
カウンターの要所要所に冷たい水が流れ出すウォータータワーがついているのがモダンでけれどこれもずっと昔から…、って思うとスゴい。

ココの実は隠れた名物が納豆ラーメン。たのむと納豆のパックの中に玉子の黄身を一個落としてよく混ぜる。納豆の泡がどんどん細かくなって、空気を含んでふっくらしてきたところでラーメンの上に流してトッピング。海苔をちらしてズルリと食べる。
これがなんとも旨いのですネ。スベスベとした平打ち麺にスープの旨みを吸い込んだ泡がポッテリからみつき、口の中へとなだれ込んでくる。ときおり納豆の粒が一緒に混じって潰れる。その食感の特別なコト。納豆自体の旨み、風味とラーメンスープが混じって不思議なほどおいしくなる。ひさしぶりにウットリしました。オキニイリ。

 

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家に帰ってちょっとぼんやり。
夜のご飯があまりにスルスル、お腹の中に飛び込んできてあっためた。
アゴがちょっとさみしい感じで、歯ごたえあるもの食べたくなった。

酢だこを食べる。
ときおり無性に食べたくなるのでありまして、特に今の季節の魚売り場で色鮮やかな姿を見せる。
市場が今日から動き始めたというものの、まだまだ景色は正月モード。いつもは魚の切り身が置かれている場所に、かまぼこだったり伊達巻だったり。
いくらに数の子。
それから酢だこ。思わず手が出た。好きなんだもの。
お皿に並べて、テレビをみながら一切れ、そしてまた一切れ。最初は酸っぱく、噛むとフカっと奥歯が沈む。噛めば噛むほど酸味が旨みに変わっていって固かったタコも徐々にやわらかくなっていく。
なってはいくけど、なかなかとろけるようなコトはなくいつ飲み込めばいいのか悩んで、ずっとくちゃくちゃ。時間をかけてたのしめるのがウレシイところ。オキニイリ。

コメント

  1. すうさん

    ラーメンの器がオシャレですね!

    • サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      シンプルの極みですよね。実用の美。最近の気合の入りすぎたラーメン屋さんの器はどうも苦手だったりするので、こういうお店にくるとホっとできます。

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