毎日20個くらわんか弁当

新宿の昼。仕事がひと段落したのが11時15分頃。
今いけばまだ間に合うに違いない…、と、それで新宿駅の近くの「くらわんか」に来る。
お店の前に到着したのが20分すぎ。開店時間までにはまだ間があって、入り口上の提灯が風にゆらゆら揺れるさま。提灯を透かして見える春の日差しをのんびりみながら待つことにした。
そしたら続々、お客様がやってきてあっという間に20人ほどの行列になる。開店時間の5分前。お待たせしましたとドアオープン。心配りがちょっとウレシイ。入り口入って2階に上がれば蕎麦の「大庵」。地下に降りればくらわんか。ボクの後ろに並んでたご婦人方が「どちらにしようか迷うのよね」と言いながら2階に向かってあがっていった。ボクらは一直線に地下の店。

店を入った正面に大きなテーブル。
しっかりとした木綿豆腐と野菜のサラダ、ひじきの煮付けが器に入って置かれてる。
自由にとってというサービスで、盛り付け方から並べ方。取り分け用の器の状態とどれも見事で美しい。
カウンターの席をもらいます。
料理の配膳台を兼ねたカウンターで中でご飯を装ったり汁をつけたりとベテランホールスタッフのテキパキとした仕事がたのしい。
ボクがここに急いだ理由が、昼の弁当。
一日20食限定というお値打ち品で、その弁当がズラリと配膳台の上に並んでて、注文ごとに簡単な盛り付け仕事をして完成。その臨場感がおいしさ誘いしかもみるみるうちに弁当箱が姿を消してく。そのひとつがボクの目の前にやってくるという小さなシアワセ(笑)。

二段重値の円形のお重です。蓋をとると、その上段にはおかずがギッシリ。
手前に今日おすすめの刺身定食のメインでもあるカツオのハラミのタタキ風。刻んだみょうがが風味を添える。
焼いた魚に魚のフライ。フライの下には鶏もも肉のきじ焼きゴロリン。玉子焼きに酢蓮、野菜の炊合せ。ニンジン、かぼちゃに里芋、それから酒の肴になりそうなしっかり味の入ったこんにゃく。きゅうりの柴漬け、タクワンでひと揃え。
上段をとると下には小さな器に入った珍味。もずくに釜揚げしらすと大根おろし。醤油漬けにしたホタルイカと茹でた緑の九条ねぎ。刺身以外の料理はどれもしっかり味が整って、例えばフライもソースや醤油を使わずそのまま味わえる。職人さんの手わざ、手仕事を感じるゴチソウ。ニッコリします。

ご飯は季節の炊き込みご飯。今の季節といえば筍。
ざく切りにした筍、それから油揚げ。タップリ入って口の中がニギヤカになる。出汁も醤油もしっかりきいてて、軽く焦げた香りもおいしい。豆腐とわかめの味噌汁もたっぷりしていてあったまる。

開店してから5分ほどで、弁当20個は見事に売り切れ。
それでも続々、お客様はやってきてそれぞれ目当ての料理をたのむ。座った場所が厨房から料理がでてくる場所の真ん前。豚のしょうが焼きがボリュームたっぷりでおいしげで、あれもいいなとお腹がまた空く(笑)。
ちょっと向こうに座った紳士。最後の一個の弁当をたのんでまずはメインのおかずの弁当箱だけもらって熱燗。右手のお酒はビールに代わり、それからご飯に味噌汁となんと粋なコト。うらやましい。
食後のコーヒーもセルフサービス。なつかし柄のカップとソーサー。デミタス量が食後のお腹にアリガタイ。

 

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コメント

  1. はっち

     うわー これは素晴らしくコスパが良いお弁当ですね。
    並ばないと食べられそうにないけど、一度行ってみたいなあと思いました。
    本当は、こういうお弁当こそ、外国からのお客様に食べてもらって、日本食の良さを感じてもらいたいですね。

    • サカキシンイチロウ

      はっちさん
      地方にいくとこういうお値打ちな昼食を食べさせてくれるお店がたくさんある。野暮ったくってでも実利的でおいしいってステキなコト。東京では気取ったお店か、メインに飯、汁でそれでよし…、ってお店が多くて、だからこういうお店のありがたさが際立ちます。

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