木蘭で野菜を食べる、雨の夜

朝からグズグズしていた天気。
夕方になって本格的に雨になる。
気圧が急に下がったせいか、ちょっと頭がいたいような気。それで元気をだしましょうか…、とちょっと歩いてオキニイリの店。
「木蘭」にくる。
いつもは静かなお店です。
けれど今日は先客にぎやか…、これはちょっと時間がかかるに違いなくのんびり、紹興酒を飲みつつ料理を待つことにする。

まずは春雨サラダ。
固めに茹でた春雨の水気をしっかりとって上にキュウリや錦糸卵をあしらう。胡麻の風味のポン酢で食べると、ザクザク乾いた春雨が口にちらかり酸味スッキリ。お腹がどんどん空いてくる。
それから春巻き。ぽってりとしたあんがおいしく、生地はザクザク。ここのお店のこの春巻きで、ボクの春巻き好きが決定的になったのですネ…、揺るぎない味。オキニイリ。

イカの団子を揚げてもらいます。
少盆は3個一皿というところを、いつも4つにしてもらう。
2人で分けても喧嘩せぬよう。
奇数を尊び3個、5個と料理も奇数で盛り付ける。日本も含めてアジアの流儀。
融通きかない居酒屋なんかだと、イライラするけど、ワガママを聞いてくれる店は食卓仲良くなるのがウレシイ。
ムチュンと歯切れてイカの旨みが口に広がる。ケチャップつけて食べると口が甘酸っぱくなりお子ちゃま味になっていくのもオモシロイ。

酢豚をたのんだ。
肉団子の甘酢かけにしようかこれかと、ちょっと迷った。
最近、野菜が不足しているように感じてそれで酢豚を選んだ次第。
ココの酢豚は昔ながらの赤く仕上がる甘酸っぱいモノ。野菜もたっぷり。特に玉ねぎが芯の部分がなまなましくて、ちょっと辛味を帯びているのがおいしいのです。
大きく切った豚バラ肉がガリガリ、強めに揚がっているの歯ざわり、歯ごたえおいしくて甘酢をたっぷりからめて口にやってくる。きくらげ、ピーマン、パプリカと食感、風味が異なる野菜がたっぷり入っているのもウレシイ。

もひとつズバリ野菜の料理。「細切り野菜の炒め物」という料理があってはじめて試す。いつもは目にも入らぬ料理で、けれど今日は野菜不足に目をとめた。
その名の通り野菜まみれでござんした。もやしがメインで、レタスやピーマン、ニンジンを細切りにして豚バラ肉と一緒に炒める。その豚肉はこんがり焼かれて脂が縮み、チリチリよじれたようになってる。
味は甘めのオイスターソース味。軽いとろみがついていて、このまま生地でくるんで揚げればおいしい春巻きになりそうな味。感心するのがこれほど細く切り刻まれていて、時間がたっても水気がお皿にたまらないこと。強火でジャジャっと炒めた証拠。プロの手際にウットリします。

ここまでユックリ時間をかけてたのしんで、そろそろ〆。
夜の定食と麺をたのんだ。

定食のメインは麻婆豆腐。
四川風ではなく昔ながらのほどよき辛さの麻婆豆腐で、痺れもほとんどなく食べやすい。
フルフルにやわらかな豆腐とホツホツ奥歯を叩く挽き肉。
食べると気持ちが和むおいしさ。
これにご飯とスープがついてくるのだけれど、ご飯がお皿に盛られてくる。普通、中国料理のご飯と言えば茶碗、丼に入ってくるものだけどお皿というのが珍しい。
しかもキレイにこんもりと盛り付けられてて、箸でつまんで食べやすいのも配慮がステキ。
料理と一緒に食べるのも簡単にでき、早速マーボーご飯をたのしむ。

汁の代わりに五目あんかけそばをもらった。
これも野菜を摂取しなくちゃという体が求めた料理のひとつで、これがなんともおいしくビックリ。とろみの状態、具材の野菜のシャキシャキ感。油の風味とどっしりとした旨みが細い麺にからんでお腹がたのしく満ちていく。来るたび好きになるお店。

 

関連ランキング:中華料理 | 新宿御苑前駅四谷三丁目駅曙橋駅

コメント

  1. いにしえ

    サカキさん、こんにちは。
    木蘭に行ってきました。ずいぶん昔に新宿御苑近辺で働いていたことがあり、すっかり忘れていたのですが会社の近所にとても美味しい中華屋さんがあったことをサカキさんのブログを読んで思い出しました。お店の名前も覚えてないけれど店構えがこんな感じだったような。。
    木蘭でスープを一口食べて、「ああ、ここだった!」と確信しました。
    好きだったお店が続いているのは嬉しいことです。これからはちょくちょく途中下車して寄ってみます。
    サカキさんのブログのおかげで再会できました。ありがとうございました!

    • サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      あのお店ってなんていう名前だったろう…、とボクも昔のことを思い出してぼんやりすることがあります。
      特に、誰かに連れて行ってもらったお店なんかだと、どこの店かもわからなくなることがあったりして、そんなときでも舌は覚えてくれているんですよね。
      思い出と密接に結びつく香りや味。大切にしたいなぁ…、と思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。