普通の朝に俵コロッケ四ツ谷さくらい

ケンタッキーの裏側隣にルノアールがある。
朝のやり直しをしようと思ってお店に入る。案外、にぎやか。近所の会社の人たちがぼんやり朝の時間をつぶす、昔ながらの喫茶店的景色にニッコリ。
ホッとする。
KFCでお茶を飲んでるおじさんたちは、どこか寂しげ。大変だなぁ…、って見えてしまう。
ルノアールの分厚いタオル地のおしぼりで、両手首筋をゴシゴシ拭いてるおじさんをみると、なんだかいいなぁ…ってほのぼのしてくる。
考えてみればスタバのフラペチーノと同じ値段でサービスが付き、分厚いおしぼり、氷の入った水に〆のお茶までついてやってくる。スタバを選ばなきゃ理由はほとんど無いに等しく思えるほどの店だもの。一周回ってカッコいい。

カフェオレに朝食セットをつけてみる。
カフェラテじゃなくてオレというのもいい感じ。手鍋でミルクをあっためて熱々のドリップコーヒーと合わせて仕上げる。飲み口なめらか、やさしい気持ちにしてくれる。そうだ、立ち飲み専門の「俺のオレ」とかって作るといいかもしれないなぁ…、って思って笑う。腕組みをして微笑む有名バリスタの写真が頭に思い浮かんだ。行きはしないけど、見てみたい。
ふっかりとしたパンにきゅうりとハム、マヨネーズ。普通においしいサンドイッチにほっかりあったかいゆで卵。ビーフコンソメでひと揃え。あんまり工夫をしすぎない普通のものが普通にあるってステキなことって思う朝。

 

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それから軽く打ち合わせ。
昼ご飯の時間になってなにかオモシロイ店はないものか…、と街をウロウロ。
飲食街が終わってそろそろ住宅地になってく境目に、見慣れぬ看板を見つけて近づく。
「俵コロッケ」というお店の名前。
お店の表にメニューが貼られて見るとこれがかなり独特。店名の通りコロッケがメインディッシュの店で種類も何種類か。それを選んで注文すると、もれなくエビフライに生姜焼き、唐揚げ、パスタサラダがついてくる。ご飯にしじみ汁、キャベツはお替り自由というのが面白くって、試してみることにしたワケです。
お店は小さくカウンターにテーブルひとつ。入り口脇にはお弁当が積み上げられてて、店の奥が小さな厨房。ご主人一人で切り盛りしてる。中もするとしばらく待ちます。ご飯と汁、ご飯のお供がまずやってきて、それからメインが堂々登場。

お皿にぎっしり料理が並ぶ。当然メインはコロッケです。ただそのメインの料理以上に他の料理がボリューム満点で、どっちが主役かわからなくなる。オモシロイ。
ただ食べるとメインはコロッケだ…、って実感します。
季節のコロッケもあわえると10種類ほどの中からカニのクリームコロッケを選んだんだけど、ベシャメルソースはなめらかでカニのほぐし身がタップリ入ってかなりのおいしさ。パン粉衣がバリッと歯ざわり騒々しくて、クリーミーな中身のなめらか引き立てる。
ご飯の上にのっけて一緒に食べるとまるでドリアのごとし。じっくりお皿を眺めていると、なるほどこれってお弁当のおかずをお皿に並べたんだなぁ…、って思って納得。オモシロイ。

 

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コメント

  1. えるま

    こんにちは。
    私も最近ずっと思っているのですが、何も特別美味しいものが食べたいわけでもなく、普通のものを普通に食べたいだけなのに、それがだんだん難しくなっているのは寂しいことですね。

    • サカキシンイチロウ

      えるまさん
      新しもの好きさんのための珍しい料理だとか、グルメ気取りの人たちのためのばからしいほどに贅沢な料理とかを売るお店は次々できるのです。
      でも普通のものがどんどん消えていく。
      もったいないですよね。なやましいです。

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