新橋魚金、新宿の店

夜、ひさしぶりに「魚金」にくる。
新橋魚金というのが正式名称で、たしかに新橋生まれ。新橋界隈のサラリーマンに圧倒的に支持され次々、増えてった。その増殖具合は目を見張る業界の注目を集めたものでした。
一時の勢いはなくなったものの今でも着実に店を増やしてる。増やしているだけじゃなくどの店もしっかり繁盛させているのが立派なところ。
今日やってきたのは新宿の店。
エレベーターを降りると店の入り口。大きなカウンターが見えてそこの一番端の席を貰った。中にキッチン。白衣の板前さんが4人いて、厨房の中はすべて見通せて調理の一部始終が見えるからずるいことは一切なしの安心感がなによりゴチソウ。
サービススタッフもフレンドリーで、いい意味で素人くさい一生懸命が伝わってくる。

お酒をたのむとまずやってくる今日のお通し。
ポテトサラダでござんした。
じゃがいもを粗くマッシュして塩で下味。
厚切りのハムを粗く刻んで、ムッチリとした噛みごたえ。
芋のとろけ感を引き立てなかなかこれがおいしい。
手作り感が満点で、出来合いのものを仕入れてお茶を濁さぬところが立派。悪くない。

それから竹輪とチーズの磯辺揚げ。
細めの竹輪を2本使って、穴にはチーズ。周りに海苔を巻いてポッテリ衣をまとわす。
サクッと揚げた熱々状態はどう作ったっておいしいゴチソウ。しかも竹輪がおそらく安い普通の竹輪。磯辺揚げって上等な竹輪を使うとなぜだかあまりおいしく出来ない。これはそういう意味で適材適所の上出来で、ハフハフしながら食べてゴクリと酒を飲む。料理はじっくり時間をかける。けれど飲み物をたのむとすぐにやってくるのが、酒をたのしむ店としては考えられてる。

ちなみに、竹輪の磯辺揚げをたのんだ理由のひとつが欠品。
今日のおすすめ素材です…、と、カツオや白エビ、ブリのカマなどと一緒に「車海老と茄子の天ぷら」という札が桶にのってきた。
それをサービススタッフが説明しながら推奨販売するのだけれど、たのんだ車海老がなんと欠品(笑)。エビが竹輪に化けたことになる。
それでもおいしかったから、まぁ、よしとする。

刺し身が来ます。
お手軽三点盛りというココの一番人気の商品。
3点と言いながら、並ぶ刺し身は鯛にブリ、カンパチ、カツオにコハダにタコ。
アジの姿造りに生牡蠣と全部で8種。
最初はサプライズ。サービス精神旺盛を刺し身という枯れた料理で表現する。
そのやり方を真似るお店が続出しました。今ではこの売り方がココの売り物とみんなわかっているからすっかりサプライズではなくなった。なくなったけど、その売り方をひたすらずっと続ける姿勢。
それになにより魚ひとつひとつがおいしく、状態いいことにたのんでよかった…、って思えるコトにみんな納得しているのでしょう。ほとんどすべてのテーブルに刺し身が置かれているのがスゴい。正真正銘名物料理…、ってことなんでしょう。感心します。

他に料理を3つたのんだ。ひとつは青海苔豆腐。熱々に温めた豆腐の上にポッテリとした青海苔のあんをたっぷりかけて一緒に味わう。海苔の香りがフワリただよい、美味しくないはずがない料理。ただちょっと塩味が強いですか…、生海苔自体が塩をもっててそれをコントロールできなかったのかもしれない。でもそれがお酒をねだる味わいだったりして、まぁ、これはこれ。
揚げ出し豆腐と揚げたイワシを甘辛味に煮付けたもの。これまた旨い。
千切りにしたじゃがいもを炒めて明太子であえた料理は、歯ごたえシャキシャキする以外は明太子のパスタのようで危険なほどにおいしい一品。お腹にほどよく溜まってうまい…、今度は3人、4人で訪れていろんな種類の料理を食べてみたいモノって思ったりした。悪くない。

 

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コメント

  1. タカハシケムヂ

    魚金さん、最近は少し落ち着いてきて、予約せずとも入れるようになったのは有難いですね。

    何か因果関係があるのか分かりませんが、ポテサラのうまい海鮮居酒屋にはハズレが少ないような気がします。
    気がするだけかもしれませんが(笑

    青海苔豆腐ですが、お刺身の生ウニを乗っけて頂くと塩辛さも緩和して丁度いい感じになります。
    また機会がありましたらお試し下さい…

    • サカキシンイチロウ

      タカハシケムヂさん
      落ち着いたとは言え相変わらず人気があるようで、特に給料日後の平日夜はかなりの混雑。そういうバイオリズムがある店が最近すくなったような気もします。
      たしかにポテトサラダがおいしい居酒屋にいい居酒屋が多いと思います。特にもつ焼系、串焼き系のお店でポテトサラダがおいしいと、おおっ、と思いますね。

  2. ボルテイモアのおかず

    タカハシケムジさん、サカキさん、横から失礼します。面白いですね!どうしてでしょうか?良かったらお考え教えて下さい。

    • サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      それは、「ポテトサラダがおいしい居酒屋はいい店かもしれない」というコトでしょうか。
      理由はこれといって思い当たらないのですが、ポテトサラダを仕入れず、自店で料理にする心意気とでもいいますか。
      贅沢とはいえない素材を大切にする気持ちとでもいいますか、「料理に対する姿勢とおいしさの基準がしっかりしている」ひとつの指標としてポテトサラダのような料理をあげることができるんじゃないかと思うのです。

  3. ボルテイモアのおかず

    サカキさん、お返事ありがとうございます。やっぱりプロの方でも、余分に気を使っている指標、という事なんですね。
    私のポテトサラダは味が決まらないか、塩の入れすぎでしょっぱいか、のどちらかなんです。(じゃがいもはご飯の代わりに主食として食べてもらうので)余った1,2個を、調味料も計らずに適当に作るので—(まずいなあ)

    • サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      ご飯は余計な味がついていないからいくらでも食べられるし、あきないですむ。それとボルティモアのおかずさんちのポテトサラダは同じ位置づけなんでしょうね。
      茹でたじゃがいもをあら目にマッシュして、ちょっとだけバターを混ぜると、いくらだって食べられちゃってこわくなります(笑)。

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