料理も組織もさめるとマズイ

午前と午後に勉強会。勉強会の合間に試作。それから試食と盛りだくさん。
まもなく始まる創業祭の目玉商品のカニのコース、5,000円。いつもは3,000円以下で提供できる季節のランチ料理を見るのだけれど、さすがに5,000円となると贅沢。2,000円という価値の力をまざまざと見る。
高価な料理は売れるかどうか心配になる。だから売りやすい値段の料理をみんな必死に作るけど、納得のいく料理を作ってその価値、そのおいしさを丁寧に伝えることができれば絶対売れる商品になる。カニの天ぷら、ステーキ、刺身。コーンバターの釜飯に野菜とカニの蒸し物、あるいは鍋がズラリと並ぶ景色に、これは売れるに違いない…、って感心します。勉強です。

ついでに同じ会社が経営する「牛源」という焼肉の店でランチを食べる。
三点盛りの焼肉に、サラダに小鉢、ご飯と選べる食事。
デザートまでつき1280円というココのランチの主力メニュー。
刻んで揚げたワンタンの皮がたっぷりかかって、パリパリ食感おいしいサラダ。
今日の小鉢は甘く似たかぼちゃ。

肉の三点盛りは豚の三枚肉に鶏の味噌和え、タレカルビという組み合わせ。炭をおこして網を置き、そこで焼けるというのがたのしい。
焼肉の店に来たらやっぱり焼きたいものネ。沢山焼くと値段がはるから、メインは麺やビビンパになる。でもちょっとだけでもいいから焼けると、あぁ、焼肉屋でランチを食べた…、って気持ちになれる。

その分、掃除もしなくちゃいけない。
網の交換は当然のコト。ロースターの周りであったりテーブル周りを一回、一回キレイにしないといけない手間を考え昼は焼かせぬ店があったりするけど、やっぱり焼いてこその焼肉。

焼いてはご飯の上にのっける。
塩ダレでこんがり焼いた豚バラ肉は、脂がシュワシュワ沸騰しながらご飯の上にのっかって、ご飯を濡らしておいしくさせる。
薄切り肉でご飯をくるんで食べるおいしさ…、格別の味。
鶏はふっくら、カルビはネットリ、脂もおいしくご飯がすすむオゴチソウ。

選べる食事は8種類。ビビンパあったり、石焼炒飯。ラーメン、石焼うどんなどなど多彩なメニューで、なかでも人気があるのがラーメン。焼肉用についてくるご飯に一番合うのはやっぱりラーメンだからというコトもあるのでしょうね…、豚骨系でおいしんだけど、今日はさっぱりと冷麺にする。

盛岡風の冷麺で、スープは甘め。牛骨系のどっしりとした旨味と甘みにキムチの酸味がからでおじがととのっている。麺はムチムチ、若干粘り気もった食感でいつ噛み切ろうか迷うところがまたたのしい。
上にゆで豚、青菜のナムルに刻んだキムチ。トマトに半分ゆで卵。黄身をとりだしレンゲにのせて、スープを混ぜてといていく。黄身をスープで溶いて混ぜるとスープ自体にコクと旨みが混じって旨い。韓国の人に教えてもらった食べ方で、ついでに焼いたカルビをジュッとスープに浸して麺と一緒に食べると旨い。肉の脂がスープに溶け出しどっしりとした風味が生まれてゴクゴク飲める。

プリンで〆て堪能します。

それにしても最近、飲食店の最大の関心事と言えば働く人の問題。
募集、採用にコストと手間をかけてもなかなか働く人が集まらない。
外食産業自体が働く業界として魅力をなくしはじめている今という時代。
「採用上手」であるよりも「人をやめさせぬ魅力」があることが、よい飲食店の条件になりはじめてる。

経済的な環境や、快適な職場作りも重要だけど、人と人との付き合いを丁寧にするということがもっと大切。
「言って聞かせる」上下関係から「聞いて答える」人間関係に、組織の有り様は変わり始めているのでしょうね。

肩書と役割分担は一度作ったら容易に壊れるものじゃない。
けれど人間関係はこころがけて丁寧にメンテナンスし続けないと壊れてしまう脆いモノ。人と人との関係が冷めてしまうとポキっと折れる。いかにあったかで、人間味あふれる職場作りをするかが大切…、と、それが今日の勉強会の骨子でござった。がんばろう。

 

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コメント

  1. RHEIA

    やっと組織のあるべき形になってきたか……記事を読んで、そう思いました。
    私は職場の中で、お茶をいれたりお菓子を差し入れたりというのが好きなのですね。理由は簡単、楽しいから。たかがコーヒー1杯を、いれてあげたりいれてもらったりする事で、仕事中の気持ちはかなりほぐれる。作業効率もあがります。
    これを誰かの「仕事」とするから嫌われる。ボランティアは好意でするものであって、強制するものじゃない。

    これまでの日本の職場には、こういう要素が足りなかったんだと思うのですね。いくら効率を追求しても、結局人間はゆとりがないと生きていけない生き物。機械にはなれないのです。
    考えてみれば、職場に優しくされてない従業員が、お客様に優しいサービスができるのか?

    これからは、アナログな人との触れ合いがビジネスチャンスになるのでは……と勝手に思っています。チェーンがすたれて、いつでも同じ店長さんに会える個人店全盛の時代が来るかもしれない……
    いろいろ見直す機会が近づいているのかも知れませんね。

    • サカキシンイチロウ

      RHEIAさん
      人を便利に使って仕事の効率を上げる手段として組織を作り、運営する。
      そんな時代はもう終わらなくちゃいけないと思います。
      無駄を追求しすぎると、最後には誰もいらなくなってしまう。そうなったときに、そうか、本当にいらなかったのは社長だったり上司だったりだったのかなぁ…、と、思ったときにはもう手遅れ。
      そんな会社、組織がたくさんあるようにも思います。

  2. kiko

    サカキさん
    夫は製造業の会社を経営していますが、まさしく同じ問題を抱えています。
    人が辞める、募集しても応募者がいない。
    法律や規則はきっちり守りますが、同時に融通が利かなくなったり、個人の働く意義も価値観もさまざまで、一難去ってはまた一難です。笑
    結局行き着いたところは、いかに魅力ある会社にするかでした。何か問題が発生する時はたいがいがコミュニケーション不足が原因であったりします。
    飲食に関する話でなくてすみません。

  3. サカキシンイチロウ

    Kikoさん
    飲食店は特別な産業。他の産業とは労働環境は違うから…、という勝手な思い込みが甘えになってしまっているような気もします。
    製造業もそうなんですね…。
    同じ日本人だから分かり合えているという甘えは産業だけでなく、人と人との付き合いの中にも潜んでいるようにも思います。
    説明をしつくす。話を聞く。そこからコミュニケーションをすすめていかないと駄目なんですネ。心がけたいです。

  4. しめさば

    事務オフィスでも、医療の現場でも状況は同じです。程度の差はあるかもしれませんが、日本社会全体の問題ということなのでしょうか。よく、そうそう、うちも!と思いながら拝読しています。

    • サカキシンイチロウ

      しめさばさん
      日本中がそうなんだろうなぁ…、とボクも思います。
      日本人は、工夫が上手で手先が器用。値上げすることが下手くそで、だから必死で無理しちゃうんでしょうネ。そしてしわ寄せが働く人たちに押し寄せる。
      もう無理をしないで自然体。できることしかできないと言う勇気が必要な時期なんだろうと思います。

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