揚子江の焼きそば、ミロンガ・ヌオーバでモカマタリ

おいしい焼きそばを食べたいなぁ…、と思って、ふと揚子江菜館を思い出した。
神保町の商店街にある冷やし中華で有名な店。
冷やし中華の発祥をなのるお店がいくつかあって、ここは冷やし中華を「富士山にみたてて盛り付けた」はじまりの店…、って言われてる。
かつては「五色涼拌麺」と名付けられてて、名前の由来は富士山の四季と山頂にかかる雲にちなんでということらしい。春を表す土が叉焼、夏の緑をキュウリに託し秋の落ち葉をタケノコで、細切りの寒天が雪を表す。錦糸卵が山頂の雲、タレは富士五湖なんだという話。ロマンティックが止まらない。

今日はここの上海式肉焼きそばが目当の一品。
極細の玉子麺をパリパリになるまで焼いて仕上げるもので、手がかかってる。
麺を蒸す。
蒸しあがったら水で洗ってぬめりをとって一晩休ます。
調味料を混ぜ込んで炒めて再び休ませて、注文が入ったら強く炒めて焦げ目をつけて出来上がり。

もやし、玉ねぎ、木耳、豚肉と炒め野菜がたっぷりのっかり、かなりのボリューム。味付けは塩と旨味スープがメインで野菜や肉の持ち味、風味を後押しするような絶妙さ。まずは肉と野菜の炒め部をシャキシャキひたすら食べていく。

ときおり麺が混じりはするけど、麺は最後にそれだけひたすら食べたくてまず具だけ。野菜の炒め具合がしっかりしていて、みずみずしいのにシャキシャキ、しっかり熱が入って焼き切れている。玉ねぎの甘味やもやしが焦げた香りに酔うよう。そして麺。
バッサリとした歯切れ感。若干乾いて感じます。噛むとふかっと奥歯を鎮めるような食感。噛めば噛むほど麺の中から旨味や小麦の風味がでてくる。練った芥子をのせて食べると、ツーンっと鼻から香りが抜けて辛さが甘味に変わってく。これがプロの仕事なんだな…、とくるたびしみじみ感心します。
ランチのサービス、焼売が二個。細長い瓢箪状に仕上がっていて、刻んだネギと豚挽肉がざくっと歯切れてとろけてく。
食べ終えながらまた食べたいなぁ…、って思って気持ちが満たされる。

 

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満たされついでにコーヒーを飲む。
神保町の猫の道みたいな細い路地に面したミロンガヌーバにくる。
入り口脇にメニューがあって、あるのは前から気付いてたんだけど見ることもなくいつもブレンドかウィンナコーヒーをたのんでた。
今日はじっくり見てみるとモカマタリってのがあって、コーヒールンバを思い出す。
お店に入ってテーブルにつき、何にしましょうというから思わずコーヒールンバって言ってしまった。お店の人がクスッと笑って、「モカマタリでよろしいですか?」って応える素敵。
大きなスピーカーから流れてくるバンドネオンのタンゴの調べ。ルンバじゃないけどこれもよし。酸味おだやかで甘味も控えめ。とても上等な苦味が口に広がって、しびれるような香りいっぱいの琥珀色した飲み物にウットリしました。若い娘に恋しなきゃ(笑)。

 

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コメント

  1. りす

    冬になると神保町の中華の油が恋しくなります。

    油をコーヒーで流すのもいいですね。

    • サカキシンイチロウ

      りすさん
      神保町は個性的な中国料理店の宝庫ですネ。新世界菜館のお粥も恋しくなってきます。

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