岐阜の近どう、初秋のお昼

kondo岐阜で仕事の合間にランチ。
「近どう」という和食のお店でゆったりと。
岐阜の郊外にある小体な店で、今まで何度かやってきている。
同じ調理人が作る料理。
にもかかわらず、来るたびあらたな発見があり、とは言えこの店らしさも感じる。
たのしいお店。
いつも同じ個室をもらう。
小さな窓から庭を眺める畳を敷いたテーブル個室で、その庭の景色であったり床の間に飾られた花、そして掛け軸も季節に合わせてかわってく。しつらえを変えてお客様をもてなすステキも、またステキ。
ご婦人方が続々お店にやってきてとてもニギヤカ。
テーブル席やカウンター席と使い勝手の異なる席が揃えられているのもいいのでしょうネ…、次に来たらあそこの席に座りたい…、って思わせるのもお店を繁盛させる工夫のひとつでござる。

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昼のお任せコースをたのむ。
丸いお盆に四角い器。笹の葉っぱを従えて、蓋付き、そして二段重ねという入念。器の蓋をとるたのしみは日本料理ならではのステキなもてなし。
一段目には刺身の盛り合わせ、二段目には冷たい豆腐のあんかけが。刺身は鯛と本マグロの赤身で食感、味わい異なる海の美味。豆腐あんかけのあんの中には固く茹でた枝豆が、ホツホツ、季節の彩り、食感そえておいしい。

kon owankon manju二品目にはお椀がきます。
これまた蓋した塗りのお碗で、蓋をとるときのワクワク感。
蓋をとった瞬間、黒いお碗の中に広がる景色。
中からふわりと漂ってくるおいしい香りにウットリします。

ふっくらとした海老真丈。
四角く作って出汁の中にそっと置く。
真丈の上にはしいたけ、ニンジン、ゆずの皮。初秋の景色をあしらって、汁にはジュンサイが浮かんでる。
ふわりと舌で崩れる真丈。
ムチュンと歯切れる椎茸に、スルンと口を滑って逃げまわる生のジュンサイと食感にぎやか。
力強い出汁の風味と一緒にお腹がやさしくあっためる。

それからココのスペシャリテ。かぼちゃまんじゅうのあんかけがくる。
小さな器。タジン鍋の蓋のようなこんもりとした蓋をとる。中には黄色いまんじゅうとあんがタップリかかってる。
かぼちゃを蒸して裏ごしし屑でまとめてまんじゅうにする。中にはたっぷりカニのほぐし身。それそのもので甘くてカニの旨みがおいしく、ポッテリとあんと一緒に食べるとなんともなめらか。ウットリします。
来るたび食べて、それでも飽きぬ、こういう料理をひとつでも持ってるお店ってシアワセだなぁ。だってこの店を思い浮かべるたびこの料理を思い出してお腹がなるもの。今日も堪能。ありがたし。

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箱の器の中にギッシリ、季節の料理が詰まったメイン。ガラスの器にもずくのおひたし。てっきり酸っぱいのかと思ったら出汁で味わう趣向の料理で、夏も終わりになったんだなぁ…、とやさしい味にはっとする。
つぶ貝を叩いてアクラと合わせた料理に煮込んだ冬瓜。焼いた茄子とイチヂクの胡麻和え、卯の花。この卯の花がすっぽんの出汁で作ったもので、トロン、ネットリ、滋養に満ちたおいしい仕上がり。
サワラの焼いたん、茄子の味噌焼き、卵焼き。ミョウガは喜美寿司仕立てとどれもが手間のかかった見事な出来栄え。
ご飯に汁のお供にしつつ、お腹満たして食後の甘味で蓋をする。午後の仕事の励みとしました…、オゴチソウ。

 

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コメント

  1. かにっこ

    こんちは。私、岐阜県在住のものデス。時々岐阜県にいらっしゃるトキ、岐阜を紹介してくださり嬉しく拝見してマス。岐阜ゎ海のないところですが、川の魚、山の幸が豊富な所デス。次回も、いらっしゃるトキに岐阜をゆっくり堪能シテ下サイ。

    • サカキシンイチロウ

      かにっこさん
      中京地区にあって、ボクは名古屋より岐阜の食文化が豊かでステキと思います。
      山の恵みは当然ながら、入手するのに苦労する海の恵みだからこそ、丁寧においしく料理に仕上げていく、情熱、工夫がとても好き。
      はじめまして。
      コメントありがとうございます。また来月伺うのがたのしくてしょうがなくなりました。

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