岐阜で焼肉、桔梗苑

kikyokikyo kitchen岐阜で夕食。
ここしばらくお魚続きで、だから肉にしましょうと、それで焼肉。
桔梗苑というお店を選ぶ。
住宅街の中。
大きな通りから奥へ奥へと入っていった先にある。
おそらく民家を改装して作ったであろうお店で、靴脱ぎ。板間の床がピカピカで、すべてにおいて魂のこもったお店。

数回来たことがあるけれど、来るたび感心。こういうお店が東京にもあるといいなぁ…、ってしみじみ思うオキニイリ。
サービスがステキなのです。
作業確実な女性スタッフ。みんな同じ髪型、同じ装い。全盛期のロイヤルホストのウェイトレスのような風情がある上に、サービス終えるとニッコリ笑う。
しかもお客様、ひとりひとりの目を見てニッコリ。決して作業が流れないメリハリのあるサービスに、気持ちが伝わる感じがします。

しかも今日は、運のいいことに厨房の真ん前の席。ちょっと距離はあるから手元を見ることまではできないけれど、ピカピカ輝く磨き上げられた厨房の様子をみながらの食事はたのしい。比較的早い時間にもうニギヤカで、しかも若い人たち、おじさんグループ、ファミリー客と老若男女が集まる景色。
平日なのにみんなの表情おだやかで、生活圏が小さい地方都市ならでは豊かを感じる。羨ましい。

kikyo senmaiココにはじめてきたときに感心したのがセンマイでした。
センマイと言えば、灰色がかった色したビロビロ。
それに酸っぱく辛い味噌をからめて食べるというのが一般的で、あんまりボクは好きじゃない。
見た目がうつくしくない料理って、ワザワザ食べてみたいと思えず、敢えて注文するようなこともほとんどなかった。

ところがここのは白いのですね。
キレイに掃除をしているから。
黒い部分を丁寧にとり、それを千切り。味噌ではなくて、塩とごま油で和えて仕上げるという贅沢なモノ。
こんもりお皿に盛りつけられてて、ネギが少量混じっているだけ。
食べるとザクザク歯切れがよくて、噛んでるうちにクニュクニュとした食感と胡麻の匂いで口がスッキリ、不思議なほどにさっぱりしてくる。これだけ食べに来ても十分、元が取れるに違いないって思ったりする。堪能します。

kikyo gtankikyo roasterタンを焼きます。
分厚いタン。
しかもずらりとかなり大量。その大量のタンの色や、脂や筋の入り方がどれも一定。ウットリします。

焼台が変わってて、ガスの四角いロースター。網ではなくて鉄板で、しかも最近流行りの炭ではなくガスという。
実はこの焼き方が焼肉を一番おいしくたのしめる方法じゃないかとボクは思ってる。炭の香りでごまかさず、肉の脂やタレがおいしく感じるのです。ロースターの横に竹を斜めに切ったような形状の筒が三本。そこから煙を吸い込んでいく。かなり強力。写真にとっても煙の筋が写ってくれてビックリします。

ザクッと歯切れるタンの食感たのしくて、搾ったレモンや塩ダレが用意されてはいるのだけれど、何も漬けずに十分旨い。口の中がおいしいジュースでみたされるのにウットリしながら、焼き、味わった。

kikyo naizokikyo saladそれから続けてホルモン類。
ミノの厚さと見事な形。
どれもが同じ長方形に切り分けられてて、こういう形にできるということは、すなわちこの形になってくれる場所だけ使っているということになる。なんと贅沢。
しかも細かく包丁を入れ、焼いてもあまりよじれず長方形の形のままに焼けていく。
スゴい手仕事。感心します。

ハツはふっくら。焼いても固くならずふっかりとした食感のまま仕上がって、噛むとプルンと肉汁混じりの組織が潰れる。レバーのような風味もあって、けれどレバーのように生々しくない。テッチャンはこんがり焼いて表面ガリガリ、噛めば噛むほど味が滲んでおいしくなってく不思議な食感。

サニーレタスときゅうりのサラダは、塩と油と牛骨スープ。モサモサしていて、レタスのような潰れ感がないのがむしろ、焼肉の合間に食べるのにいいかもしれない。きゅうりスライスの薄さであったり、ほんの少々混じった生のニンニクの辛味がたのしいアクセント。

kikyo nikukikyo wineカルビとハラミ。どちらも形がうつくしい。
ココの焼肉はホルモンであろうが肉であろうが、長方形の形にできるものはみんな長方形。
しかもほとんど同じ大きさ、長さに幅。
聞けば厨房のまな板の上にはものさしがあり、それで図りながら切り分けるという。
熟練すればものさしなくても同じ大きさにできるんだろうけど、それでも必ずものさしみながら作業をするというのです。
うつくしいということは、おいしいことの入り口なんだ…、ってウットリします。

カルビの脂はひんやり唇ぬらしつつ、トロリと溶ける。甘くてしかも旨みがずっと後を引く。
一方ハラミ。ガラスに罅が入ったようにサシが見事に入ってて、一口食べて飛び上がる。甘めのタレが脂と混じってガリッと焦げて香ばしくなり、あぁ、おいしいなぁ…、肉ってやっぱり旨いだって気持ち豊かになっていく。

kikyo reimenkikyo rei menたのしい夜にいたしましょうと、ワインを飲んだ。

手軽なものから高いものまでクセはあるけど充実しているワインリストの中から案外手軽なワイン。
それほど高いワインじゃないのに、デカンタ用のガラスの器に移して恭しくもやってくるのです。
これもひとつのおもてなし。

冷麺を食べて〆にしました。
ハーフ冷麺。韓国風ではなく盛岡風。太くて透き通ったじゃがいも麺を固く茹で、牛骨スープをキリッとひやしてたっぷりかける。具材はキムチに牛すじ煮込み。きゅうりの酢漬けにリンゴに固茹で茹で卵。お酢が一緒についてくるけど、スープ自体が濃厚で軽い酸味を帯びている。キムチやきゅうりの酸味がかなりしっかりしてて、よくかき混ぜると味がほどよく整えていく。
スープがドッシリ、甘くて旨い。玉子の黄身をスープに溶いて食べるとコクがでるのです。できればココにカルビを焦がして入れるとおいしんだよ…、って韓国の人に教えてもらったコトをちょっと思い出す。
ゴクゴクスープを全部飲み干し、今日のお腹をしっかり満たす。明日は早起き、ガンバロウ。

 

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