小山のホームのきそばの生そば

下館の町でお仕事。思いがけずも話がたのしく盛り上がり、いつもの時間の電車を逃す。
お暇しがたく、せっかくだからそのまま仕事。それですっかり遅くなる。
電車に乗って日が落ちとっぷり暗くなってしまった田んぼの真ん中突っ切りガタゴト小山駅。
通学、通勤の人たちでにぎわう在来線ののぼりホームのいつものお店。
「きそば」っていう名前の立ち食いそばのお店で軽く腹ごしらえ。

小腹すく時間帯ということもある。
でもそれ以上にブルッと寒い冬の夕方。何かあったかいものを体が自然と所望する。
そんなときにホームの真ん中に置かれた明るい箱から、湯気がもうもう上がっているのが目に入る。湯気が手招きしているように見えるのですネ。
おいしい蕎麦が待ってるよ…、って言ってるようなその場所だけが温度がポワンと高く感じる。
お腹もぐーっとなろうものであります。だからかいつも以上にお店の前はにぎわっていて、券売機の前に小さな行列できてた。ボクも並んで食券を買う。

いつもはおばさんがニコニコしながらそばを作ってる。
今日は背筋の伸びたおじさんが、真剣な顔してちゃっちゃと麺を湯切りしている。蒸気で包まれた熱々の麺を丼に入れ、柄杓でツユを蒸気と一緒に注いで「どうぞ」と差し出す。
喉がなる。

コロッケそばに岩下の新生姜をトッピングした今日のそば。
新生姜を作っている岩下食品は栃木の会社。その縁あっての商品で、夏だけ限定で登場したのにいつの間にかすっかり定番。グラム単位で値段がついてて、好きな分だけのせられる…、というのもたのしい。いただきます。
バッサリとした歯切れ感のよいそばで、スルンと喉の奥へと流れ込んでいく。食感なめらか。しかも汁をたっぷり吸い寄せ、口の中を潤していく。

コロッケをまず半分にパカっと箸で割って切り分け、一口パクリ。
カサカサとした揚がったパン粉が前歯をくすぐる。油の風味と芋のとろける感じがおいしい。それをしばらく汁の中でほったらかすと、どんどんパン粉が汁を吸い込みぽってり膨らむ。カサカサ感は損なわれるけど、汁の旨味がコロッケの塩の味とか油の甘みを引き立てて別の料理にしていくのです。汁ダクの肉じゃが食べてるみたいな感じといえばいいかなぁ…、とにかくおいしい。
新生姜はザクザク歯切れる。酸味が汁に溶け出して、さっぱり味にしてくれるうえ、生姜の辛味がビリビリと舌を刺激して食欲となる。お腹があったか、気持ちもおいしく満たされた。

 

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