寒河江に東根、松茸ご飯に餅にそば

山形の寒河江市に人気の料亭がある…、というので訪ねる。
田んぼと住宅が入り交じる場所。しかも表通りから入った目立たぬ場所にある。
庭に数寄屋造りの建物。個室の座敷が中庭を囲むように配されている。店の名前は「東門(ひがしもん)」。
完全予約。
料理も予約の際にお願いしておく。基本、一つの座敷はみんな同じ料理でとかなり強気の営業ポリシー。でも予約がとれないほどに人気なんだというのです。今日もボクらの隣の座敷はマダムたちでニギヤカで、反対側は会社関係の会食でした。料理をたのしむというよりも、非日常的な空間と心地よい緊張感の中で「料理がある時間」をたのしむことを憧れる人が沢山いるってことなんでしょう…、オモシロイ。

座敷に入るとテーブルの上には釜がおかれて火にくべられる。丸い竹籠の中に料理が並んで最初に置かれる。魚の焼いたの、あるいは煮付け。野菜の料理に茶碗蒸し。それからグラタンと味わいさまざま。
釜から蒸気がシュッシュと噴き出す。松茸ご飯でだから出汁と松茸のおいしい香りが漂ってくる。釜の縁にはご飯のでんぷん質が貼り付き固まり、おいしいご飯になってくれそうな予感がしてくる。
刺身に汁が運ばれてきた頃には松茸ご飯が炊きあがる。小さなお釜。おこげがキレイについていて、茶碗ちょうど一杯分の秋のご飯にニッコリします。オゴチソウ。

 

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それから「葵」というお食事処。
寒河江の隣町、さくらんぼ東根という街の小さなお店。看板に「もち・肉そば・ラーメン」と書かれてあって、その組み合わせに地方独特の文化を感じる。
蕎麦なのに鳥チャーシューと鶏からとったスープを足して仕立てる料理。鶏の脂の風味がカツオの出汁に混じって独特な力強い風味を作る。にもかかわらず蕎麦の風味がしっかりしててスープに負けない。
そのカツオと鶏の混じったスープに中華麺をいれた料理が「鶏中華」。世界初の「ぬるいチキンラーメン」っていうのがあってたのむと、麺もスープも絶妙にぬるい。同じ山形の新庄にいくと、冷たくしめた麺に熱いスープをかけたぬるいラーメンがあるけれど、それとは違ってすべてがぬるいというのにびっくり。麺のヌメッとした食感がずっと持続してオキニイリ。

年中、もちを食べるのがこの地方の文化のひとつ。餅そのものがまずは独特。
丸いボール状に仕上げて茹でる。これも鶏とかつおのスープを使って、具材は最小限。ほぼ餅だけというシンプルさ。
スベスベしていて団子のようか最初は思う。ところが奥歯でとろけてねっとりするのは確かに餅で、米どころならではのゴチソウ感にニッコリします。このもちを蕎麦にうかべた力そばも人気だという。しかも普通はもちが3個。ところが10個も入れて食べる人もいるんだという。どれだけもちが好きなんだろう…。
胡麻にずんだにあんこに納豆。もちが旨いからスルスルお腹に入っていくのが危険なゴチソウ。ちなみにボクらが餅をみんな食べちゃったから売り切れじまいになっちゃいました。堪能す。

 

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