安芸路酔心で牡蠣三昧

セプテンバーになって二度目の土曜日の今日。
「R」の付く月となれば牡蠣を食べたいなぁ…、とそれで新宿の安芸路酔心にやってくる。
広島に本店のある瀬戸内料理の専門店。
広島といえば日本最大の牡蠣の生産地。全出荷量の65%近くが広島産。2位は東北の宮城だけれど3位が岡山、4位が兵庫。つまり瀬戸内海の北側は押しも押されぬ牡蠣の国というコトになる。瀬戸内に住んでた頃にはまるで意識をしなかったのが不思議なくらい。
ひさしぶりに来てメニュー看板を見てみると見事に牡蠣推し。もうひとつの名物の「小イワシ丼の入荷は本日ございません」という札に、小イワシの旬は確か初夏だからなぁ…、あの小イワシ丼と牡蠣を一緒に食べることができたらどれだけ幸せだろうって思ったりもする。

分厚いタオル生地のおしぼり。和服を召したご婦人方のしっとりとしたサービスもまたオキニイリ。牡蠣の料理をいくつかたのむ。
まずは穴子と牡蠣の酢めし丼。錦糸卵とガリをたっぷりのっけたところにパリッとやいてタレを絡めた穴子と蒸した牡蠣を並べて味わう。どちらも瀬戸内のおいしい海の幸。穴子はねっとり、牡蠣はポッテリ。どちらも食感力強くて命を食べてる実感が湧く。
酢めしは甘みが控えめで、スキッと柑橘系の酸味が穴子や牡蠣の味わい、おいしさひきたてる。茶碗蒸しに小鉢がついてひと揃え。茶碗蒸しの中には甘く煮付けた椎茸に銀杏、三つ葉に白身魚が入ってる。

牡蠣といえば牡蠣フライ。
ココの牡蠣フライは昔からずっと変わらず5貫付け。
お皿の上に岩塩の粒。そのキラキラの上に牡蠣の殻をおきそれを器に一個づつ。
普通のパン粉。青海苔を混ぜたパン粉に胡麻パン粉と風味違いが味わえる。
タルタルソースと中濃ソースがついてくる。
牡蠣のぷっくら、太ってとてもみずみずしくてカラッと揚がったパン粉衣がその牡蠣のふっくらとした食感ひきたて海のジュースがジュワリとにじむ。パン粉衣の中でまるで蒸されたような牡蠣のおいしさ。堪能します。

牡蠣フライにはご飯に赤出汁。小鉢は揚げ茄子に赤味噌ダレをかけたもの。関西にあって赤味噌というのは、おそらく牡蠣にあるのが赤味噌だから。千切りキャベツに昆布の佃煮、キュウリの柴漬け。出汁をひいたあとの昆布を甘辛に煮付けて食べる…、食材を決して無駄にはしない、こういう手間をかけるお店がボクは好き。ご飯はちょっと固めに炊けてるところもウレシイ。

今の季節の一番人気が、実は牡蠣の鉄板焼き。
…、というのでたのんだ。
お店の中を見れば客層はシニアな感じ。
だから揚げ物よりも、体にやさしい焼き物を…、というコトなんでしょう。
それに牡蠣フライを売ってるお店は結構ある。
同じ牡蠣でも調理方法を変えるとまるで違った料理になってくれるから、あまり食べないものを試してみようという気持ちも働くのかもしれない。
ボクも、どんな料理なんだろう…、ってドキドキしながらたのんで、ワクワクしながら待ってそれでやってきた料理にニッコリ。

四角い鉄板に牡蠣にエビ、小イワシ、タコにじゃがいもにカブ。しし唐一本、彩り添える。茶碗蒸しに昆布の佃煮、赤出汁、小鉢でひと揃え。
バチバチ、鉄板の上で油が爆ぜる音。
料理ひとつひとつは鉄板の上で焼かれたのじゃなくあらかじめ別の鍋でこんがり焼かれて、それぞれキレイに焼き目がついてる。エビの頭や尻尾がパリパリ、揚がったように仕上がってるおとに、あぁ、丁寧だ…、ってウットリします。

牡蠣は表面に粉をはたいて焼いている。表面パリッと、牡蠣の芯の部分はふっくら、やわらか、とてもジューシー。焼いてる途中で滲み出してきて牡蠣のジュースが衣に染み込み、それがこんがり焼けてパリパリ。生の牡蠣より旨みが強く、牡蠣フライよりそのまま牡蠣の旨み、食感味わえる。
サラサラとした赤味噌ソースが添えられていて、注ぐとシュワシュワ、鉄板の上で焦げ、香ばしい。
焼けた小イワシがムッチリおいしく、タコはクニュクニュ。幾つか添えられた吸盤がカリカリ、奥歯で砕ける感じもオゴチソウ。甘いじゃがいもはしっとり、ホクホク。口いっぱいに秋が広がる。満たされる。

 

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