太く長くと宮川本廛、鰻の御膳

ちょっと鼻がグズグズしました。
友人がインフルエンザになったというが心理的なきっかけか、ブルブルするような感じさえありなんだか元気がでそうな料理を…、と。
それで鰻にすることにした。
新宿伊勢丹の食堂街。
どこにしようかちょっと迷った。まだ開店前にきたらいつもは長い行列のイタリア料理のアジオに6人ほどしか並んでいない。
ひさしぶりにいいかなぁ…、と思いはしたけどメニューをみるとここ20年、まるえ変わり映えのない内容であっさりスキップ。
いつもならば天一で天丼を選ぶのだろうけど、天ぷらをあまり食べたいと思えぬ体調。
それで鰻の宮川本廛にやってきた。

お店の前の椅子に座ってまっていたら、ニコニコしながらお店の人がやってきてメニューをどうぞと、なんともほがらか。しばらく悩んで注文きまり、決まった料理の名前を告げる。これから全速力でお作りしますから…、って行ってくれたのが開店5分前のコト。
開店と同時に一番奥の大きなテーブルに案内される。
それから続々お客様。感心するのがそれぞれのお客様を大きな店舗のそれぞれ隅の席へと案内していくのです。隅の席は落ち着く席。しかも互いが離れているからプライバシーを感じることができるのですネ。でもサービスするのは面倒くさい。人手と手間がかかるからお客様思いじゃない店はまとめて座らせようとするのです。だからこういうお店はいまどき珍しい…、いいなと思った。

うな重がメインの定食を選んでたのむ。お重の蓋をとると中からフワッとおいしい鰻の焼けた匂いがやってくる。お腹がグーッとなる音がする。

定食には小鉢。お刺身、肝吸い、漬物がついてくる。
小鉢は野菜の煮物で、たけのこ、かぼちゃ、ニンジン、絹さや、こんにゃく、生麩。
関東風に醤油ばっちり、砂糖多めで甘辛の味。蒲焼きの力強い味に負けぬ味わい。ご飯がすすむ。
刺身は鯛にカンパチ、中トロとどれも上等。
特に中トロのネットリとした脂の食感。舌の上にしばらく置くと、トロンととろけてゆっくり旨みが滲み出す。
かなり多めにワサビをのせるも、ワサビの辛さを感じぬほどに脂が強い。脂の旨みがワサビを甘く変えてくれるのもまたオゴチソウ。
漬物は4種盛り合わせというのがなんだかウレシイ。
大根の浅漬けに塩もみキュウリ。キャベツとキュウリの漬物に奈良漬という4点で、キュウリや大根は鰻の脂で疲れた舌をリセットさせて、奈良漬の香りやカリカリとした歯ごたえが鰻の食感、味を引き立ておいしくさせる。

蒸して仕上げる関東風の鰻で、けれどボロボロになってしまうほどの深蒸しじゃない。
しっとり、ふっくら、皮目はパリッと焼けていてほどよき歯ごたえが残っているのがなかなかに良い。
ご飯は固め。
タレはスッキリとした醤油が主役の風味豊かな味わいで必要ならば…、と小さなポットにタップリ入ってやってくる。鰻の脂が移ったご飯のすべすべとしておいしいコト。
一緒にうざく、それからう巻でひと揃え。
キュウリの歯ざわり、適度な酸味、それと鰻が一つになってさっぱりしてるのにどっしりでもあるうざくにウットリ。
ふっくらとした玉子の中に分厚い蒲焼き。タレをたっぷり注いでご飯と一緒にお腹におさめる。しっかりとした味わいの肝吸いもよし…、オゴチソウ。

 

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