大人が大人でいられる渋谷でステーキ食べる…。

渋谷のヒカリエの食堂フロア。随分、苦戦をしているようで休業中のお店がいくつか。すっかり撤退してしまい工事囲いがしばらく続いている場所もある。
開業当初から苦戦していたところにコロナ。
しかも駅周辺に新しいビルが次々できて、市場は大きくならないのに競合ばかりが激しくなるからしょうがないことだろうと思う。
テナントの入れ替わりも激しくてしばらく来ないと景色がマルっと変わっていたりするほど。そんな中でも開業当初から変わらずずっとやってるお店のひとつ。「シズルガズル」にやってくる。アメリカ料理のレストランで壁一面にカトリック調の絵、青いビロードの張り生地の椅子、重厚なテーブルと南カリフォルニアのメキシコ料理のお店みたいな雰囲気がオキニイリ。

ここではいつもステーキがメインのセットをたのむ。
スープにサラダ。
メインのステーキにトーストしたばかりのバゲット。
アイスストレートティーにデザートのアイスクリームでひと揃え。
今日のスープはカボチャのポタージュ。
自然な甘みとポッテリとしたのどごしにクリスピーな冷たいサラダでお腹の入り口がパカンと開く。

ちなみにこの店。
タナカくんとよく来た店です。
渋谷の夜に大人ムードで食事ができるレストランがあまりなくって、どこにしようかって悩むと結局、ここに来ていた。
この写真。
5年くらい前じゃないかなぁ…、ハロウィーンにどんなことをしようかとおおたうにちゃんと企んだときに撮った一枚。この店の一番奥に個室みたいななったテーブルがひとつあり、アメリカだったらマフィアが葉巻をくゆらせながらステーキ喰ってるにちがい無いよネ…、って言って笑った。なつかしい。

さて、メインのサーロインステーキ300gが到着します。

300gを大きく切るのか、分厚く切るのかでステーキの味、印象はまるで違って感じるものです。
ここはいつも分厚く切って焼いてくれる。
焼き加減はおまかせで…。
ナイフをあてるとザクッと切れて、断面は見事なロゼ色。
肉の状態は落ち着いていて、肉汁が肉の中に閉じ込められてて噛んではじめてほとばしり出る。
USビーフなんでしょう…、味はさっぱりしていて旨みは十分、けれどコクと酸味に欠ける。それを補うようにメンテルバターが添えられていて、バターのコクと風味で味が見事に整う。

酸味はタバスコで補ってやる。バターの脂にタバスコが混じると辛みはおだやかになり、酸味が旨みや風味をくっきりさせる。脂の後味もすっきりとして、300gがバクバクお腹に収まっていく。
ただここのフレンチフライがふかふかしんなりした仕上がりで、これがバリッと揚がっていれば完璧なのに…、って来るたび思う。
でも完璧な食べ物を食べたら目標をなくしてそのまま死んじゃうよ…、ってタナカくんから叱られそうで我慢する。
〆のアイスクリームはピスタチオフレーバーを選んで食べる。彼が好きだったフレーバー。シナモン味でボロボロ壊れるアメリカンビスケットがまたおいしくて、昼の気持ちが満たされる。

 

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コメント

  1. 多摩川より

    サカキさん、はじめまして。

    サカキさんは東急がお嫌いのように感じられますね…

    渋谷は東急の街ですね。

    • サカキシンイチロウ

      多摩川よりさん
      いえいえ、東急が嫌いなわけではありません。
      大学時代は東急東横線を使って通学しておりましたし、渋谷の街には随分お世話になりました。映画は東急系の映画館でみることが当たり前でしたし何しろハロウィンのときには東急系のホテルに泊まり渋谷で大騒ぎすることが恒例でもありました。
      しかも大学時代の同級生が東急不動産の取締役としてがんばっていたりします。
      東急がんばれ…、と応援する気持ちでもありますが、ただただこんな小さな街にこんなにたくさんの同じようなビルが出来てしまうことを憂いているだけ。
      わざわざ行きたい街かというとそうではないかなぁ…、と残念に思うだけです。

  2. あーた

    井の頭線ユーザーにとっては乗り換えがますます遠くなり、取り残されてる気がします(笑)。

    渋谷はここ数年縁がなく、何か食べようと思っても決まらず結局通過するだけになっておりましたが、フクラスができてからとある洋食屋さんに時々寄るようになっていました。
    ですが2ヶ月ほど前、注文した◯◯ライスのメインの具材が入ってない⁈とだいぶ食べ進んだところで気付き、まさかそんなことがと確かめてるうちに食べ終わってしまい、お会計の時に言ってみたのですが、ものがないところで確認のしようがなく、相手も困惑するばかりで、それ以来行く気にならず、正直がっかりしていました。
    が、「大人が大人でいられる渋谷」のステーキ、素敵なお店を教えていただきました。
    面積じゃなくて高さのあるお肉食べたいです。

    • サカキシンイチロウ

      あーたさん
      同じグラム数でも薄いのと厚いのではまるで違った料理になりますよね。
      日本料理のお店の中には、薄いのに迫力満点というステーキを売り物にしているお店があって、近々、そこに行ってみようって思いました。
      それにしてもフクラス。
      実はかつてのお客様が出店してらっしゃるんですけれど、渋谷って街は本当に魔物が住んでいるような場所だねぇ…、何が売れて何が評判になるのかまるでわからないっておっしゃってました。
      全体的に残念な結果のようです。

  3. めるば

    普段ブログを拝見してて東急に対するポジティブな話をあまりお見かけしないなぁとは思っておりましたが、そもそも大きい箱モノというか、ディベロッパー絡みの物件が…(ここは敢えて伏せますが)、といった方が正解に近いでしょうか?

    ちなみにこの間クリスマスケーキを注文しにいつの間に開店していたヒカリエの果実園リーベルへ行ってショップカードを見たら、何と今はFC店もあるとのこと。店舗ごとにかなりメニューが異なるようですが、やはり新宿店が個人的には好みです。

    • サカキシンイチロウ

      めるばさん
      何事も大きくなりすぎると厄介なことが多くなりますよね。
      オモシロイもので、六本木系のデベロッパーが好むテナントはエッジが効いていてお客様を突き放したような店が多く、日本橋系のビルには老舗然とした店が好まれる。
      丸の内系のビルはビルそれぞれにしっかりとしたテーマがあってテナント構成が単調にならない特徴があって、テナントリーシングに相当労力と知恵を使っているんだろうなぁ:、と思わせます。
      渋谷系はその点、何をしたいのかわからないビルが多くて戸惑います。

      東急というグループにはかつて大きな期待を感じていました。例えば日本でもっともポテンシャルのあるホテルチェーンは東急グループじゃないかと思っていましたし、業界の人たちも日航ホテルか東急ホテルが日本のホテル業界をリードしてくれると期待していました。
      外食においても東急グループの自由自在な発想は大企業のそれと思えぬ冒険心にあふれてしましたし、実はお手伝いをしていたこともありました。
      東急ハンズなんていう流通業の異端を産んだのも東急グループ。
      ただ「電鉄本体」と「流通グループ」はいささか独創性にかけ、例えば東横線の駅ビル、駅前はどこも同じようになってしまう。もったいないなぁ…、と思います。

      さてリーベル。
      ちょっと店を増やしすぎですね。
      フルーツやケーキに関しても、同じ店でも行くときによって品質のばらつきが目立つようになりました。
      これもまた「大きくなりすぎることのジレンマ」なんだろうと思います。

  4. めるば

    東急ホテル良かったですよねー。やたら「エクセル」だの「REI」だの細分化するようになってから、一気にガクっとダメになった気がします。なので名古屋の栄にある東急ホテルにはいつまでも頑張って欲しいなと。

    東急はあの駅周辺の動線を無視した開発が良くも悪くも東急らしいなぁ、と。菊名や綱島の駅前しかり、マークシティの地下に無理矢理foodshowを詰め込むところなんかも(数年後に前の場所に戻るまでの暫定でしょうけど

    果実園リーベルはまさにサカキさんがよく仰るところの「屏風」なのかもしれませんね。

    • サカキシンイチロウ

      めるばさん
      広げすぎて倒れるくらいならいいですが、おできのように大きく腫れて潰れると跡が見苦しくて目を背けたくなったりします。
      そんなことにならぬようにとそっと見守ることにしましょう。

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