回転寿司はいつまで回転寿司なんだろう…。

ひさしぶりに回転寿司の函太郎。
北海道の函館に本店のある小さなチェーン。昔は北海道や東北に限ってお店を出していたけれど、東京に本部のある中堅回転寿司チェーンに買収されて、東京でも店を出店するようになった。
「産直グルメ」と店名にもうたっているように、競争激しい回転寿司でわかりやすい差別化のひとつが「魚がおいしく感じる地域」で人気がある…、というコトで、だからでしょうね。
東京駅に店が2店舗。ひとつは普通の回転寿司で、もう一軒は立喰の店。どちらも同じ経営で、どちらも同じ仕入れのはずなのに立喰のお店のほうがずっとおいしい。12、3人しか入れぬ店に寿司の握り手が3人いるのが立喰の店。70席を3人で回す回転寿司と、ネタの違い以上に人手の違いが明白で、寿司の違いの理由と感じる。

回転寿司とはいえテーブルやカウンターの上に注文用のタブレットが置かれてる。
かわりにベルトの上にはほとんど寿司は流れておらず、ときおり流れてやってくる寿司にもフィルムが貼られていたりする。これもう商品じゃなくてサンプルで、いつまで回転寿司は回転寿司でいるんだろうって思ったりする。
もしかしたらファミリーレストランが家族のためのレストランではなくなってグループ客やサラリーマンの食事の場所になってもずっと、ファミリーレストランと言い張っているみたいなことにすでになってるかもしれない。なんだかしんみりしてしまう。

このタブレットがうまく出来てて、わさびのある無し、シャリの大小などが手軽に注文できる。
眼の前に職人さんがいるけど直接彼らに注文する人おらず。まるで彼らは寿司ロボットって思ったりもする。しょうがない。
本マグロの赤身や中トロ、とろをそれぞれシャリ小で握ってもらう。それぞれお皿ひとつに一貫ずつ。ポツンと置かれて寂しそう。
それらをまとめてお皿に乗せてにぎやかにしてパクリと食べる。ネタはおいしい、シャリがバサバサであんまり好きじゃない感じ。
ホッキと赤貝をそれぞれシャリ小で一貫づつ。これがミニチュアサイズでちょっとびっくり。数の子は2貫で一皿。好物だから2貫もらって食べるもこれがおいしくて、得した感じ。魚卵の粒が歯茎のまわりにこびりつき、ポソポソパラパラするのがたのしい。オキニイリ。

茶碗蒸しをたのんだ。厨房で温められてホールサービスの人がもってくるのだけど、出来た茶碗蒸しがずっと厨房の前に置かれてやってこない。すいませんと声をかけるも目の前の職人さんも気づかない。お客様の声よりタブレットから発信される情報が優先される居心地悪い状況に、ちょっとしんみり。
ちなみに茶碗蒸しは北海道的に甘い仕上がり。スプーンで中をさぐってみるとあったよ、あった!…、栗の甘露煮が入っていました。これが甘さの正体で北海道ではお店によっては甘露煮の蜜も一緒に入れて作るほど。本格的なのに比べてちょっと甘みはおだやか。それでも北海道の料理を食べた…、って感じにさせる。オモシロイ。
テキパキ食べて、お腹は6部目。他に食べたいものがないからお勘定をとお願いしたら3000円を軽くオーバーしておりました。回転寿司とは一体どういう存在なのか、しみじみ思う。むつかしい。

 

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コメント

  1. なすび

    ヒヒヒSUSHI-GO-ROUNDというなぞの言葉がツボにはまりました。
    回転寿司ってけっこーな値段行くんですね、びっくりです。
    それはそうと、遅くなっちゃいましたけど、今年もハッピーレスト!!!

  2. サカキシンイチロウ

    なすびさん
    回転寿司って寿司を安く食べる工夫からはじまって、今ではコミュニケーションをしなくてすむ寿司の店としての立ち位置まできちゃったのかんぁ…、なんて思います。
    今年はどんなおいしいモノ、たのしいコトがあるかワクワクしながらの新年です。今年もよろしくおねがいします。

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