南陽市の夜と朝

山形の南陽市に来てひと仕事。
人気の居酒屋さんがあるんでご一緒しませんかと「山英」というお店に連れて行ってもらった。
お店に入るとワンワン唸るようなにぎわいで圧倒される。
老若男女と言っていいんじゃないのかなぁ…、みんなくつろいだ装いで料理やお酒をたのしんでいる。
座敷にテーブル。座ったテーブルの前に厨房。あぐらをかきます。
メニューを書いた札がずらりと並んでて、何にしようかたのしく迷う。
料理の値段がみんなゾロ目…、440円や880円と最初の二桁が同じ数字でこれもなにかのこだわりかなぁ…、って思ってぼんやりみていたら、餃子だけが490円!元の値段に紙を貼って書かれた値段で、多分もとは440円だったのを110円値上げするのは申し訳ないから50円の値上げで我慢したのかなぁ…、ってあれこれ想像。オモシロイ。
定番メニューが書かれた紙と鉛筆が配られてそこに書き込みお店の人に手渡す仕組み。九州の牧のうどんに来たようで、なんだかほのぼもしてきちゃう。

おでんとおむすびがここの人気のツートップ。
「おでん」とたのむと一人前がやってくる。
タネはみんなおんなじで今日は豆腐にこんにゃく、昆布に竹輪につくねにごぼ天。
大根、玉子でひと揃え。
醤油を使わず出汁と塩で味が整っていて、だから煮汁がキレイな透明。
甘めの汁で、あぁ、山形に来てるんだ…、ってしみじみ思う。
山形の料理は甘口のものが多くって、しかもまろやか。練り物のうま味や風味が汁にうつって色は薄くも味は濃い味。
豆腐が特においしかったなぁ…、味がしっかりしみていてふるふるプルプル。汁をゴクゴク飲みながらハフハフ食べてお腹を芯からあっためる。
もうひとつの人気者のおむすびはちょっと小さめ。飲んだ〆にピッタリサイズ。昼にはこのおむすび2個に唐揚げ、おでんの定食やお弁当が人気だという。値段はそれで700円。近所にあったら重宝するに違いない。

そのおむすびはフワッと軽く握ったタイプ。噛むとホロリと壊れて口にちらかっていく。塩の具合はやさしくて、海苔のうま味や具材の風味が際立つ仕上がり。
料理をいろいろたのんでみました。
ほっきの刺身は殻におさまりやってくる。プルンとなめらか、強いうま味と軽い渋みがおいしくて香り芳醇。おゴチソウ。
イカ下足を使った料理が豊富で例えば下足天ラーメンとか腹ペコだったらたのむだろうなぁ…、って思う様々。
下足カラをたのんでみればこれがかなりのボリュームで、出汁に浸した下足はやわらか、衣はバリッと歯ざわりがよい。生姜の香りがおいしいナスの揚出しでお腹を潤し腹いっぱい。
笑顔でお店をあとにする。

 

関連ランキング:食堂 | 赤湯駅南陽市役所駅

 

お宿は「いとや旅館」という家族でやってる小さな旅館。
大きなお風呂で足を伸ばしてあったまり、部屋にはこたつ。電気毛布を敷いた布団でぐっすり休む。電気毛布って何年ぶりだろう…、小さな頃に電気毛布を使っていた記憶があるけどそれもほんの短い間。なのになんだかなつかしかった。
旅館の奥さんが作ってくれた朝ごはん。
鯖の塩焼き、ほうれん草のおひたし、納豆、味付け海苔。お味噌汁にはネギに車麩。ふっくら熱々、体がホッとあったまる。
ずっと旅館の女将さんが世間話に付き合ってくれ最後にコーヒー。東に向かって移動です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。