化学調味料とレストラン
化学調味料というものがキッチンにない生活をもう30年近くも過ごしています。
化学調味料が嫌いなわけでなく、そういうものを使わないでも料理を作ることができるから。
それに知らずしらずのうちに化学調味料を使ってしまう。
だってお好み焼き用のソースを使えばおびただしい量の化学調味料を一緒に絞り出すことになるし、焼きそば用の粉末ソースをよく見ると、サラサラした透明の結晶が調味料にまじり込んでいるのがわかる。
化学調味料を無頓着に使う調理人は意識が低いと言われます。
でも本当にそうなんだろうか。
化学調味料を使わぬ料理は正しくて、使った料理は正しくないのか。
化学調味料とはいったいどういうものなのか。
それらと上手に付き合うお店。
付き合うコトってどういうことかをちょっと考えてみようと思う。
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「化学調味料」という言葉は、今回はあえて使われているのでしょうか?
…と、このように書くと、微妙に攻撃的なニュアンスを含むように読まれるかもと思ったのですが、上手にニュアンスを伝える文章が書けなかったので…(勿論そのような意図はありません)。
メディア等では「うま味調味料」という言い方・書き方をされることが多いですよね。
今回のお話では触れられていませんでしたが、次回以降その「言い換え」についても触れられるのかな?と想像しています。
モノとしては同じなのに。
イメージが大事というのは、よくわかるのですが。
「化学調味料」から「うま味調味料」への変化について、その背景も含めてサカキさんの解説やご意見が拝読できたらなあと思っております…という、一読者のリクエストでした。
小方さん
うま味調味料という言い方。
やわらかくていいですよね。
けれど今回はあくまで「化学的に作られた不自然な味の調味料」という意味で化学調味料という言葉を使いました。
自然にないものと向き合う気持ち。
「旨味」という日本の料理の肝の部分をいかに大切にするかということを伝えればと思います。
私は化学調味料派です。うま味調味料という言葉を知りませんでした。そんな変化をしていたのですね。そういえば聞いていたのかもと思う程度です。昔、NHK(だと思う)の料理番組で、男性の先生が中華料理を教えていました。その際、「塩、胡椒、そして魔法の調味料」と言って、ほぼ必ず加えていました。子供心に、美味しそうだなあと。それから私たちは味の素を食べると頭が良くなると教えられて育った世代です。だからか昨今のMSGを加えていませんという貼り紙のあるレストランを見ると、きっと美味しくないんだろうと思ってしまいます。かといって、家にあるかというと、今はありません。その後、体に悪いという情報がたくさん入ったからです。実際、アレルギーのある人も多いようです。長くなりましたが、結論は、サカキさんの言われるように、正しく知り、使う時は賢く使うというのが正解のように思います。
to22byさん
化学調味料を使わずおいしいものを作りたい…、という純粋な気持ちは悪くないなぁと思います。
けれどおいしいものを作ることが目的でなく化学調味料を使わないことを目的にした料理づくりのお店にいくと、無理をしなくてもいいのにって思いもします。
ただそれも多様な価値観の先にあること。
自然におおらかに、おいしいものをたのしみたいなぁって思いますよね。
4年前まで中間原料のメーカーで開発に携わっていました。
食品添加物と聞くとやはり悪いイメージがあるのですが、手軽においしくするものであると思って仕事をしていました。
便利なものは使います。余った時間で他のことをしたいから。知識を得て、上手に使いたいです。
ちいさん
人間のおいしいものに対する好奇心と、より手軽に安くおいしいものを求める欲求。
過去から様々な調味料を手にした原動力だったのだろうと思います。
そんなときに手にした「化学的なおいしさ」。
そんなものを受け入れることは「料理文化の退化」であるという人がいます。
けれど伝統的な料理文化にとって不都合な新しいことを、完全に拒否してしまうことはあまりにもったいない。
化学調味料がただしい料理の進化につながっていけばそれでいいなぁ…、とボクは思います。
作る店が、いくらの値段で、どのレベルの料理を提供したいのか?
食べる客が、いくらの値段で、どのレベルの料理を食べたいのか?
ビジネスは売れてナンボだと思っています。経営者に株主に利益を出さないとアウトですもの。
化学調味料はさじ加減でしょう。ギリ使っても気になる方は、その店に行かなきゃ良いだけです。
自称コダワリのラーメン屋。朝は早くから遅くまでなんて、投下労働時間の無駄ですし光熱費も使いすぎ。
それから、最近の値段設定は高すぎでしょうと思ってます。
battenさん
化学調味料を使わなければいい…、というわけでは決してないですものね。
昔ながらのラーメン屋さんなんかにいくと、なつかしい感じがして、どうしてだろうと考えた末に、そうか、化学調味料の味だったんだって思うことがあります。
もう化学調味料もひとつの味…、になったのかもしれませんね。
“食”とは離れますが、信頼している美容&毛髪診断士さんが「オーガニックのシャンプーが流行っているけれど、パーマやカラーなどで傷んだ髪には、化学の力を借りたほうが回復する場合もある」とおっしゃっていて「へー!」と視野を広げて頂きました。
自分で作る時は化学調味料は使わないけれど、外食ではバリバリに使っているお店を好んで訪ねる時もあるんですよね。笑 状況によって選べるのが幸せ♡と思っています。
RYOさん
漢方だけで健康を獲得できるわけではない…、ということもでありますよね。
すべてにおいて塩梅だと感じます。
サカキさん
私も使わなくなって何十年
何にでも使う時代だったので
最初は物足りなく感じた時もありましたけど
素材だけの味に気付かされるというか
化学調味料を使うと全ての味に膜が貼ってぼんやりしてしまう様に感じます
でも使い様ですよね
もちろん外食すれば化学調味料を使った料理を美味しく頂いてますし
私の経験では中華、韓国などのアジア系エスニックとは相性よくて
フレンチ、イタリアンなどのヨーロッパ系とはあまり相性良くない気がします
チキタンさん
化学調味料は日本生まれで日本育ちなんだとつくづく思います。
おっしゃるように東洋系の料理には効果的に使うとすばらしい力を発揮する。西洋料理に使うと、居心地悪くも感じますよね。
化学調味料で整った味は、ベール一枚かぶったような感じがするんです。素材の味を探り当てようと舌が一生懸命がんばるのだけれど、真髄にたどりつけずもどかしい感じに襲われる。
料理は「破壊と再構築」の産物と言われますけど、再構築なく「創造」になっちゃう。それほどすごいものなんだろうと思います。