冬至の夜の南昌飯店、ゆずの風呂

夜、ひさしぶりに南昌飯店に顔を出しておきましょう…、とテクリと歩く。
家の近所のゴキゲンな店。
中国出身の気のいい元気なおかぁさんが頑張ってる店。
いつものんびりしていて、お店の中より出前がいそがしかったりする。だから予約なんかしないでいつもぶらりと来ます。
今日はお店の前に大きな観光バスが二台もとまって、隣の火鍋の店の前にズラリ並んでタバコを吸ってる。お店の中が禁煙だからなんでしょうか…、二台分の大型バスの観光客。おそらく火鍋の店は満席でしょう。
南昌飯店のおかぁさんはかなり気落ちしてるんだろうなぁ…、って思ってお店に入る。
そしたらビックリ!

店は満席。いつもは使わぬテーブルをひとつもらってなんとか収まる。両隣さんも向こう隣もずっと奥までみんなお酒を飲んでいて、そうか、今日は仕事仲間が集まる最後の金曜日。もう来週は大晦日前というこの時期に、忘年会的会食をしてるんでしょう…、ニギヤカなのはステキなコト。

何をたのもうか…、ってメニューを見てたら「大根だんご」なる不思議な料理があるではないの。
これなんだろう…。
大根餅のような団子か?って話していたら、お隣さんが「それ、たのもうかどうしようか迷ってるんだけど、どうにも勇気がでないんですよ」って、ボクらの話に混じってくる。
ならばたのんでみましょうか…、って。

やってきたのが小さなボール。
こんがり揚がって、見ると千切りにした何かがトゲトゲ、焦げて突き出て球状をなす。大根餅を丸めて揚げたような雰囲気。
お隣さんに「よければどうぞ」とおすそ分け。
みんなでパクリと口に含んで、一同、無言。
大根餅を想像してたらコリコリ固くて、ハッシュブラウンのような食感。なのに香りが「It’s Chinese」って叫んでるようなかなり濃厚なアジア臭。チャイナタウンのスパイスショップに紛れ込んできたような特徴のある香り。それに慣れれば、カリカリサクサク食感たのしく悪くない。

今日のおすすめは空芯菜。
にんにく醤油と赤唐辛子をタップリ入れて仕上げられてて、シャキシャキトロトロ、なかなか旨い。
周りのテーブルを見渡すと、ほぼすべてのテーブルに、空芯菜のお皿が乗ってる。
おかぁさんの情熱的なセールストークの成果でござんしょ。
コロンと丸い焼き餃子は、中に発酵させた葉っぱが入ってて発酵系の酸味と旨味がパリッと生地が破れると中化が飛び出してくる。
夜の定食を一つたのんでご飯を分ける。メインはエビと玉子の炒め物。油をたっぷり含んで焼けた玉子はふわふわ。ネギのシャキシャキした食感と風味がおいしくご飯がすすむ。中国料理の玉子料理ってなんておいしく、しかも体に悪そうなんだろうってニタニタしながらご飯と食べる。

汁系ではない麺を食べたく、海鮮かた焼きそばをたのんだ。
たまにココで注文をする定番料理の一つ。中華料理のお店なんだけど、やってくるのは皿うどん。それもパリパリ麺を使ったもので、具材もタコにアサリに細切りなると。もやしにキャベツにネギ、きくらげに刻んだハム。チキンスープに塩の風味がパキッときいた、とてもおいしい皿うどん。
最初はバリバリした麺が、徐々にスープを吸い込みトロンとやわらかくなるところがおいしい。あんはなめらか。そのなめらかをゴクゴク飲みこみ、麺になめらかが移っていく。とろける麺をズルズルすすって、今日の夜のお腹が満ちる。今夜は冬至。ゆず湯に入ってあったまる。

 

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コメント

  1. にゃおにゃん

    麺といえば、神戸行ってたんですが、このブログで教えていただいた香港麺専家 天記 閉めちゃったみたいでザンネンでした。

    • サカキシンイチロウ

      にゃおさんさん
      そうなんです。オーナーの方が閉店を決められる前にご相談にちょっと乗ったのですが、流行っているんだけれど、小さなお店だったので生活をするのが大変だったという理由で苦渋の選択をされたんです。
      いつかあのレシピを使って、ブランドの再興のお手伝いができればなぁ…、なんて思っています。

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